Under 35 Architects exhibition 2023
35歳以下の若手建築家の精鋭による展覧会、毎年大阪で開催されている。
私はもう39歳、独立した時点で35歳は超えていた。出展者の方々にリスペクトしかない。学生の頃から毎年この展覧会を観ている。淡路島に移住してからも大阪で開催されることのありがたみを噛み締める。今年も密度の高い作品ばかりだった。刺激を受けた。
課題をもつこと、テーマ
出展者それぞれに建築に向き合う課題やテーマが伝わってくる、敷地に対して、素材に対して、用途に対して、技術に対して、地域に対して、それぞれの立ち位置が展示から鮮明に伝わってくるそんな展示ばかりだった。とても面白かった。展示のテーマ自体がそういうスタイルだからか。
伝える熱量
年齢を理由にするのは好きではないが、この年齢で独立してやっている方々だからこその熱量が展示に宿っているような気がする。それは自分が年齢を重ねるごとにそう思ってしまうのかもしれない。そんなことではいけない、と自分を戒められるこの展覧会に感謝する。誰かに問いたいことがあることに年齢は関係ない、活躍して有名な方々はすでにメッセージを発している、自分はそんな立ち位置に無いのだから熱量を持ち続けないといけない。
図面は少ない?
展示をじっくりみるなかで、展示されたものから出展者の考え方はよく伝わって来た、模型やモックアップなどがあることでそれが増大されているように感じた。一つ気になることがあるとすると、図面をあまりみなかったこと、建築をやっている人間からすると図面から建築を読み取るということは何か身体が求めるような気がしていて、図面があると安心するような気すらある。結果的にそうなったことの意味はわからないが、図面をみるという体験を単純にしてみたかったという気がした。
記録とテキスト
毎年、この展覧会の図録は購入している。図録に収録されるのは昨年の展覧会から展示する以前までの記録なのだが、出展者と主催者の座談会や出展者の考えを読むと時代の空気みたいなものを感じるのを一番楽しみにしている。