土地を継ぐ家⑥ 平面プラン
この家の平面プランの全体のコンセプトは「コンパクトで一つのような空間」大きな家ではないし、たくさん部屋を取るわけではないので、部屋と部屋の間仕切はトイレや脱衣室を除いて取っていない。
建ち方
庭を残して残る土地に建てる、元々離れが建っていた場所にそのまま建てる形だ。南北に細長く、東側は隣の畑、西側は庭になる。南側が大きく開けるわけではないので、採光の取り方に工夫が必要な場所になる。
南側に倉庫、北側に住居を取る。倉庫は農作業のためのものを収納するので、外への通路に近い南側の方が使いやすい。倉庫と住居の間にボイド(空き)を作り、そこを住居の玄関とする。ボイドからは裏の山が一望できる。季節のいい時期はベンチに座るのも気持ちいいし、バーベキューをするのもよさそうだ。
細長い一体空間
細長い敷地形状に合わせて細長い平面形を取ることで、仕切られていない部屋同士が何となく距離感をもつことで個々の場所が場所として成立するようなプランを考えた。そのために、ダイニングキッチンと寝室の間にトイレ・風呂の水回りを配置し、ダイニングと寝室の距離感を取ることにより、来客ゾーンとプライベートゾーンを分けることも意識している。水回りと寝室の間にはさらに作業机を配することで寝室をより奥にすることでプライベート感を増している。
設備計画との一体
水回りは1つの場所に集めることで、配管スペースを縮小している。以前書いた地面との向き合い方において、土間スラブを打つ範囲は最小限にする必要があるので、こうしたプランが生まれたともいえる。
仕切りがないことで空調を一体にすることもできる。この家はエアコン1台で全体を空調する予定にしている。プランと空調・換気を連動させることで一体空間をうまくコントロールすることができる。