だいかい文庫
みんとしょについては恩師の鈴木毅先生から教えていただいて、とても興味をもっていた。行ったこともないのになんて素晴らしい場所なんだ、と本好きの自分はそう思っていた。
商店街の一角にふと現れる
だいかい文庫は商店街の一角にあった。商店街はお世辞でも活気があるという感じではなくて、閉店したお店も目立っていた。同じ地方に住む人間として色々と考えながら商店街を歩いた、そんな商店街を歩いた先にだいかい文庫のあかりが見えた。店内には一人お客さんがいらっしゃって、カウンターの奥に座っている主人と思われる方と話していた。地元の方がよく来られるんだろうなと想像していた。
それぞれの本棚が集まる魅力
一箱本棚オーナー制度で色々な人が作った本棚が並んでいる光景は想像以上に魅力的で本の背表紙を見るだけでワクワクするし、それぞれが本棚に絵や人形や写真などを飾ったりして、個性を出していることがとても面白い、その人の選んだ本を見るだけでどんな人かを想像できるような気がするし、所狭しと並べている人や、数冊だけ並べて余白をデザインしているような人もいる。本棚をつくる人の個性がそのまま空間に染み出していた。
主人がいて、なんでも話せる
私が出会ったここに来る人は、本をかりに来る人、本棚を観に来る人、本を売ってもいるので、売っている本を見る人、店番をしている人と話している人と様々だった。いつもきているという感じの人もいたし、初めてだけど、という感じの人もいた。入りやすい雰囲気なんだろうなと想像していた。それがなぜかはわからないのだけど、入ることを躊躇させない何かがあるような気がした。
目的がひとつではない
私設図書館という用途はあるのかもしれないけれど、そこを使う人は様々な目的でここを訪れているような感じがした。それが魅力的に思えた。
目的がなくても行けて、誰かと話したり、話さなくても本を見るだけでも過ごすことができる。そんな場所があるまちに住むのはどんな感じだろうか。