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ボールペンの話(1)

 今年もOKB総選挙」の結果が発表されたことだし、ボールペンの話をしてみようと思う(しかし、ジェストの14連覇はすごいな)。

 昨今の油性BPの主流といえば、三菱鉛筆のジェットストリームに始まる低粘度インクである。
 ジェットストリームは、私もたくさん持っているが、ボール径も0.28mmから1.0mmまであるし、多機能ペンでははずせないいわゆる4Cリフィルもある。もちろん書き味は言わずもがなである。
 それが最近、Lite Touch Ink というラインアップも出た。書き味は軽くなった気はするが、初めてジェストを触ったときのような驚きはない。

 さて、BPである。ジェストの登場以前は、カランダッシュのゴリアットが至高と言われていた(時点でBICか)。実になめらかでもねっとりとしていて、描線が滑り過ぎないので、油性BPなら個人的には今も一番好きなインクかもしれない。
 それが、ジェストの誕生以降、風景はがらりと変わってしまった。パイロットが「アクロボール」を出し、ゼブラが「スラリ」を出し、ぺんてるまでが「ビクーニャ」で追随した。

 最近では、ゼブラが「ブレンU」に新開発のインクを搭載し、ぺんてるが「フローチューン」という驚きの油性BPを出した。

 海外にも影響は及んだ。パーカーが「イージーフロー」というインクを積んだリフィルを出すことで、デュポンやペリカンをはじめ、高級BPでも低粘度インクが選択肢に入った。

 簡単にそれらの感想を言うなら、「ジェットストリーム」「アクロボール」「スラリ」「ビクーニャ」「ブレンU」までは、開発陣には申し訳ないが団栗の背比べである。色の濃さとなめらかさにおいてジェストに一日の長を感じるものの、「なめらかな油性BP」の域に収まっている。
 驚くべきは、ぺんてるの「フローチューン」である。油性BPとうたいながら、なめらかさも発色もゲルインクに近い。紙への浸透も強いので、0.4mm版でようやく一般BPの0.7mmに近い描線になる。

 ということで、私が現在常用している油性BPは、書類関係ではジェットストリームの0.7mm、日常のノートテイクにはフローチューンの0.4mmなのである。

 BPの話になると、あとゲルインクと水性顔料が控えているのだが、それはまたいずれ。

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筆先三寸/むしまる
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