「筆先三寸」日記再録 2006年7月~9月
2006年7月2日(日)
いよいよ、というわけでもないが、インクの話である。
といっても、私としては実用一点張りのインク探しなので、プライベートリザーブの多彩な色やヤンセンのハンドメイドインクに関心はない。
私が、基本的に万年筆のインクに求めるのは以下の4点である。
(1) 発色の良いブルー(もしくはシックなブルーブラック)であること。
仕事上の公文書を書く場合は別として、資料やノートやレジュメに書き込むのが主用途なので、印刷部分とはっきり識別できる青系のインクのほうが、ずっと勝手がよい。
(2) 万年筆にやさしいこと。
早い話が、古典ブルーブラック呼ばれるインクや顔料系のインクのように、ペンに入れたままで乾かしてしまうとあとが大変、というようなことのないようにしたいということである。そのぶん耐水性や耐光性は犠牲になるが、保存が目的ではないのでとくに問題ではない。
(3) ボトルで売ってること。
単純に、持ってる主力選手がどれも吸入式なので、ボトルインクでないと困る。コストパフォーマンスからいっても、ペリカンのBなんかだと、一日でカートリッジ2本分くらいは使うことがあるので、金がかかって仕方がない。
(4) フローが良くて、裏写りしないこと。
フローのよさと裏写りのしやすさには、どうも正の相関があるようなのだが、フローのいいほうが書いていてずっと気持ちいいし、でもあんまり裏写りするのはとくにモールスキンじゃ使えなくて困るしで、悩ましいところである。
というところで、今のところ気に入って使っているインクについて。
(1) セーラー ジェントルインク ブルーブラック
ウォーターマンやパーカーのブルーブラックなどは普通の青すぎて気に入らない。ブルーブラックはやっぱり黒に近いほど渋いと思うのだが、理想的な色であるモンブランやペリカンのインクは、いわゆる古典BBで具合が悪い。そこでセーラーである。混色できるくらいペンにやさしいし、あふれるくらいフローもいいし、色もきっちり黒系である。すこし裏写りするが、M800のBニブで、ノートにしか使わないので問題ない。
(2) ラミー ブルー および ウォーターマン フロリダブルー
どちらもコバルトブルーというより、群青色に近い爽やかなブルーである。ペリカンのロイヤルブルーのように薄くもなく、くっきりとした濃さでフローもいい、しかもモールスキンでも裏写りしない。前者はLAMY2000に、後者をキャップレスに入れている。
(3) アウロラ ブルー
カートリッジだとロットリングにウルトラマリンというインクがあって、その紫に近いブルーは本当にきれいなのだが、これはボトルインクでやっと見つけた同系色。ロットリングより微妙に青に近くて(それでもラミーよりずいぶんパープル寄り)、紙に書いた瞬間、「おおっ!」と声を上げてしまったほど、私が理想とする色なのである。モンブランのMに入れているが、フローは少し渋めで、おかげでクインクならB近かった描線がいまはFに近い。裏写りもほとんどなく、本当に今一番気に入っているインクである(ちょっと値の張るのが玉に瑕かも)。
そのほか、二軍も少しあげてみよう。
(1) モンブラン レーシンググリーン
本当に渋くていい緑色なのだけれど(Bで書くと抹茶風濃淡を楽しめるし、Fで書くと本当に黒い)、いかんせん緑色は一般的でないのと、裏写りが激しいので、主力としては使いにくい。
(2) パーカー クインク ブルーブラック
ブルーブラックとはいい条、一般的なジーンズのブルー(インディゴ・ブルー)である。私はブルーならパープル寄りがいいし、ブルーブラックなら黒っぽいのがいいので使わなくなった。でも、あふれるほどフローが抜群で、太いペンで書くと本当に気持ちがいい(だから裏写りもひどい)。細いペンでもくっきりとした線になるので、色味が好みの人には勧めたい。
(3) ペリカン ブルーブラック
古典BBには違いないが、やっぱりブルーブラックでは一番好きな色。フローは渋い。
(4) セーラー 極黒
フローは渋いが、決して裏写りしない、水ではびくともしない、乾きも早い、くっきりと激しく黒い。と、ペンの中で乾かすとヤヴァイという一点をのぞけば、理想の黒インクなのかもしれない。しかし、弱点はもうひとつあって、摩擦に弱いのである。紙の上で顔料が乾くせいかもしれないが、完全に乾いていても、こすると紙や手が汚れるのである。そこだけ残念。
いずれにしても、いろんなインクを試したりするのはとても楽しい(冒頭で関心ないって言っちゃったけど、ヤンセンのナポレオンとかマルクスとか、とても気になっている今日この頃)。
2006年7月3日(月)
たとえば、相武紗季や堀北真希や中川翔子や戸田恵梨香や新垣結衣なんかは、もちろん可愛らしいと思うし、横顔でも誰が誰かちゃんとわかるのだが、
長澤まさみと綾瀬はるかと石原さとみの区別がつかん。どうしてもつかん。つか無理。あきらめた。すまん。
2006年7月4日(火)
わー! えらいこっちゃー! 宮台真司さんにまで言及されたー!(リンク切れ。「ミヤダイドットコム」のブログにあった。2023年9月17日註)
掲示板で教えていただきました(53歳男。さん、ありがとうございます)。すんごく光栄で、宮台さんってシャレのわかる人だなあと、本当にうれしいのですが、あれを見てやって来た人が拙文を読んで怒り出さないかちょっと心配です。
ていうか、あのエントリを何度読んでも何が書いてあるのか理解できない私自身もちょっと心配です。
2006年7月6日(木)
そんなこんなで、日常的に万年筆を使うようになると、今度はノートのほうが問題になる。ボールペンならそんなに紙を選ばないのだが、万年筆は意外とノートによって書き味が左右されるのである。加えて、私の場合は太字のペンを常用しているため、罫線の幅も重要になってくる。
というところで、私がノートに求める条件は下記のとおり。
(1) 紙質が万年筆に合う。
これは当然。書き味の点では、ざらざらでも滑りすぎでもよくない。インクの吸い込み具合も、線の太さやインクの渇きに影響するので重要。
(2) 糸綴じでも無線綴じでもよいが、頑丈かつ楽に180度開いてほしい。
でも、リングノートはだめ。リングが手に当たって気になるし、引き出しや棚への収まりも悪いし。背に字が書けないし。
(3) 罫線幅は8ミリ以上、できれば10ミリ。
8ミリなら、舶来のFでぴったり。Mでやや苦しい。10ミリならBでもOK。
(4) 手に入れやすい。
ノートは消耗品なので、町の文房具屋でもかんたんに手に入るものが望ましいことはいうまでもない。
さて、以下順不同でレビューしていく。
一般的に紙質が良いとされるのが、ツバメノートをはじめとするフールス紙のノートである。たしかにツバメノートは高名で、10mm罫もあるし書き味もそう悪くない。しかし、同じフールスならツバメの独自フールス(意外とざらざらする)より、丸善やTSのOKフールス紙のほうがずっといい。実に気持ちよく書けるし、インクの吸いも適当である。とくに、TSのノートは珍しく正B5サイズ(ほとんどのノートはセミB5)に10mm罫もあって、一時はこれで一生いく気になっていた。
罫線幅でいうと、コクヨのキャンパスに8mm(U罫)、10mm(UL罫)があり、LIFEには9mmや12mmがあり、アピカにも9mmがあったりして、あまりメーカーで困ることはないのだが、LIFEはリングノートだし、アピカ9mmは売ってるところがほとんどないしで、けっきょく脱落。コクヨも滑らかでかなりいいノートなのだが、手の脂が少しでも乗ると極端にインクをはじくようになるので、これも落伍。
無印良品もひところよく使っていた。同じB5ノートでも、糸綴じ30枚と40枚では紙質が違うし、無線綴じ30枚もまったく違うので面白かった。このうち一番良かったのが、糸綴じの40枚。インクの乗りも滑らかさもダントツ。糸綴じ30枚は、罫線がインクをはじくので、太字で使うと見苦しくなる。無線綴じもいい紙なのだが、罫線の色が濃くて気に入らない。いずれにせよ、B5ノートには6mm罫しかないので使わなくなったのだけど(1行半とか2行おきにというのは使いにくいのだ)。
そのほか、一ツ橋ノート(リングしかない)や極東のF64°シリーズ(裏写りが激しい)なども試しながら、ついに紙質的に最高! というのを見つけた。
LIFEの「VINCENT」シリーズである。「OKシュークリーム」という最近開発されたらしい紙は、万年筆で書くと本当に滑らかで、フローのいい太字なんかで書くと、ずーっとこのまま何でもいいから字を書き続けていたいというほど気持ちがよい。
でもこれも、残念ながらリングノートしかなくて、仕事で使うのは泣く泣くあきらめたのであった(試し書き&ストレス解消用に家で活躍中)。
で、次点ということでは、marumanのカバーノート。合成皮革のカバーつきだと高いようだが、中身だけでもしゃれたデザインだし、80枚で650円くらいなのでそう高いわけでもない。それに書き味も申し分ない。VINCENTには紙一重劣るが、ペンのすべりもインクの吸いもクリーム色の用紙の美しさも、凡百のノートを寄せつけない。分厚いノートなのに、ぱくんぺたんと広く開くし。それに、けっこうあちこちの文房具屋で見かけるので補給もしやすそうである。
でもこれも8mm罫しかないし、ペリカンのBでも書きたいのに、ということで、結局落ち着いたのが、アピカのカバーノート。これには10mm罫があるのだ。
それに、いわゆる「1000年ペーパー」というアピカ専用の中性紙は、値段も滑らかさもマルマンにほとんど劣らない。もうずっとこれでいきたい。けど、裏写りしそうなのと、紙が白すぎるのがちょっと不満かもしれない。あと、大阪市内中探しても一軒しか見たことないというレアリティも問題。
そこでもう、私としてはこうお願いするしかない。
「LIFEさん、マルマンさん、あの紙質のままで10mm罫のノート出してください」(できれば正B5サイズで無線綴じ40~60枚の。80枚の糸綴じカバーノートでも可。)
2006年7月7日(金)
今朝、駅の階段を上っていると、向こうから一人の男性が下りてきた。
年齢は私と同じぐらいか少し上、坊主に近い短髪に、よく手入れされた短いヒゲ(無精ヒゲ風)を広く生やしている。しかも薄い色のサングラス着用。焦茶と黒のストライプのシャツのボタンを二つほど開けて、胸元には金の細めのネックレスが光っている。サマーツイードらしきジャケットは小さめで、黒いパンツも細め、腕には大きな文字盤の時計をはめている。典型的な「LEON」読みすぎ男である。
私はすれ違いざま、思わず結構な声を上げてしまった。
「うわ、ちょいワルおやじや!」
ごっつい眼でにらまれたー。すまんー、声に出すつもりはなかったんやー。
しかし私は、一瞬おじさんの顔が紅潮するのを見逃さなかった。怒ったというより、赤らめたという感じだった。
いくら雑誌がプッシュしていようと、リアルな場面では、オシャレ気取りの勘ちがいオヤジに、かなりの破壊力を発揮するセリフと見た。
一方、そんな私も、iPODで聞いているのは「恋のミクル伝説」であり、黒のブリーフケースには「浦原商店」のロゴのピンバッジが光っている。
「うわ、ちょいヲタおやじや!」
ほっとけ。それに、どんだけモテなさそうやねんそれ。
2006年7月10日(月)
▼○○ばとん(バトン名の○○の中に 回してもらった管理人さんの名前を入れて その管理人さんについて答えて下さい)
「探索者ダリオ バトン」
●その管理人さんの見た目は?(会ったこと無い人はイメージ)
細身でイケメン。会ったことないけど
●性格は?(会った事無い人はコメントの感想で)
明るくて、万事そつなく、学校でも人気者。でも、深いところで歪んでそうな気が。会ったことないけど。
●恋愛対象に入りますか?
会ったことも話したこともないし、っていう前に男やん。
●動物に例えると?
羊の皮をかぶった山羊。会ったことないけど。
●プレゼントを贈るとしたら
ウォーターマンのエキスパートかな。大学1年生らしいし。
●一緒に遊ぶとしたら?
同じ町に住んでいたとしても、ほとんど遊び場に接点はないと思う。せいぜい和民くらいか。二人で本屋へ行って、好き勝手に黙々と立ち読みする、というのでもいいが。
●あだなをつけて
トーダイ。
●5人に回して
回してもらってうれしかったですが、オイラ自身は回さねえってば。
(ていうか、このバトンって、かなりクローズドなサークル向けで内輪受け専用のような気がする。)
▼先週の後半にめでたく50万ヒットを達成しました。やったー。
でまあ、記念になんかしようと思ったのですが、オフ会開いて恥かくくらいなら、別の方法で恥しいことをしてみようと、2年以上ぶりに小説を書きました。
四百字詰めで100枚くらいあるので、縦書きの方がいいかなあと思って、PDFにしてみました(noteの方にリンクを張りなおしました。2023年9月17日註)。
でも、ただの自虐プレイですので読まなくていいです。
2006年7月11日(火)
そんなわけで、JASRACも乗り出してきたらしい“YouTube”ですが、抱腹絶倒のクリップや唖然とするような映像を見せられると、どうしても自分のPCに保存したくなるのが人情というもので。
でも、私なんかのようなPC音痴にしてみれば、なんか難しそうだったり、面倒くさそうだったり。
そこで見つけてしまったのが、すばらしいページと、すばらしいフリーウェア。前者は、動画のURLを貼り付けるだけで落とせてしまうという夢のようなページですし、後者は、インストールするディレクトリがどーだのコーデックがこーだのなんて知らなくても、ぼーっとマウスをクリックしていくだけで、flvファイルが再生できるようになるパッケージです。もちろん私には、これらの安全性を保証することなんてできませんが、個人的には今のところ大丈夫のようです。
PCにくわしい人は好き放題楽しんでいるのに、それを指をくわえて見ている初心者の人も多そうなので、紹介してみました(いずれもリンク切れ。2023年9月17日註)
いずれにしましても、著作者の諸権利につきましてはくれぐれも尊重する態度をお忘れなく、慎重にお楽しみください。
2006年7月25日(火)
大阪の地に生まれ育って四十有余年、という身でありながら、今日、生まれて始めて天神祭に出かけた。
仕事帰りの午後7時に、京橋で家族と待ち合わせて行くことにした。
最初は、家族みんな人ごみはアレなので、OBPの端の方でゆっくり花火を眺めようかと思ったのだが、パンパンと花火の音が聞こえ出すと、自然と足が桜ノ宮公園の方へ向かうのはいかんともしがたかったということで。
それでも、公園へ入った時分はまだよかった。えらい人やなあ、とぼやきながらぞろぞろ歩いて、かき氷を買ってみんなで食べたり、ちょっとしたスペースでポンポン上がる花火を眺めたりして。
ところが、みんなに流されて歩いているうちに、大川沿いのところまで出てきてしまった。天神祭はこれがメインスペースというか、2ヶ所ある花火の打ち上げ台を両方見られるうえに、天神祭名物の船渡御が目の前をぞろぞろ通っていくのである。というだけあって、ここまで来ると身動きが取れなくなってきた。想像以上の人ごみである。何千人もの人間が、満員電車状態でそのままじわじわ移動していると考えてほしい。
花火も屋形船も沿道の屋台も、お祭気分満点で楽しいのだが、それどころではない。私とサイの足元で、なおちゃんとともちゃんが踏み潰されてはえらいことである。いつかの明石の歩道橋事故を思い出して、私は決死の思いで家族を連れて銀橋の南、やや手前で公園を脱出した。
太閤園の角まで出て、私はやっと息をつくことができた。
まあこれで天神祭の初体験もできたことだしもう二度と行かなくていいや、というのが正直なところである。
つぎはあれだな、来年の夏は祇園祭に挑戦だな(これも行ったことがない)。その前に、年が明けたら正月十日の今宮戎にも行かないといけないか(これも行ったことはない)。その次には、本当に毎年その日から春が来る東大寺二月堂のお水取りだな(もちろん行ったことがない)。そういえば、京都五山の大文字焼きも、奈良若草山の山焼きも、実際には見たことがない。
われながら自分が関西人かどうか自信がなくなってくる瞬間である。
2006年7月26日(水)
なおちゃんがサイに訊いた。
「おかあさん、水商売ってなに?」
突然なにを聞くのやら。で、サイは答えた。
「お酒とか出すお店あるやろ。ドラマとかに出てくる。ああいう仕事のこと」
非常に明確な狭義の回答である。
「キャバクラのこと?」
お、さすが6年生。素敵なボキャブラリーも蓄えつつあるようだ。
「キャバクラだけとちゃうし。バーとかスナックとかいろいろあるやん。カラオケ屋さんもそうかな」
「ふうん」
と、ここで、サイは突然ともちゃんの方を振り返った。
「なあ、ともちゃん、お母さんキャバクラで働いてもいい?」
なにを言い出すのか貴様。
ともちゃんは、ちょっと考えて答えた。
「あのな、きゃばくらってな、こんなグラフとか貼っててな、こーんな人とか、ちょっとだけの人とかいてんねん。おかあさんは、(両手の間を5センチほど空けて)これくらいやから、やめといた方がええと思う」
いや、ちょっと待てお前。2年生がなんでそんなマネージャー経験者みたいなことを。
ていうか、お前それはやっぱりお母さんに失礼やろ。
2006年8月1日(火)
というわけで、夏休みもいよいよ佳境の八月とあいなったわけですが。
とは申しましても、しがない共稼ぎの我が家、しかも父親は、土曜日もほとんど仕事という職場におります関係で、子どもたちを遊びに連れて行ってやることもなかなかできません。
小学2年生と6年生に、毎日毎日、学校もないところへ、朝から夕方まで退屈で心細い思いをさせているかと思うと、人の子の親として内心忸怩たるものが、ま、あるようなないような、どちらかといえばあんまりないような。
二人とも、毎日休みで、のんびりできて、案外楽しそうだし。夏休みの宿題も7月中に終わったみたいだし。
で、そんな小学生男子兄弟のここ数日のパターンを聞いてみた。
7時起床。両親と朝食。
8時にはサイも出勤して、二人だけに。当然マンガとゲーム。
9時過ぎ。二人で小学校のプール開放へ。
11時ごろ帰宅。なおちゃんは水着とタオルを洗濯して干す(えー!)。
12時ごろ、お母さんの用意していった昼食をチンして、二人並んでテレビ(「いいとも」)を見ながら食べる。使った食器はなおちゃんが洗う(えー! パート2)。
1時。「ごきげんよう」を見る。続いて「美しき罠」も見る。「なんかドロドロしてる」らしい。
2時ごろ。なおちゃんが居間と台所を掃除機で掃除する(えー! パート3)。そして、出勤前にサイが干していった分も含めて、洗濯物を全部取り込んで、きちんとたたんでそれぞれの場所にしまう。これはともちゃんも手伝う(えー! えー! パートMAX)
2時半。なおちゃんは塾(仲よし友だちと夏期講習)へ。
3時半。ともちゃんはそろばん塾(現在7級)へ。
4時半以降順次、サイ帰宅、ともちゃん帰宅、なおちゃん帰宅。
6時過ぎ。夕食。食後は、なおちゃんは塾の宿題。ともちゃんは、ゲームかマンガかテレビで、気が向けばちょっと勉強。なんにせよこのへんから我が家のテレビはずーっとつけっぱなし。
8時前。父帰宅。なおちゃんは父親に宿題の邪魔とかされる。ともちゃんはゲームのやりすぎを注意されてすねる。
9時半。二人は、お父さんに「夏休みやからいうて、夜更かしは許さん」とか言われて、歯を磨いて、トイレ行って、しぶしぶ就寝。大人のはずのサイもこんな時間に就寝。
という感じらしい。
合間には、友だちが来て近所の公園で遊んだりもしてるらしいので、いかにも小学生の夏休みである。
とはいうものの、洗濯とか掃除とか、共稼ぎ家庭に生まれてきたばかりに、じつに不憫である。とは、これも私はぜんぜん思わない。それこそ、文部省推薦の「生きる力」である。今後大きくなって、そのスキルがどれほど役に立つことか。ていうか、それもきれいごとで、たんに両親ともどもめっちゃ助かってありがたい。
がんばれ、なおちゃん! 行け、ともちゃん!
つぎは、晩ごはんの支度に挑戦だ!
2006年8月3日(木)
日本映画といえば、昔から黒澤明の『七人の侍』が、好きで好きで仕方がない。私は映画マニアではないし、クロサワがどれほど偉大な監督なのかなど毛ほども興味はない。ほかの作品もほとんど知らない。この映画そのものについてでさえ、脚本とかカット割とか照明とか自然描写とか役者の芝居とかの知識もないし、根本的なところを何一つ理解していないと思う。
でも、『七人の侍』は好きなのだ。志村喬も宮口精二も三船敏郎もメチャメチャかっこいいし、画面から目が離せないくらい密度の高い映画だし。
ところが、DVDの高いのが玉にキズ。定価だとエライことになる。53年までの洋画なら、500円でざらに出てるのに(これは54年だけど)。
と思っていたところ、街のDVD屋で「逆輸入版 SEVEN SAMURAI」てのを見つけた。パッケージにはハングルがあふれているのだが(だから韓国版らしい)、売価1480円!
買いましたよ、ええ、そりゃもう財布を抜く手がかすむくらいの速攻で。リージョンコードが不安だったけど、家のDVDプレーヤーでもあっさり再生できてしまった。メニュー画面は、ハングルじゃなくて英語だったので助かったし、もちろんオリジナルサウンドなので、字幕を消してしまえば、まんま日本版である。
店のお姉ちゃんは、権利関係もきちんとこなした正規の逆輸入版だって言ってたし(私は、他人にやめろという傲慢さの持ち合わせはないが、違法コピーや海賊版買いのできない小心者なのである)、とにかくまあ、すっごい得したような気がするな。
2006年8月16日(水)
7月のことになるが、たまたま時間を作ることができたので、セーラー万年筆が開いているペンクリニックへ出かけた。といっても、ペンクリなぞ生まれてはじめてである。
担当者として席に座っていたのは、セーラー万年筆の誇る川口明弘さん。おお、写真の通りや、などと思いながら、先客の後ろに並んだ。先客は、上品な初老のご婦人で、かなり古めのモンブランを2本持ち込んでいらした。万年筆は女性向けの小ぶりな感じで、たぶん(品番でいえば)すでにモロ廃番の20番台か30番台のものだったと思う。
長らく放置していて書けなくなったという相談(しかも、誰それにもらって、その人とは当時よく遊んだとかの思い出話つき)に川口さんは気さくに答えながら、手元では忙しく超音波洗浄器やラッピングフィルムやルーペを駆使して、大胆ともいえる勢いでデリケートな作業をこなしていた。ほんの15分もかかってないのではないだろうか、2本のモンブランはインクフローもよみがえって、書き味も上々に戻ったようで、試し書きを促されたご婦人は、本当にうれしそうに何度も何度もお礼を述べておられた。
で、私の番である。こっちが客のはずなのになぜか緊張して、恐る恐る取り出したのは去年買ったペリカンのM800。インクフローもよくて書き味も申し分ないのだが、前々からどうもペン先とペン芯がずれて見えるのだ。しかし、そう言う私に、川口さんは、
「センターは合ってますよ。でもこれ、切り割りが開きすぎてますな」
そうなのだ。それも気にはなっていたのだ。でも、ペン先を変に曲げてはと、たまに指で押さえる以上のことはできなかったのだ(それだけじゃほとんど寄せられない)。それに、無理に切り割りを寄せて潤沢なインクフローが失われては、とそれも気がかりだったのだ。
川口さんは、かまわず一瞬のうちに指先でぎゅっと寄せてしまった。ルーペで先端を確かめて、ちょちょっとさわって、「これで書いてみてください」と、M800を差し出してよこした。その間ものの10秒ほどだったように思う。
それで、試し書きの用紙に書かせてもらったのだが、描線にインクが盛り上がるほどのたっぷりしたフローはそのままに、書き味までよくなったように思った。おそらく切り割りが寄ったせいで、紙面に対する接地角度の許容度が広がったのだろう。切り割りの内側が紙に当たりにくくなったせいかもしれない。家に帰っていつものノートで大量に書いてみても、書き出しのかすれは完全になくなったし、いいことずくめである。
やるな、ペンクリニック。しかもこれで無料とは。
セーラーのインクをひと瓶くらい買って帰ればよかったな。
2006年8月17日(木)
8月に入って、もちろん家族で出かけるようなイベントがあったり、本にしても読んだり読まなかったりしているのだが、どうも更新意欲がわかない。原因はまあ、このところのことで言うと仕事以外にないのだが、それはそれで置いといて、小ネタで更新してみる。
【1兆ってスゲー】
ソフトバンクがボーダフォン買収に2兆かけるだとか、日本には個人貯蓄が1200兆円あるだとか、米軍基地の移転に日本は30兆円出すとか、世間では「兆」なんて単位が気軽に使われています。そんな「兆」の実力の一端を「トリビアの泉」風にご紹介。
○ 1万円札で1兆円を用意したとして、(もちろん並べてじゃなくて)重ねて積み上げた高さは、10キロメートル。
○ 1000粒でやっと1グラムになる砂粒を、1兆粒集めると、重さは1000トン。
2006年8月19日(土)
最近の訃報のうちで、「ああ、またひとつ大切な思い出が……」と感じたのは、もちろんブライト艦長こと鈴置洋孝さん(声優)のものなのだけれど、「ちょっと困ったなあ……」と思うのは、やっぱり落合正勝さん(服飾評論家)だ。
落合さんは、こんな本やこんな本を出してる正真正銘の洒落男で、(文章はお世辞にも上手ではないのだが)服飾にかかる該博な知識と基本を押さえたセンスのよさには教えられることが多かった。
もちろん、私はおしゃれでもなんでもないので、何か教えられたからどうってことは全然なかったのだけれど、靴やスーツで迷ったときには、落合さんの本に書いてあったことをちょっと思い出すだけですっと気持ちが定まるという、まるで闇夜の灯台みたいに重宝させてもらっていたのだ。
それはともかく、鈴置さんが56歳、落合さんが61歳って、若いよなあ。もったいない。
2006年9月5日(火)
日曜日に、ともちゃんが、「耳の中に虫がおる」と言い出した。ごくたまーに、左耳で「ぶーん」とか、「ごそごそ」とか言うらしい。たいしたことはないのだろうが、中耳炎か何かでひどくなるとめんどくさいので、月曜日に耳鼻科へ行かせた。
なんとこれは、学校から帰って、なおちゃんが連れて行ってくれたのである。両親が働いていて仕方ないとはいえ、なおちゃんも大きくなったものである。もうこうなったら、お父さんの代わりに仕事に行ってくれないものか。お父さんの仕事なんてたいしたことないし。ほっとけ。
で、ともちゃんは診察室から出てきて、なおちゃんに言った。
「虫おってん、虫。口と耳つながってるやん、だからおいしゃさんが口の中から、きゅうーって細いのん入れて、羽だけとれた」
ええー。驚いたのはなおちゃんである。サイが帰ってくるなり、息せき切ってその話をしたという。
そんなのウソに決まってるのにー。
すでに医者に連絡して、特段の異状のないことを聞いていたサイは、ともちゃんともども大笑いしたとか。
なおちゃんさあ、素直なのはいいけどさあ、もう6年生なんだし、いくらなんでもそれは気づこうよ。
2006年9月7日(木)
日常のメモだけではなくて、仕事の文書でも万年筆を使いたくなってきた。ただ、なにぶん役所のことなので、黒のボールペンに匹敵するものを使わねばならない。そこで、プラチナのカーボンインクを使うことに決めた。これなら、黒さも耐水性も耐光性も問題ない。国産の細字なら、太さもボールペン並みである。
そうすると、プラチナの細字万年筆を買わなければならないのだが、カーボンインクをいれるとなると、高級版の#3776やプレジデントなど、高価なものにするのは危険である。インクを詰まらせて壊してしまってもたいして惜しくないものとなると、せいぜい5000円までだろう。ということで、リヴィエールにした。鉄ペンだけど、細身でこじゃれてて、日常使いには文句はない。5000円出すのなら、14Kスタンダードという金ペンもあるのだが、これはデザインがどうも。
で、梅田の大丸百貨店で購入したのだが(梅田中探しても、リヴィエールはここにしかなかった)、それが先週の話。
ところが、一週間ばかり気に入って使っていたものの(インクの黒さも、ペンの書き味も申し分ない)、尻にキャップの止まらないのが、我慢できなくなってきた。ふつうキャップ式の筆記用具なら、はずしたキャップを尻に差し替えて持ちやすくできるはずなのに、買ったリヴィエールはいくら押し込んでも尻にキャップが止まらないのである。くるくる動くどころか、逆さにするとポロリと落ちるのである。
仕様ならあきらめもつくのだが、さすがにこれはないだろうと、今日大丸へ確かめに行った。
「これ先週買ったんですけど、どうもキャップがとまらなくて。ほかのもそうなんでしょうか」
すると、応対してくれたお姉さんは、ケースの中から同じ万年筆を何本か出して確かめてくれた。
「たしかに、これはもともとあまりきっちりとは止まらないんですが……お客様のよろしいですか……あ、ほんとですね。おかしいですね」
ほらみろ。そこで私は、「どないしてくれんねん」とでも言ってやろうと、息を大きく吸い込んだ。すると、お姉さんはこちらが何も言わない先から、奥の棚からまだビニールに包まれた同色の新品を出してきて、
「軸とキャップを、こちらと交換させていただきます。よろしいでしょうか」
よろしいもなにも、こっちはすでに一週間ほどガンガン使ったのに。なにも新品を出してくれんでも、軸なんかケースの中の奴でじゅうぶんやのに。
お姉さんはこちらの返事を聞くまでもないという感じで、すばやく部品を交換して、キャップの止まり具合を確認し、私にペンを差し出した。
「わざわざ足を運んでいただいて、申しわけございませんでした。こちらでよろしいでしょうか。ありがとうございます。まことに申しわけございませんでした。またご利用ください。ありがとうございました」
そんなにていねいに対応してもらって、恐縮するのはこちらである。なにしろ、お姉さんは、私が買ったときの店員とは別人なのに、レシートの提示も求めないのである。ただのヤカラかもしれないのに、こちらが何も求めないうちから、あっさり新品の部品と交換してくれたのである。そのへんがやはり老舗の底力というやつなのだろうか。
「いや、あの、すいませんでした。こっちこそほんとにありがとう」
私は、客でありながら必要以上にぺこぺこして立ち去った。
しかしまあ、えらいぞ大丸梅田店! すごいぞ大丸梅田店!
お礼のしるしにここで宣伝しておきます(もちろん、出入りの問屋なりメーカーなりに不良品を渡せばコストゼロで交換されるだろうから、百貨店自身にはなんら損害は発生しない。だから、こんなことくらいたいしたサービスではないだろう。でも、お姉さんのなんのためらいも迷いもない様子がとても気持ちがよかったのだ)。
2006年9月14日(木)
▼もうなんだか笑うしかないくらいの勢いで、私の職場をめぐる状況はむちゃくちゃなことになっているのだが、この日記で仕事のことは書かないと決めているので書かない。でも、子会社に出向してたら親会社が変わっちゃって、出向先も左前になって、君はリストラやけど再就職は考えたるから、みたいな話で、ほんまにもうさっぱりわやですわ。
▼これは、iPodに限った話でもないだろうと思うので、ちょっとした発見を書いてみる。すでに有名な話だったらすまん。
私はふだん、iPod mini を使っているのだけれど、ヘッドフォンももちろん純正のものを利用している。インナーイヤー型の、まあ、普通っちゃ普通すぎるやつである。どんなメーカーのものであれ、MDやCD、フラッシュメモリ、ハードディスクを問わず、たいていのポータブルオーディオプレーヤーに付属しているのと同じようなものである。
これは通常、耳に入れて使う。当たり前である。耳への入れ方も、スピーカー面を耳の内側へ向けて入れる。つまり、二つのヘッドフォン(イヤフォン)は、頭蓋骨をはさんでスピーカー面が向き合うように装着される。これも当然である。
ところがここで、私は、新しい「耳への入れ方」を提案したいと思う。
なにもむつかしい話ではない。ヘッドフォンの「スピーカー面を前方へ向けて、ぐいと耳へ押し込む」だけである。
これだけのことで、私の実感としては、音量は2割増し、低音の響きは5割増し、音の粒立ちと空間の広がりにいたっては100%アップする。3ランクほど高級なヘッドフォンに買い替えたかのごとくである。おかげで、iPodでもこんな音が出るのかとびっくりである。私の耳殻の形状や受容器の構造が特殊なだけという可能性もないではないが、これをお読みの方は、とりあえず試してみてほしい。
ただ、こういう入れ方をすると、下へ垂れるはずのコードの接続部が、モロに真横に突き出すので、ちょっと人前ではできないのだけれど。
そんなわけで、私はiPod miniを用いながら、まるで劇場にいるような臨場感で、毎日「これがレビュウ!」を楽しんでいるのである。<結局そんな選曲か貴様。
▼おっちゃんは今日が誕生日で、なんだかんだ言いながら四十三歳にもなってしまいました。このサイトを始めたときはまさか四十過ぎてまで続けることになるとは思っていなかったのですが、たいがいスットコドッコイなサイトなのにこれというやめどきも見つけられず、ずるずるとえらいことになってきたような気がします。
くだらなくてもつまんなくても、やめるほうがずっとエネルギーがいりそうなので、とりあえず水準だけ保って恥を忍んで続けてみようって、それはサイトのことですか結婚生活のことですか、ってコラ。
2006年9月22日(金)
▼もっと長い間放置していたことはいくらでもあるんだけど、自分がサイト持ちであることをすっかり忘れてたのは初めて。
▼前回の日記で張りきって書いたのに、AIWAのページにこんなのがあった(すでにリンク切れ。イヤホンの入れ方の話。2023年9月17日註)。自説が補強されたような気もしてちょっとほっとするけれど、目新しい話でもないことがわかって、それはそれで微妙にしょんぼり。
▼自分は、何があっても泰然自若型のキャラだと思ってたのに、テレビカメラの前ではめっちゃあがることを発見。インタビューとかされたのだが、もちろんどこの局かとかはしみつ。すごくキョドった気がするので、もし映ったとしても自分で見ないと思う。
▼このところ本の話がないのは、早川書房の異色作家短編集くらいしかちゃんと読んでないせいです。でも今のところ、今年読んだ本のベスト1は、嶽本野ばら『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』(小学館文庫/600円)だったりします。今さらですまん。
▼iPod mini を使ってもうずいぶんになるが(nanoほしー)、ヘッドホン話を書いた勢いでビクターの「HP-FX77」てのを買った。インナーイヤー型というのか、カナル型というのか、その辺は疎くて申しわけないが、とにかく市営プールの売店で売ってる耳栓みたいなやつである。これが意外といい。音漏れはまずないし、高温から低音まできっちりと鼓膜に届いている感じがする。
ただ、普通のイヤホンに比べて、外の音がまったくといっていいほど聞こえなくなるのと、自分の歯をかみ合わせる音とか咳払いとか自分の声とかが、ゴンゴン耳に響くので、そのへんはちょっと趣味とかTPOとか選ぶのかなあと思う。
2006年9月28日(木)
今日は、なおちゃんとともちゃんが待ちに待った、「ポケットモンスター ダイヤモンド&パール」の発売日でした。
なおちゃんあたりは、もうポケモンも卒業かと思うのですが、コマーシャルは食い入るように見てるし、おはスタによる情報も、コロコロの情報チェックも欠かしませんでした。そして、そのたびに兄弟で顔を見合わせて、「早よほしいなあー、まだかなあー、28日やからなー」と目を輝かせつつ、ため息をついていたのでした。
基本的にゲームには甘い我が家ですから、今回の新作ポケモンも、サイが近所のスーパーで予約してありました。建前上は、なおちゃんの誕生祝の前倒しというテイです(ともちゃんは例によって便乗)。
したがいまして、本日私が帰宅したときには、二人ともすでに夕食も終えて、一心不乱にDSの画面を見つめておりました。おかえりくらい言えっちゅうねん!
「おおー、やってるやってる、おもろいか今回のは」と、お父さんが水を向けても、生返事しか返って来ません。
なんじゃそら、と思いながらネクタイをゆるめていると、サイが小さな箱を差し出してきました。
「はい、お父さんはこれ。なおちゃんとともちゃんだけやったらかわいそうやから」
思いっきり子どもあつかいです。しかし、その箱を見ると、なんと、NintendoDS lite ではありませんか!
うわー、おかあさんありがとう! めっちゃありがとう。
あのな、あのな、DSてな、なおちゃんとともちゃんしか持ってないやん。せやから、ぼくめっちゃほしかってん。でもなでもな、もう大人やしな、ローンもあるからな、ほしいとか買うてとか、ゆうたらあかんと思て、ようゆわんかってん。せやからな、ごっついうれしいねん。
ほんまにもう、おかあさんだーいすき!
でも、「どうぶつの森」とか「ルッピーランド」とかは、自分で買いなさいと言われてしまいました。ちょっと悲しいです。
よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは、創作活動の大きな励みになります。大切に使わせていただきます。