熊谷晋一郎著『リハビリの夜』について
『障害学研究』7:366-378に掲載して頂いた文章の草稿です。
1.はじめに
本書は、「脳性まひ」によって生まれながらの「重い身体障害」を持つ筆者が、子供の頃のリハビリテーションにおける経験等を振り返りつつ、自らの身体を通して立ち上がる実感を言葉にすることによって、これまで自らの身体を「障害」と一言で片付けられ、自立や回復、あるいは正常を目指すべきと見做されてきたことへの強烈な拒否表明(むしろ本書の語り口は分析的で抑制的ではある)と、そうした眼差され方を否定し、もっと別