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気圧なんかに振り回される自分が情けなくて泣きたくなる日もあるよ。

僕は小学生くらいの頃から、雨が降ると具合が悪くなる。頭が痛かったりおなかを壊したりしていた。
当時は「気圧痛」なんて誰にも認められていなかったから、ただただ虚弱なこどもとして扱われていたと思う。

大人になってからは、気圧の影響は頭痛や腹痛だけでなく、「頭がぼんやりしてうまく働かない」というのがいちばんきつい、と感じるようになった。
そもそもADHDの特性で「集中力が長く続かない」「集中するタイミングを自分でうまく操れない」のに、低気圧の日は「丸一日中、集中なんてこない」となるのだ。

最近になって、どうやら気圧が低いと具合が悪くなるのは、そんなにめずらしいことではないぞ、そういう人も結構いるぞ、と認識されてきたのだけど、そのせいでいろいろなところで「今日は気圧が下がるぞ」という情報が、しょっちゅう飛び込んでくるようにもなった。

僕はどうやら「気圧が下がるとき」と「気圧が上がるとき」の両方に影響を受けてしまうみたい。
下がるときは頭痛や腹痛が多くて、上がるときは頭の働きが悪くなり眠くなることが多いようだ。
気圧が下がる日なんて、月に2~3日はある。6月の梅雨の時期や、9月の台風の時期なら月の半分くらい気圧が低いこともある。
一度低気圧がくるとその前後、2日くらいは調子が出ない。となると一年間で、僕は一体何日「不調」なのだろうか。

風のウワサでは、気圧の影響なんて受けたこともない、という人もいるらしい。そういう人はついでに、何十年も高熱を出して寝込んだことはない、なんて言ってたりする。
気圧が低いときは、何よりも気持ちがいちばん急降下しているから、そういうときは、健康な人が恨めしくて悔しくてたまらなくなる。

企業に勤めていたときは、月に1回くらい、体調不良で休んでいた。「低気圧だから」とは言わないけれど、だいたい、雨の日が多かったように思う。
もちろん、それで僕の有給休暇はあらかたなくなってしまうので、有休を取って旅行に、とかそういうのは一度もやったことがない。

フリーランスになって、休むのはいつでもできるのだけど、クライアントさんに「今日は体調不良で休んでいるんです」ってわざわざ伝えるのも気が引けるし、でも伝えないままでいるとスケジュールが押したときに自分が苦しくなるし……みたいに変に心配して、結局心から休むことができず、中途半端に進みもしない仕事に手をつけてしまって気が休まらなかったりする。

自分の虚弱体質とはもう30年以上つきあっているはずなのに、まだ全然和解できていないな。これさえなければ……と思うのは、これでもう何百回目だろう。
僕もなぜか生まれつき健康優良児に生まれて、会社でつらそうな人に「体調管理も仕事のうちだぜ」ってドヤ顔で言うような人になりたかった……いや、なりたくないか。そんなヤツには絶対ならないぞ、と心に誓う。

こういうとき、前に勤めていた職場で、ちょっと好きだった同僚が言ってくれた言葉を思い出す。「文月さんは、体が弱く生まれたから、優しくなったんですよね」

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