Fudeya

大阪で筆と和紙のお店を営んでいる丸山雄進堂のブログです。筆や和紙の情報をゆっくり投稿していきます。

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最近の記事

筆の「ふくみ」について考える

筆の「ふくみ」ってご存知ですか? ふくみとは、筆がどれだけ水や絵の具を溜めておけるかを表現する言葉です。 ふくみがいい、ふくみが悪いなどといった言い方で、良し悪しを表現します。 もっと広い範囲を一筆で塗りたいのに絵の具がもたない、もっと長い線をかきたいのにすぐかすれてしまう、などのお悩みがある方は、もしかしたら筆の「ふくみ」がよくないのかもしれません。 ふくみの重要性筆で制作をする人にとって、ふくみの良し悪しは、作業時間や、作業時のストレスに直結します。 ふくみがよいと

    • 和紙いろいろ 和紙と水彩の新しい可能性!KT42

      最近、海外のアーティストさんが水彩画用に和紙を買いに来られたり、竹などを原料にした水彩紙などが和紙工房から発売されていたりと、和紙と水彩絵の具の組み合わせに少しずつ注目が集まっているように思います。 水彩紙も原料やメーカー、製法によって描き味に違いはありますが、和紙は原料と製法によって全く違う描き味が楽しめます。 素材や製法による差についてもまた詳しく書きたいのですが、今回は当店で水彩画用に特にオススメしている和紙、KT42をご紹介したいと思います。 KT42とは?

      • 筆の選び方 表現から選ぶ編その1 線の種類から選ぶ

        皆さんは筆を選ぶ時に何を基準に選んでいますか? 表現の種類や画材との相性など、色々と考えることが多いので、筆選びにお悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこで、筆選びのためのざっくりとした解説記事を書いていきたいと思います。 今回は線の種類から選ぶ編です。 線の種類から選ぶ1. 長くて細い線を描きたいとき 日本画の骨描きのように、作品の線画部分を筆で描く作家さんにとって、細い線が描ける筆は重要です。 長く細い線を描きやすい筆の特徴は、以下のようなものです。 筆に使われ

        • 筆の持ち方色々

          筆の持ち方にも色々種類があります。 そこで、今回の記事では色々な筆の持ち方をざっくり紹介したいと思います。 一番基本 日本式の持ち方 筆を垂直に立てて、人差し指の第二関節と親指の第一関節でしっかりと筆を固定します。親指が少し上向きになっているこの持ち方は、長いストロークの線におすすめです。筆の上の方に支点がくるので、筆の可動域が大きくなります。 一方、このように親指を横向きにして持つと、筆の可動域が狭まるため、短いストロークの線がコントロールしやすくなります。 2本掛

          岩絵具も、数十年前に公害問題と鉱山の閉鎖により、昔ながらの良いものは採れなくなりました。 昔からあるよい道具をお持ちの方は、是非大切にお使いくださいね。 今あるよい道具も、いつなくなってしまうかわかりません。できるだけ、日本の道具文化を守っていきたいものです。

          岩絵具も、数十年前に公害問題と鉱山の閉鎖により、昔ながらの良いものは採れなくなりました。 昔からあるよい道具をお持ちの方は、是非大切にお使いくださいね。 今あるよい道具も、いつなくなってしまうかわかりません。できるだけ、日本の道具文化を守っていきたいものです。

          数十年前までは昔ながらの良い道具がたくさん残っていましたが、最近は職人さんがめっきり減ってしまい、良い道具を見つけるのも難しくなりました。 刷毛も、手割りの柄がほとんどなくなってしまったので、昔と比べ寿命が短くなっています。 良い道具は長持ちするので、環境にも優しいんです。

          数十年前までは昔ながらの良い道具がたくさん残っていましたが、最近は職人さんがめっきり減ってしまい、良い道具を見つけるのも難しくなりました。 刷毛も、手割りの柄がほとんどなくなってしまったので、昔と比べ寿命が短くなっています。 良い道具は長持ちするので、環境にも優しいんです。

          いい画材は自分にはもったいない…と思ったことのある方に読んで欲しい記事

          アナログ画材を使って絵を描かれる方や、書家の皆様、画材にこだわりはありますか? 今回は、作品に使う筆や紙、絵の具の値段とクオリティ、そして日本の伝統画材の保存について、少し書かせていただきたいと思います。 画材を選ぶ基準はなんですか? クオリティ、使いやすさ、値段などなど、画材を選ぶ基準ってたくさんありますよね。 手に馴染む道具を見つけたり、自分の作品がより良くなるような画材を見つけるのは、画材選びの醍醐味であり喜びです。 そのため、多くの作家の皆様は、いろいろな情報

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          強度といえばこの和紙!国産楮100%手漉き和紙

          この和紙の基本情報 山形県産 那須楮(栃木県産)100%使用 ソーダ灰煮 4匁(もんめ:紙の重さを基準にした厚さの単位。4匁はだいたい障子紙ぐらいの薄さ) 強度が必要な時に最も使われている和紙 楮の産地 和紙に使われる原料の中で特に有名な楮ですが、実は産地によって品質に差があります。 先日和紙職人さんに伺ったお話によると、楮の産地の気候は、繊維の細さに影響を与えるそうです。 傾向としては、寒冷な地域でできる楮は細い繊維になり、温暖な地方でできる楮は太くかつ大

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          おすすめのこまよせ筆! 黒テンゴジック筆3号

          ゴジック筆の描きやすさ、ぜひご覧ください!

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          筆の選び方その2 隠れた良筆!こまよせ筆

          一般的な日本の筆とこまよせ筆の違い 筆の先端の形にも、実は種類があります。 一つは、中心に一番長い毛を一本配置し、その毛を支えるように、筆の外側にいくにつれて、短い毛を少しずつ混ぜていくものです。(写真左) 日本の筆の多くがこの形になっており、面相筆などの筆で、とても細い線が描けるのは、筆の中で一番細い部分が、文字通り毛一本分だけの細さになっているからなんですね。 どれぐらいの割合で短い毛を混ぜるかは筆によって違い、短い毛の割合や毛の種類、穂先の長さによって面相筆、彩色筆な

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          長穂筆はこんなにながーく線がかけます!

          シルバーフォックス線引面相筆で実際に線を描いている動画です。

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          筆の選び方その1 長穂筆のすすめ

          長穂筆とは? 長穂筆とはその名の通り、穂、つまり筆の毛の部分が長い筆のことです。 長穂筆は含みがいい! 長穂筆は、短穂筆に比べて、墨や絵の具を多く含ませることができます。 筆は、墨や絵の具を毛に含ませて使いますよね。そのため、毛の量で、墨や絵の具を含ませられる量が変わります。つまり、同じ太さの筆だと、穂が長い方が含みが多くなるんです。 絵の具や墨をより多く含めるということは、絵の具を継ぎ足すことなく線を描き続けられることになります。これは、長く滑らかな線を途切れることな

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          和紙の強度

          和紙の強度の比較動画です

          和紙の強度

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          和紙いろいろその1 和紙の強さのお話

          和紙って実はめちゃくちゃ強靭なんです! とお伝えすると、よく驚かれます。 日常の中で、本物の和紙の強さに触れる機会はなかなかないので、小学校の書道で使っていた破れやすい半紙が和紙、というイメージの方が多いのは、仕方のないことなのかもしれません。 ですが、和紙が使われている古い書物や美術品は、日本のジメジメした気候の中でも、かなり良い状態で現代まで保存されています。こういった日本の歴史的資料が残っているのは、和紙の強靭さによるところが大きいのです。 和紙の材料と強度 日本

          和紙いろいろその1 和紙の強さのお話

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          筆のバネの解説

          筆のバネ特性について動画で解説しています。

          筆のバネの解説

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          筆の持ち方その2 筆のバネを使おう編

          筆で絵や字を書いていて、なんだかふにゃふにゃした線になってしまった…という経験がある方はおられませんでしょうか? 実は私もその一人で、特に羊毛筆など、柔らかい毛の筆を使って字を書こうとすると、どうしてもふにゃふにゃしてしまって、なんだかお手本と違う…と日々思っていました。 普段、私たちは鉛筆やボールペンなど、硬さのある筆記具で字や絵を書くことに慣れています。そのため、筆のように柔らかさもある筆記具を使おうとすると、勢いのある線や、力強い線が描きにくい…という現象が起こってし

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