見出し画像

#検察庁法改正案に抗議します 激動の10日間と今後について

「#検察庁法改正案に抗議します」発案者であり、会社員でフェミニストの笛美です。皆様が声を上げてくださったおかげで、検察庁法改正案は5月18日(月)に今国会での成立が見送られることが決まりました。ご賛同いただき本当にありがとうございました。

前回の記事「#検察庁法改正案に抗議します デモで知った小さな声を上げることの大切さ」では、最初の投稿から拡散までを書いたのですが、今回は拡散から採決見送りまでの過程を振り返りました。

このままじゃ終われない

もともとTwitterではフェミニストとして女性差別について発信していました。そんな私が珍しくつぶやいた政治ネタが「#検察庁法改正案に抗議します」でした。5月8日夜に投稿してから、100万ツイートにまでタグが拡散され、芸能人の方々にも知っていただいた段階で、もうこのタグは自分の手を離れていったのかなとも思いました。取材や番組への出演、リモートワークとデモ活動と国会ウォッチング。慣れないことだらけで、自宅にいながらにして、人生が大きく動きました。

メディアへの露出がきっかけで、多くの方が私を見つけてきてくださいました。「ハッシュタグのおかげで、今まで言えなかったことが言えた」「ハッシュタグを作ってくれてありがとう」「本当はずっと言いたかったけど、これまでのオンラインデモでは言えなかった。」と洪水のような感謝のメッセージが届きました。「なんだ、本当はみんな政治について話したかったんだ!でも機会がなくて話せなかっただけなんだ!」これまで政治に声を上げる敷居があまりにも高かったこと、そして私のハッシュタグがその敷居を下げられたこと。そんな確かな手応えを感じることができました。

このまま活動を手離れさせようとも思ったのですが、きゃりーぱみゅぱみゅさんが投稿の削除に追い込まれたことや、某政治家さんが「世論のうねりは感じていない」と言ったことで、このままじゃ終われないと。声を上げてくれた人たちと一緒に何ができるだろう?

政治ノウハウを集める

自分の選挙区の衆議院議員の名前すら知らなかった私。政治家へのアプローチにも詳しくなかったので、いろんな人に助けを求めまくりました。政党のアカウントにどうすれば政治家は動くのかを呼び掛けたところ、「数の力」がものを言うらしいと教えてくれました。私ひとりが頑張るより、声を上げる人たちの後押しをしたほうがいいと思いました。

そこで自分が議員さんに電話してみた経験などを、みなさんにシェアしてみました。

他にも、政治家さんをターゲットとした場合、どんなメッセージが効くのか、電話・メール・FAX、どんな方法で届ければいいのか?貧弱な知識しかなく、途方に暮れていた私に、政治に詳しい方々からのアドバイスが集まり始めました。

15日(金)手に汗握る国会中継

15日(金)の国会はリモートワークをしながらネット中継で見ました。5万人くらいの人がYoutubeライブにいて、Twitterでも実況コメントが流れていました。4月からまともに国会を見始めた自分が言うのもなんですが、こんなにハラハラした国会は人生で初めてでした。仕事も手につかなかった。唐突に散会になって拍子抜けしましたが。国会って、いつもこんな感じなのだろうか?

16日(土)17日(日)議員お声がけ

週明けの採決に向けて、これまで蓄積された議員さんへのメール・電話・FAXなどのノウハウをnoteに集約しました。多くの方が実践して、その報告もしてくださいました。みなさん、ただ方法を知らなかっただけで、少しのサポート情報で物凄い行動力を発揮されていました。行動を起こした方の実例をシェアすると、それを見たさらに多くの方が行動を起こし、さらにブラッシュアップされた知見が貯まっていきました。

18日(月)の法案見送り

連日のデモ、Twitterへのタイムリーな投稿、国会中継、ニュース追っかけ、議員へのお声がけ、慣れない政治トピック、取材、フルタイムの仕事という非日常満載の日々に、頭がパンパンになりそうな月曜日。もう活動を続けられないかもしれないと思い始めたランチ休憩時に、「今国会での審議を見送る」というニュースを知りました。正直ほっとした一方で、どこか不安な気持ちにもなりました。結局、検察庁法改正案は先送りになっただけで、また秋の国会で審議入りする可能性があるんですよね。強行採決しがちな体質はそう簡単に変わるとは思えません。また芸能人のスキャンダルでカモフラージュしてくるかもしてません。それだけでなく「新型コロナ対策」「種苗法」「スーパーシティ」「ムーンショット」「森友問題」「赤木さん事件の再調査」・・・不安な法案や問題がたくさんあります。政治って、なんて手がかかる子なんだろう。はやく選挙に行って、国民のことを考えた政治をやってくれる人たちに投票して、一般市民は安心して仕事や生活に集中できるようにしたいです。でも選挙までは、まだ何度か声を上げる必要がありそうで、少し気が遠くなる気がします。でもきっと大丈夫。だって、私たちはたしかにあの時、声を上げることができたのだから。

きっと私たちはまた声を上げられる

日本人はすぐ忘れると言うけど、きっと私たちは忘れないと思う。初めてハッシュタグを使ってつぶやいたこと、勉強不足だと思いながらも政治についての投稿をしたこと、Twitterのトレンド欄に並んだ政治ワード、自分の選挙区を調べたこと、議員さんの連絡先を調べたこと、議員さんのプロフィールを見て、この人は賛成してくれそうか思案したこと、メールの文面を考えてドキドキしながら送信ボタンを送ったこと、勇気を出して電話して秘書さんと話したこと、コンビニでファックスを送ったこと、そして世論が政治を動かした手応え・・。今回、勇気ある一歩を踏み出したみなさんなら、また何度でも声を上げることができるはずです。

今後の活動について

私はこれまで通りフェミニストとして、ジェンダーギャップ121位の日本でフェミニズムを当たり前にするために声を上げていきたいです。また1人の声を上げる人として、「1匹のウサギ」として、声を上げようとする人を応援する活動もしていきたいです。SNSのおかげで、誰だって声を上げていいし、声を上げれば周りの人が連帯してくれる時代になりました。次はあなたが声を上げる人になってください

政治ネタに関しては初心者には変わりないので、気になったことは調べて、なにか感じたら声を上げます。でもあんまり難しく考えすぎたり、プレッシャーを感じすぎると、自分らしい言葉も生まれてこないので、自然に任せたいなと。フェミニストであり政治ビギナーとしての笛美を、ゆっくり見守っていただけると幸いです。

それにしても「フェミニスト」「政治的発言」「30代独身女性」というTwitterで叩かれやすい要素を揃えたアカウントのフォロワー数が、3K→11.9Kになる日が来るとは思いませんでした(笑)

新しい生活様式 「毎月○日は議員さんに連絡しよう」

いまは議員さんとのコミュニケーションを日常的なものにする「新しい生活様式」を作れたらいいなとぼんやり思っています。「毎月○日は議員さんに連絡しよう」みたいな。いま議員さんが自分の支持母体の人だけを向いているように見えるのは、支持母体の人たちと日常的にコミュニケーションを取っているからなんじゃないか?だったら私たちが議員さんと日常的にコミュニケーションを取れば、私たちの声を反映した政治になるんじゃないか?良いフィードバックでも、悪いフィードバックでも、与党でも野党でも、地方議員でも国会議員でもOK。議員さんへのコミュニケーションを気軽に日常的に。そもそも自分が1人でも続けられるのか想像してみましたが、女性議員への応援コメントに偏りそうです(笑)今回ご連絡を差し上げた議員さんたちにお礼メールを送りながら、ゆっくり考えたいです。

ぜひコメント欄やTwitterで感想をお伝えください。

前編はこちらから。