色はたったの3色だけ?
公立保育園で造形活動を提供しています。障害・老人福祉施設でも造形活動を提供しています。
今日は公立保育園で絵具の活動をしてきました。
保育園の活動では水の生き物をテーマに創作活動を楽しみました。
2つの大きさの紙を準備して、量はできるだけたくさん。テープも用意しました。組み合わせは自由です。
道具は絵の具(色は3色)、クレヨン、セロハンテープです。
海という舞台を作って生き物を表現する人もいたし、滝を作った人もいました。大きなサメも、細長いチンアナゴも、紙を工夫して作っていて、みんな道具を上手に使ってたくさんの表現をして楽しみました。
こんな風に楽しく活動できるのは、こどもたちが道具の準備や扱いに慣れているからです。絵の具の活動をすると、最初はバケツの色が変わったり、絵の具が混ざるのが楽しくて、それを保育士さんと共有する姿が見られるのですが、今回のこども達はそう言う活動をたくさん経ているので、絵の具を使ってどうやってなにを作ろうかという活動にすぐには入れました。絵の具で貰えない色があっても、クレヨンで代用するなど、あるもので応用しながら、その場の工作の時間を楽しんでいました。
保育園で絵の具を使うとき、大体3色までにしています。選ぶ色について、私なりのルールがありますが、ここではなぜ3色だけにするかということだけ書こうと思います。
それは、大人の都合です
絵の具は3色以上混ぜると、どうしても濁って似たような色の画面になってしまいます。こども達には「絵の具であそぼう、自由な時間を担保しよう!」というのですが、造形活動をすると、その後に飾ったりして『他人の目』に触れる機会があるケースもあります。その時、絵の具3色くらいで遊んでできた作品は、スッキリと見えて飾る場所を選ばないという大人の理由です。
いつだったか、7年前くらいかな?たくさんの絵の具を使って、塗りたくって濁りまくって、画用紙も穴が開きそうなほどもろもろになったのを、一応飾ったあと、それを見た保護者の方から『なにか心に我慢しているものが、、、』という心配をした、というお話を聞きました。でも、違うんです。そういう表現をしたわけではないんです。お箸が使えるようになったくらいの時期の男の子ですた。赤い色が好きで塗りたくって、次に青が欲しくなって塗りたくって、緑いろの絵の具ももらって塗りたくって、人がオレンジ色をもらっていたのを見て塗りたくって、画面はボロボロ色はぐちゃぐちゃ、だけどしっかりやり切って楽しかっただけなんです。ということがあって、私の中で『表現すること』≠『絵の具をつかうこと』ということを忘れないようにしようと強く思うようになりました。
ただお金をいただいて活動している以上、ある程度『他人の目』に触れることも大事だとも思うのです。それを見た人が褒めてくれたら、単純にうれしいじゃないですか。そう見せるのも大事だなって。
だから、ある程度絵の具のもつ色のきれいさが担保できる3色にすることにしました。準備も簡素化されてよかったですし。
もちろん、自分の表現したいものがあって、そう言う「絵を描く時間」であれば、絵の具は3色に限りません。色が混ざって画面が茶色よりのグレーになったとしても、納得いくまでやってもらうのがいいと考えています。
そのうち、体や指と一緒で、絵の具だって自由に使えるようになるのですから。