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【15歳 07月のアオハル】

高校1年の行事として、いくつかに別けられたことやっていた。
その中で人気だったスキーは見事に外れ、土浦の広大な合宿所という名の収容所で行われるキャンプに参加することになった。カミさんのようなキャンピングカーでソラーバッテリーで充電した電気使って、TVゲームやったり、チョットシャワー浴びちゃうとか、ナニがキャンプじゃ。車中泊しとんじゃ! なキャンプで無く、サマバケ突入前の監獄キャンプ。
だだっぴろい合宿所のグランドに十数個のテントは、隣まで結構離れてる。
さらに一応文明がある合宿所までは、端から端で、結構離れてる。所謂、見えるけど近くにない。ただ、引率の教師もテント住まい。合宿所には誰もいない。
所々、グラウンドには蟻地獄の巣があって、喘いでるアリを見る。
火起こしも、マッチでは無く、ひろしのぼっちキャンプ状態の火の起こし方。それでも、男子ばかりなのだからカレーもワイルド、BBQもワイルド。
翌朝の朝ご飯に至っては、火を残して良いと言われてなければ、消せ!とも言われてないから、シチーボーイな奴らばかりだから律儀に朝から火起こしするという教師のイジメにも遭った。
昼間は、近所の小学校へ出向き、1年生の教室を大掃除してやるというボランティアみたいなこともやったが、午後から学校にあるプールを使わせて貰うことも出来た。
で、男子校。いくつかのチームに別れ水球的な格闘技が始まる。優勝チームには、その晩に出される肉のレベルが上がるという。
勿論、暴力行為は厳しく罰せられる・・・
が、水球である。 水の格闘技である。 水面下では・・・

更に工業高校夏休みの各科の交流も目的の一つなわけで・・・
電気・情報科が用意された弱電電圧器使って、クルマや電車を動かす仕組みを機械科の連中に教えたり、逆に機械科が、電気・情報科の連中に鉄板を切って溶接して、椅子を作ったり・・・
勿論、弱電を漏電させて電気ビリビリとかはやりました。

そんな中で一番怖かった事が・・・
夏恒例!田舎で肝試し。
簡単なこと、グランドの端の方に作られたキャンプ集落をスタートして、グランドの際に打ち込まれてる工事用ロープ沿いに歩き、丁度反対側にある合宿所内の広間にある玉を捕って、ロープの続きを歩いて、キャンプ村に戻るというシンプルなモノだった。
しかーし、二人組若しくは三人組で渡される懐中電灯はたった一つ。
しかも、黄昏時に聞いた教師と地元老人の怪談・・・ 数年前まで土葬だったとか指さした方にある墓地とか・・・
で、午後八時、数分おきに放たれる少年達。
本当に暗い、懐中電灯に映し出されるのは、目印のロープが埋まってる地面だけ。しかも、肝試しと言いつつ、脅す側の人はいない。感じた全てのことは、現実であると言う恐怖。
毎朝走るグランドは、広いがその広さを凌駕するような広さを感じる。
で、土葬だったという話。半端なく怖いが、その怖さを出せない連中ばかり・・

って、ハッキリ言ってキャンプと言うより、楽しい少×院を体験してるような、3泊4日だった。
帰りのバスは、みな爆睡だった。
昼間なのに爆睡だった。
そして、このキャンプが終わった自宅では、もっと凄い恐怖が待っていた。


【つづく】