1.処理フロー
2.各装置
(共通)
・原水ポンプ槽
・流動調整槽
2台以上のポンプで自動交互運転。
→計画水量より余裕のある能力のものを据付ける。
計量調整移送装置(分水計量装置)で移送量を調整する。
せき高を調整する時:流入水質・負荷が大きく変化したときのみ
・スクリーン
・汚泥濃縮貯留槽:汚泥を濃縮して、汚泥の減容化をする。
※501人槽以上では、汚泥濃縮槽、汚泥貯留槽を別々に設置する。
※汚泥貯留槽は、汚泥引出後の水張りは不要。
(接触曝気)
・接触曝気室(みなし)(活性汚泥)
・曝気室(みなし)・沈殿分離室(みなし)
(散水ろ床法:みなし)
(回分式)
好気処理と嫌気処理を同一槽内で出来る。
・反応槽の運転
流入→曝気・攪拌→沈殿→排出
※窒素やリンの除去が期待でき、沈殿槽は不要
※糸状性細菌の異常増殖の抑制
【沈殿槽】
vノッチ(越流堰のギザギザ)
・沈殿槽のスカム原因
①黒くて臭気がある。
→底部に汚泥が長時間堆積し、嫌気性反応している。
②灰褐色~灰色で臭気がない。
→硝化が進み、底部で脱窒反応
空気供給量を抑える、余剰汚泥の返送回数を増やす。
③微細化して全面に浮上している。
→活性汚泥が解体している。
流入BODが低い、曝気が強い,時間が長いなど
④雲のようなふわふわした
→バルキングが発生(糸状菌の大量発生)
・エアリフトポンプ
→1㎥の汚泥に対して必要な空気量は1.5㎥以上
→汚泥返送のためには、管内流速を汚泥の沈降速度以上にする必要がある。
(0.6m/秒以上)
→水面から空気吹き出し口までの距離(浸水深さ)が大きいほど、エアリフトポンプの揚水量が大きくなる。
・放流ポンプ槽
→日平均汚水量の1.5倍程度を揚水できる能力にする。
→故障時に備え、同等能力のポンプを2台以上設置し、非常時には2台同時運転が可能な状態にする。
→容量は日平均汚水量の15分以上とする。
→SSなどの堆積を防止するため、過大な容量とならないように留意する。
脱窒槽でDOが検出される原因
①DO濃度の高い消化液の循環
②流量調整槽や脱窒槽内での過剰な攪拌
③計量調整移送装置からの移送水量の著しい変化
活性炭で除去できるもの:BOD、COD,臭気、色、SS
(膜分離型小型浄化槽)
活性汚泥+ろ過膜
吸引ろ過や重力ろ過を使用
・利点
固液分離の効率化(小容量化)、生物反応槽を小さくできる(余剰汚泥減少)、処理水質向上(微生物相も安定)
・課題
ろ過膜の点検(活性汚泥濃度の管理)が重要、定期的な洗浄交換にコスト増
(地下砂ろ過床)
(浄化槽の躯体)
・ポンプ槽の水位自動制御
フロートスイッチ&リレーを組み合わせて使用。
→故障は油の付着、フロートスイッチの摩耗による故障(水密構造なため、修理不可)
・ルーツ式ブロワーの振動・異音の処置
①ギアオイル切れ→オイル交換
②ベアリング潤滑不足→グリス注入
③防振ゴム不良・破損→部品交換
④安全弁の噴き出し→安全弁の調整、配管・散気管の閉塞解消
・ロータリブロワ
3.保守点検
水質に関する点検は、後工程→前工程の順に実施する。
処理機能の簡易測定器
・比色法、パック法:色の変化、硝酸性窒素、残留塩素、
・電極法、pH、DO、硝酸性窒素
・吸光光度法:試薬を入れて発色されて、発色具合を調べる。硝酸性窒素、全窒素、COD
・透過光法:試薬を入れずに、光を透過させる。SS,濁度、T-N、
4.各種知識
・BOD
BOD負荷量(㎎,g)水中の汚濁物質量
BOD濃度(㎎/L)水中の汚濁物質濃度
BOD除去率(%)BOD除去割合
※酸化性物質(残留塩素など)を含む試料のBODを測定する場合は亜硫酸ナトリウムを適量添加する。
・BOD容積負荷(㎏/(㎥・日))=流入汚水のBOD(㎏/日)/曝気槽容量(㎥)
・曝気強度(㎥/㎥・時)=1時間当たりの送風量(㎥)/曝気槽容量(㎥)
→攪拌強度の指標ともなる
・平均滞留時間=有効容量/流量
・TOC(全有機炭素量)
燃焼で生成した二酸化炭素濃度から炭素量を算定する。
・種汚泥(シーリング)
・SV30:活性汚泥沈殿率(%)
活性汚泥混合液を1Lメスシリンダーに入れ、30分間静置後の沈殿汚泥の体積割合
・SVI:汚泥容量指標
SV30を測定したときに沈殿汚泥1gが占める容量をmLに示したもの
活性汚泥の沈降性や濃縮性の良否を表す
SVI=SV30×10,000/MLSS
(良好な活性汚泥は50~150、バルキング状態は200以上とされる。)
・感染症の対策
①顕性感染
感染後に宿主中で病原体が増加して、病原体固有の症状を示すこと
②不顕性感染
感染後に発症せず、病原体が消滅・収束するもの
③無症状病原体保菌者(キャリア)
感染後、健康に見えながら病原体を排出する宿主
④日和見感染者
普段は問題ないが、抵抗力・免疫力が低下した際に発症
※感染が成立する条件
感染源、感染経路、宿主の免疫力
・消毒方法
①薬品消毒:手洗い
②水蒸気消毒:80℃以上の水蒸気に10分以上接触させる。
③紫外線消毒:UVランプ
④日光消毒:太陽光の赤外線
⑤煮沸消毒:沸騰水で15分以上
・凝集剤
・凝集剤の種類
①硫酸バンド(硫酸アルミニウム水和物:Al2(SO4)3・18H2O)
②ポリ塩化アルミニウム(PAC:(Al2(OH)nCl6-n)m)
③ポリ硫酸第二鉄(Fe2(OH)n(SO4)3-n/2)m)
・浄化槽内の害虫について
抵抗性のある害虫
→アカイエカ、チカイエカ、チャバネゴキブリ
→次世代への遺伝で抵抗性を得る。
抵抗性が問題となる殺虫剤:有機リン剤、ビレスロイド剤
参考サイト:浄化槽管理士養成塾