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文月 煉
2018年11月30日 08:55
ある都会の住宅街の真ん中の小さな一軒家の、ネコのおでこほどの小さな庭。 そこに、とってもかけっこの速いアリさんがいました。 仲間のなかにはだれ一人、彼とかけっこをして勝てる者はおりませんでした。 仲間たちは彼をうらやましがって口々に言います。「君はいいなぁ。そんなに速くかけることができたら、きっと、とても遠くまでいけるだろうに。この広い草原のずっとずっと向こうまで見に行くことができるのだ
2018年6月20日 16:04
どこかの時代。 世界は、闇に包まれていました。 そこでは、どんなに待っても朝はやってきませんでした。 というのも、世界を照らし、朝を生み出すはずの太陽がどこかへ隠れてしまったのでした。 生き物たちは手を取り合って、再び朝が来ることを願いましたが、太陽はもう戻ってはきませんでした。 長い長い夜が、世界を包み込みます。 厳しくも優しい朝の光を失った世界では、全ては眠りにつき、