短編小説『結婚前夜』

「それってよくあるマリッジブルーなんじゃない？」

希美は頬杖をつきながら、携帯を人差し指で右や左へスライドさせながら言ってきた。

「やっぱマリッジブルーなのかなー。
最初はそう思ったのよ。でもね、考えれば考えるほど選択早まったかなって思って。」

「選択も何も、うちらもう35歳で選択なんかしてられなくない？あたしなんて人に紹介できる彼氏もいないんだよ？美由紀なんて彼氏いてプロポーズされるとか最