チュンチュンお掃除隊
元いた会社近くの商業施設の広場にはお昼の時間になるとテーブル下を巡回して回る可愛いスズメさんたちがいる。
お昼休みにそっと一人でお弁当を食べている、そんな男性やOLの足元に気づくと一緒にいたりする。
小さくて目立たないが足元で働いている。
人間がポロッと落とした食べ物を片づけてくれるのだ。
お給金をもらわない、エコなボランティア集団である。
おかげで食べ物が散らからず、気持ち良く利用できる。
私は心の中で彼らの事を『チュンチュンお掃除隊』呼んでいる。
彼らは移動時に「次はあっちに行こう」とか、ちょっとしたコミュニケーションを取っているように見える。
大ぶりのフライドポテトを下に落とした時には、流石にスズメには大きすぎだろう、後で拾っておこうと思ってたらいつの間にか無くなっていた。
慌てず騒がず静かにサッと任務を遂行できる。それがチュンチュンお掃除隊なのである。
彼らにはポリシーがあるように見える。
レストランのオープンテラスには近寄らない。
人が差し出す食べ物には手を付けない。
人が多いところは避けて割とのんびりとしたところを好む。
たまにおこぼれ待ちで人を見つめてしまうこともある。
その視線に心優しい人は「えっ?」と気づいたりする。
それでちょっとあげてみようかと野菜や米粒を差し出すこともある。
だがそれには手を付けない。スズメは野生の鳥だからね。
真冬になると外でお弁当を食べる人はぐんと減ってくる。
おこぼれも少なくなるね。
がんばって冬を乗り切ってね、チュンチュンさんたち。
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