認知症カフェの役割
参考引用文献:武知一2020「認知症カフェの役割」『総合リハ』48‐10:945‐950
〇認知症カフェの起源と目的
日本では2012年に示された「今後の認知症施策の方向性について」後浄化した。ルーツはいくつかある。1つが、1980年に設立された「認知症の人と家族の会」での介護家族同士のつどいである。2つめが、1997年にオランダで開始されたアルツハイマ―カフェである。3つめが、日本における当事者支援の活動であり、出雲エスポワール、藤本クリニックの「もの忘れカフェ」、宅老所、グループホーム等々である。
〇認知症カフェとは
その実体はわかりにくい。文献の著者の評価によると、3つのカテゴリーに含まれる9つの要因があった。
9つの要素は次のとおり。
1.カフェの雰囲気や存在意義
①自然な参加意識と居心地の良さ
②カフェの成立要素と地域にある意義
2.参加している認知症の人や家族に関するもの
①本人が自分らしさを感じられ、ありのままに過ごせる
②家族がつらさや不安を気兼ねなく語れる場
③本人と家族がともに集うことで生み出される新たなつながり
3.カフェスタッフについて
①市民、学生、専門職からなるスタッフの構成と役割
②スタッフの学びの積み重ねや熱意とそれぞれの視点
③振り返りによるスタッフの情報共有と団結力
④来訪者のニーズを知り、心地よい環境を目指すスタッフの動き
〇エビデンス創出に向けて
認知症カフェスタッフに必要と見込まれるスキルについての20項目の自己評価票を作成した。信頼性・妥当性は確認しており、スタッフのスキル向上の可能性が示されている。詳しくは文献をご覧ください。