排水処理設備:減圧脱水装置
1.減圧脱水装置とは?
廃液を減圧下で加熱蒸溜して水分を蒸発させ、濃縮・乾燥する装置。
工業排水・クーラント液・切削液・メッキ排水・洗浄排水等の産業廃棄物となる廃液の削減や減容化が可能。
→自動車部品の一つであるベアリング製造工場などで使用
カタログ:減圧脱水装置umie(コンヒラ製)
https://www.conhira.com/wp/wp-content/uploads/Umie_catalog202106.pdf
【減圧脱水装置の構造】
・蒸留槽下部は蒸気ジャケットで覆われた二重釜構造。蒸留槽内部にはリボン式撹拌機が設置されており、撹拌、排出、スケーリング防止機構を兼ね備えた構造。
・コンデンサは、シェルアンドチューブ式の熱交換器。
【熱交換器】
構造の異なる熱交換器が2つ付属。
①コンデンサ:廃液の蒸留にて発生する水蒸気を冷却し凝縮させ水に戻す
②熱交換プレート:真空ポンプ封水の循環による温度上昇を抑える為
→スケールやスライムにより、能力低下が起こる。洗浄や薬品処理が必要
スケール堆積すると?:熱交換が低下して循環水温度が上昇
・コンデンサで十分な凝縮反応が行われず、不凝縮or蒸留不良が発生。
・温度上昇による真空ポンプ温調冷却ラインのトラブルで真空異常が発生。
【必要な付帯設備】
・電気、エアー
・ボイラー(蒸気):廃液を蒸発させるのに必要
・冷却塔(冷却水):蒸発した廃液を液化するのに必要
【処理フロー】
①真空ポンプで減圧
②蒸留槽で蒸気による間接加熱(50℃前後)で廃液中の水分を蒸発
③デミスターに充填されたフィルタで、蒸発した水蒸気から飛沫同伴する不純物の一部を取り除く。
④蒸発した水蒸気をコンデンサで冷却し液体化させ回収→後段処理へ
⑤蒸留層内に残った残渣(油分などの濃縮物)を排出
コンヒラ製:減圧脱水装置Umieの導入事例
①表面処理加工事業:メッキ排水など
→電気ヒーターによる蒸留をしていたが、老朽化とコスト増でumieへ更新
(蒸気<電気:コストは上記の方が安価)
→受注生産のため、お客様に合わせた設計も対応可能
②自動車部品製造:クーラント廃液の処理
③蓄電池や太陽電池系製造廃水
※その他、鉛などの重金属、ホウ素やリン含有量の低減
【ラボ試験】
検討項目:装置や処理施設周辺に悪影響を及ぼす可能性を確認
① 粘度等の廃液性状、油含有量、スラッジ・コンタミの混入有無
(ポンプ給液、排出が可能か?)
② pH値
(強酸、強塩基によるSUSへの腐食性はあるか?)
③ 臭気
(近隣住居や周辺作業者の迷惑となる可能性は?)
④ 泡立ち
(消泡剤は必要か?)
⑤ 引火性の有無
(火災の危険性はあるか?)
⑥ 沸騰開始温度
(水より低沸点の溶剤等の含有はあるか?)
⑦ 残渣物の伝熱面への付着性
(壁面固着等 装置洗浄メンテナンス頻度の確認)
※オイルセパレータ
https://www.conhira.com/wp/wp-content/uploads/oil_separator2015.pdf
※コンヒラリモート
PLC(シーケンサ)遠隔操作・監視システム コンヒラリモート
→シーケンサは全メーカー対応
→異常発生があればすぐにわかる。部品の交換時期も分かる。
減圧脱水装置umieの商品紹介
参考URL:https://www.conhira.com/
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