
その先の風景
「知らんがなラジオ」というポッドキャストのある回のタイトルです。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/知らんがなラジオ/id1521191796
内容の結論を先に言うと、ものを作ることを考えるときにそのものを作る・使うことの先にある風景を考えてものを作ろうという内容のものでした。とても興味深い内容だったので、この内容についてnoteします。
ちょっと難しいというか抽象的な話になりそうな予感です。
デザイン・機能・スタイル
冒頭はものづくりにはデザイン(形)・機能・スタイルという3つの軸があるのではないかという提示がありました。これは「スタイル」という言葉に焦点をあてるために話の中でこの3つを引き出してくる必要があったように思います。話の内容はこの「スタイル」という言葉について掘り下げられていきます。最初に断っておきますが話者はこれらの言葉を使うことに非常に慎重です。これら3つの言葉は解釈の違いによってとらえ方が変わりうることにとても慎重に話しています。
「スタイル」という言葉について、まずはじめは「誰が使っているか」ということについてフォーカスが当てられています。〇〇さんが使っているから使いたいという気持ちについて、デザインも機能もよくないのに誰が使っているかという理由で購買行動が決まっているかもしれないという問題提起でした。この問題提起から「世界観」という言葉がでてきます。ここから世界観を示すという意味で「スタイルを提示すること」が重要なのではないかという論点が出てきます。
モノはコンテンツのグッズである
ここから、デザイナー目線から「デザイン」と「機能」を突き詰めれば、だれかに響くのではないかという気持ちでものづくりに向き合っていることについての反省について語られます。ここから「モノはコンテンツのグッズである」ということが話題になります。これはモノを見てもらうにはそれらを楽しそうに使っている風景を見せることから始まってモノが見られるのではないかという気づきの話になります。何かモノを提案するときにこれがいいですよというのではなくて、こんな風景を作りたい、その時にこんなものを使ったらどうですか、ということが案外大切なのではないかということが提示されます。
新しいスタイルを提示できているか
ここから、モノを作っているときはデザインとか機能に集中してしまいがちだけれども、それがあることでどんな風景とか状況が生まれるかということを考えることが大切で、モノ(デザイン・機能)にフォーカスしすぎることはある意味でよくないということが語られます。
新しい形を提示されてもピンとこない、そこには新しスタイルがないからではないか。
これはマーケティングをうまくやるかということではない。スタイルだけ提示すればデザインが悪くてもいいということではないということについても押さえられる。
モノの外側を見ながら作っているか
作業としてはモノを作ることをやっているのだけれど、そのモノの向こう側(外側)を考えながらやれるかどうか、デザインができる3人だからこそ、そこに到達できれば最強なのではないかと思ってしまう、むしろもう出来てるやんと思ってしまう。
建築領域ではどうか
自分の建築という領域でも全く同じだと思う。設計しているときはその形がどうとか、機能がどうとかそんなことにフォーカスしがちになる。けれどその設計にはその向こう側がある、自分がどんな風景やあり方を提示したいかということがとても重要になる。そして、だからといって形や機能をないがしろにしていいわけではない。モノでも語るし、言葉でも語るそんなことも重要なのかもしれない。