越谷EASY GOINGS
久しぶりに見た地元の先輩は前に見た時よりもちょっとおじさんになっていた。
もう何年も前にお互いにDIR EN GREYの薫が好きで仲良くなった先輩は、当時は薫モデルのVIPERを使っていたけどいつからかストラトキャスターを使っていて歪みもだいぶ落ちていた。髪型もザ・社会人のような髪型になってる。
当時パイナップルって言ってるだけの歌を歌っていたバンドマンは気付けば店長になっていた。
演奏が下手くそな後輩は今だに演奏が下手くそで、気持ちだけでやってる荒削りどころかそもそもどこも削れてないような初期衝動の塊のような後輩もいて、
「ああ、俺達は何もないこの場所から始まったんだな」
って実感した。
恩師とも言える元バンドメンバーもなんとなく雰囲気がおじさんに近づいてきてて、
オーナーの安藤さんは気付けばだいぶ白髪が増えていた。
今までは全盛期の映像しか見たことなかったロックスターの現在の老いぼれた写真に理解はしつつも少しだけ幻滅してる自分がいたけど、なんだか今日は年輪のようにその人が積み重ねた時間をこうして見れることがたまらなく愛おしくて、一緒に膨大な時間を積み重ねてきた事実を目の当たりにできたことが嬉しかった。
自分が演奏してる時に見えたオーナーの安藤さんの子供のような笑顔がたまらなく嬉しくて、ずっと感極まっていた。
俺はあの笑顔を見たくてずっと頑張っていたんだな。
10年もかかってしまったけど、越谷っていう小さな街のライブハウスのオーナーのあの無邪気な笑顔を見れることの重みを俺は知っている。
今までずっと戦い続けてきた。勿論これからも戦い続ける。
今日はそんな戦い続けてきた日々が、本当に辛くても自分を信じてギリギリの所で保ってきた決意が無駄にならなかったんだなって思った。
あのステージに初めてたったあの日から気付けば17年が経った。
今の俺たちにはまだまだこの場所をパンパンにできる力はない。
だけど、物凄く我儘なお願いだけど、これからもこの場所を守ってください。
俺が帰ってくる場所を守り続けてください。
俺達はこの場所から全てが始まった。
埼玉県越谷市Azamiです。
越谷EASY GOINGS20周年本当におめでとうございます。