変わること、変わらないこと。

20代の時にずっとライブに通っていたバンドの4年ぶりのライブに行ってきた。

僕と同年代の女の子三人のバンドで、10年くらい前はすごく精力的に活動していて、僕も毎月のようにライブを見に行っていた。

20~30代の10年は長い。あのときと今とでは、僕も、バンドのメンバーたちも生き方は大きく変わっているに違いない。
僕は職業も住む場所もあの頃とは違うし、バンドのメンバーたちも、結婚して子どもを生んで育てていたり、仕事を変えたり、さまざまに変わったようだった。

でも4年ぶりのライブを見て、僕がまっさきに思ったのは「全然あの頃と変わっていない」ということだった。そしてそのことに僕は、言いようのない安心感を覚えていたんだ。

変わることは悪いことじゃない。自分の意志でどんどん変わっていくことは、とても素敵なことだと僕は思う。そうやって僕は、自分の環境をどんどん変えてきたほうだとも思っている。

だけど、変わらない安心感っていうのもいいものだなぁ、と、あの頃と同じ笑顔の三人を見て思った。
ひとりひとりは変わってたのに、あの頃のように集まれば、あの頃と同じ空気で笑うことができる。

そんな思い出を、重ねていくのもいいものだな。

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文月 煉
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