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文月 煉
2018年11月30日 08:55
ある都会の住宅街の真ん中の小さな一軒家の、ネコのおでこほどの小さな庭。 そこに、とってもかけっこの速いアリさんがいました。 仲間のなかにはだれ一人、彼とかけっこをして勝てる者はおりませんでした。 仲間たちは彼をうらやましがって口々に言います。「君はいいなぁ。そんなに速くかけることができたら、きっと、とても遠くまでいけるだろうに。この広い草原のずっとずっと向こうまで見に行くことができるのだ