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積算オーバー築古物件を契約直前でキャンセルした話(二重擁壁物件)
written by 30才不動産投資始めました!
前回noteで書いた築古アパートですが、致命的なリスクが見つかったため、契約直前でキャンセルしました。
このnoteを書いている今日は契約を予定していた日でした。
今後に生かすためにも経験を振り返っておこうと思います。
キャンセルしたのは以前noteにも書いた物件です。
「取得しました」と書いてますが正確には買付が通り、契約前でしたので、ギリギリキャンセルできました。
この物件は土地の相続税路線価ベースで積算オーバーしているので、銀行評価が高く頭金1割で購入可能でした。
物件概要
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・価格7,000万円
・神奈川県横浜市青葉区
・駅徒歩10分
・築古木造 現状満室で利回り9%
・三為取引
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いまの市況では滅多にないスペックの物件です。
ただ、三為契約は初めてであることや、仲介が契約を急がせる感じから何となくの不安を感じていました。
そのため直前まで自分で調べたり、専門家の意見を聞いたところ、この物件が「二重擁壁物件」であることが分かりました。
三為契約にしているのも納得です。
たぶん売主は相当安い値段で仕入れているのでしょう。
三為契約とは?
昔の中間省略登記に当たる取引方法です。
今回の取引は
売主A-三為業社B-仲介C-買主(私)という構図でした。
業社Bは仲介の場合は3%の仲介手数料のみですが、三為形式にすることで売却益を得ることができます。
売主Aから物件を買い叩いて仕入れた分だけ、高額な売却益を得ることができます。
多くは売れ残った中古ワンルーム業社などで多く見られる契約方式です。
三為取引は売主A・三為業者B・買主C の三者でゼロサムゲームをやるわけですが、Bの一人勝ちになるケースが多く、Cの立場の買主様は良くない条件で買ってしまうケースが多いと聞きます。
Cの立場で関与するのはリスクがありますが、私が仲介Cを信頼しており、仲介も「自分で購入したい」とまで言っていたので、購入を進めてしまいました。
後から考えれば安い言葉ですが、それを信じてしまうくらい、この仲介は人柄がよく見えました。
この時点では本当のリスクが見えておらず、銀行融資も好条件だったので魅力的な物件に見えていました。
この物件は二重擁壁に該当する物件だったのです。
二重擁壁とは
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段擁壁とは、写真のように、大谷石の上にコンクリートブロックを積み重ねてある擁壁を指し、事故事例が多く危険な擁壁事例として、行政に認知されている擁壁です。
また本物件は擁壁高さが 2mを超えていますが、高さが 2m を超える場合、将来の建物建築には建物のみならず、擁壁の建築確認という手続きが必要になります。
そして、このような2段擁壁のある土地には、地盤の補強および擁壁の改修無しに、建物の建築が認められないことが多くあります。
地盤改良・擁壁の改修にはそれぞれ数百万円~1,000 万円超の費用がかかります。
不動産業者はよほど安い金額でないと、このような二段擁壁物件は購入対象外となることが一般的です。
今回の物件の建物には価値はなく、土地の資産性に魅力を感じて購入を決めていたので、致命的な欠点でした。
まとめ
物件の調査については仲介に頼らず、全てを疑いながら検証していく姿勢を忘れずにいきたいと思います。
また銀行融資に問題がなくとも決して安心はできません。
不動産投資はいかに自己資金を使わずに規模拡大をしていくかのゲームですが、価値のない物件を掴んではいけません。
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30才、不動産投資はじめました!
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