備忘録1:かぜ薬
【登録販売者資格の勉強備忘録:精神神経に作用する薬】
かぜ
主にウィルス(ライノウイルス・コロナウィルス・アデノウィルス)が鼻やのどに感染して起こる上気道の急性炎症。
通常数日から1週間で自然に治る。
単一の疾患ではなく「かぜ症候群」
【かぜの症状】
呼吸器症状→くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、痰
全身症状→発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感
*喘息やアレルギー性鼻炎、肺炎、髄膜炎、尿路感染症などかぜによく似た症状がでるが、急激な発熱、症状が4日以上続くなど症状が重篤なときはかぜでない可能性が高い
*胃腸かぜと言われるウィルス性胃腸炎やインフルエンザは「かぜ」ではない
かぜ薬の働き
かぜ薬(総合感冒薬)
かぜの諸症状の緩和を目的とする薬(対処療法薬)
*ウィルスの増殖を抑えたり、体内から除去する作用はない
*諸症状がはっきりしてる(発熱:解熱鎮痛剤、咳:鎮咳薬、鼻水:鼻炎を緩和する薬)ばあいはそれぞれに合った薬を選ぶ方が副作用のリスクを減らせる
主な配合成分
解熱鎮痛成分
アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン。イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン
(生薬)地竜、生姜、桂皮、牛黄、葛根、柴胡、防風、升麻
(生薬成分)センキュウ、香附子
【注意点】
アスピリン、サザピリン、イブプロフェンは小児に対して使用不可
サリチルアミド、エテンザミドは水疱瘡やインフルエンザにかかっている15歳以下の使用は避ける抗ヒスタミン成分
くしゃみ、鼻水を抑える成分
クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩
メキタジン、クレマスチンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩抗コリン成分
くしゃみ、鼻水を抑える成分
ぺラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロバミドアドレナリン作動成分
鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を広げる
メチルフェドリン塩酸塩、メチルフェドリンサッカリン塩、
プソイドフェドリン塩酸塩、(生薬)麻黄鎮咳成分
咳を抑える成分
コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩
デキストロメトルファン集荷水素酸塩水和物、ノスカピン
チペピジンヒベンズ酸塩、クロぺラスチン塩酸塩
(生薬)ナンテンジツ去痰成分
痰の切れをよくする成分
グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム
プロムヘキシン塩酸塩、エチルシステイン塩酸塩
(生薬)シャゼンソウ、セネガ、キキョウ、セキサン、オウヒ抗炎症成分
鼻粘膜やのどの炎症による腫れをやわらげる
トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム
(生薬)カミツレ
*トラネキサム酸は血栓のある人や血栓を起こす恐れのある人には凝固した血液が融解されにくくなる
*グリチルリチン酸は化学構造がステロイド性抗炎症成分に似ている
*グリチルリチン酸を大量摂取すると偽アルドステロン症を生じる恐れ
特にむくみや心臓病、腎臓病、高血圧症や高齢者に注意。一日40㎎以上の接種は医師に相談。漢方処方成分・漢方処方製剤
漢方処方成分:有効成分として医薬品に配合
漢方処方製剤:単独で医薬品として用いられる
葛根湯、麻黄湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、桂枝湯、香蘇散、
半夏荒漠湯、麦門冬湯鎮静成分
鎮静作用を補助する成分
プロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素制酸成分
胃酸を中和し解熱鎮痛成分による胃腸障害を軽減する
ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル
*ただし胃腸症状に対する薬効は標榜できないカフェイン類
解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助
カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェインビタミン成分・ビタミン様物質と生薬成分
疲労回復や粘膜の健康維持などを目的に配合
ビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンC、ヘスペリジン、タウリン
(生薬)人参、竹節ニンジン
副作用と相互作用・受診勧奨
副作用
【肝機能障害】
アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、葛根湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麦門冬湯
【偽アルドステロン症】
グリチルリチン酸、カンゾウ
【腎障害】
イブプロフェン
【無菌性髄膜炎】
イブプロフェン
【その他】
*眠気:抗ヒスタミン成分、鎮静成分
*口渇:抗ヒスタミン成分
*便秘:コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩
*排尿困難:抗コリン成分、抗ヒスタミン成分、マオウ相互作用
かぜ薬には複数の有効成分が配合されているため、ほかのかぜ薬や解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、アレルギー用薬などと併用すると同じ成分や同種の作用を持つ成分が重複して副作用が起こりやすくなる恐れあり
アルコールは医薬品の成分の吸収や代謝に影響を与え、肝機能障害などの副作用が起こりやすくなる受診勧奨
以下の場合は医療機関の受診を勧める
*一定期間、一定回数使用しても症状の改善が見られない
*使用後に症状が悪化
*高熱、激しい痛みや腫れ、呼吸困難を伴う咳
*慢性の呼吸器疾患、心臓病、糖尿病等の基礎疾患がある
*小児の場合(急性中耳炎を併発しやすい)2歳未満の乳幼児