備忘録5:乗り物酔い防止薬
【登録販売者資格の勉強備忘録:精神神経に作用する薬】
鎮暈薬:乗り物酔い防止薬
めまい(眩暈)は平衡機能に異常が生じて起こる症状。内耳にある平衡器官や中枢神経の障害などが要因となる
鎮暈薬(ちんうんやく):乗り物酔いによる眩暈、吐き気、頭痛を防止、緩和する医薬品
主な配合成分
抗めまい成分(ジフェニドール)
前庭神経の調節作用のほか内耳への血流改善作用。
≪ジフェニドール塩酸塩の適正使用情報≫
*抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様、頭痛、排尿困難、眠気、まぶしさ、口渇や浮動感や不安定感を生じる
*排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人は使用前に医師または薬剤師に相談抗ヒスタミン成分
延髄に嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射をおさえる。
(ジメンヒドリナート、メクジリン塩酸塩はもっぱら乗り物酔い防止薬に配合される成分)
≪抗ヒスタミン成分の適正使用情報≫
*メクジリン塩酸塩はほかの抗ヒスタミン成分と比べ作用の発現が遅く持続時間が長い
*プロメタジン塩酸塩などのプロメタジンを含む成分は15歳未満の小児への使用を避ける抗コリン成分
自律神経系の混乱を軽減、消化管の緊張を低下
スコポラミン臭化水素酸塩水和物
生薬:ロートエキス:ロートコンの抽出物
(ロートコン:抗コリン作用を示すアルカロイドを含む)
≪スコポラミン臭化水素酸塩水和物の適正使用情報≫
*古くから乗り物酔い防止に用いられる
*消化管からよく吸収される
*ほかの抗コリン成分にくらべ脳内に移行しやすい
*抗ヒスタミン成分と比べ作用の持続時間が短い鎮静成分
不安や緊張を和らげる
プロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素キサンチン系成分
脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱による眩暈を軽減
無水カフェイン、クエン酸カフェイン、ジプロフィリン局所麻酔成分
胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげる
アミノ安息香酸エチル
*6歳未満の使用を避けるビタミン成分
吐き気防止
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)リポフラピン(ビタミンB2)
ナイアシン(ニコチン酸アミド)
相互作用と受診勧奨
相互作用
配合成分が重複して鎮静作用や副作用が強く表れる恐れがあるので
かぜ薬、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬、鎮咳去痰薬、胃腸鎮痛鎮痙薬、アレルギー用薬などとの併用は避ける受診勧奨
*3歳未満は乗り物酔いが起こることはほとんどない>3歳未満の乳幼児が乗り物移動中に機嫌が悪くなるのは気圧の変化による耳の痛みなどが要因
>乗り物酔い防止薬を安易に使用しないよう注意
*高齢者は平衡機能の衰えで眩暈を起こしやすい。聴覚障害に伴って眩暈が現れることがある
*ただし一時的な症状ではなく日常において度々眩暈を生じる場合は医療機関の受診を勧める