「筆先三寸」日記再録 2001年7月

2001年7月1日(日)

 いよいよ7月ということで、今日は近所の市営プールに出かけました。近所も近所、我が家からは目と鼻の先なので、親子ともども水着で出かけました。子どもたちなどは、玄関を出るときからゴーグルや浮き輪を実装しているというありさまです。
 今日は天気もよかったし、とことん暑かったし、絶好のプール日和で最高でした。おかげですっごく混んでたけど。

 市営プールなので、やたらでかいとか流れるプールがあるとか、凝った一面はあるものの、基本的には庶民向けのつくりです。飲み物や軽食といっても自販機しかないし。
 そのせいか、利用者は付近の市民が中心です。中でも、とくに目につくのが自転車をすっ飛ばしてやってくる小中学生です。私はロリの道は早々に向いてないことがわかったのでなんてことはないのですが、今日もスクール水着の女子小学生や、ひらひらワンピ系の女子中学生やらがわんさといて、これはその筋の人にはたまるまいと不謹慎な感想を抱いてしまいました。当然、私は私で目の保養を求めてぐるぐると見回すわけですが、目を皿のようにしても「おばちゃん」しか見つけられずちょっと残念でした。
 やっぱり都心にあるホテルのプールとは大違いです。以前何度か利用したこともあるのですが、まず子どもがほとんどいません。おまけに、「どうみてもモデルの友人同士」とか、「おっさんはともかくこれは絶対不倫」とか、「きっとプールのあと美容院に寄って出勤」とか、女性陣の充実度には目を見張るものがありました。だからどうってことはまったくないのですが。

 で、我が家の息子たちですが、お兄ちゃんは、もうずいぶんと泳げるようになったので心配ないようです。勝手にずんずん泳いでいって、潜ったり、ばちゃばちゃしたり、水を飲んで咳き込んだりしていました。
 ともちゃんの方は、赤ちゃん用の(パンツ型の座面がセットになった)浮き輪を持っていったのですが、最初は怖がって大変でした。「だっこー」、「ともちゃんあるくー」、「いやー」、だのなんだの。
 それでもしばらく水辺で遊ばせていると慣れてきたのか、水にも入れるようになりました。おしまいには、どんどん態度も豹変してきて、「もっとはいるー」、「おとうさんといっしょにー」、「ともちゃんのひっぱってくれるー」、という調子です。でも、浮き輪から親が手を離すと、とたんに泣き声になるところがまだまだ未熟者です。

 結局、午前中いただけで、水着にビーサンのままペタコペタコと帰ってきたのですが、見事に日焼けしてしまいました。日焼け止めなんてまだまだとなめてかかったのが敗因と思われます。まだ背中が痛いです。


2001年7月2日(月)

 なんともクソ暑い季節になってきたので、ちっこい扇風機を買ってきた。我が家のパソコンルーム(物置部屋とも言う)にはエアコンがないのである。
 そこで早速モニターの横においてスイッチを入れてみたところ、なんと風もあたらないのにモニター画面がひらひらと! いやもう、それは見事にひらひらと風にそよぐのですよ。デスクトップのフォルダなんか今にも散っていきそうなぐらい。
 ま、扇風機の中にはモーターが入ってて、永久磁石か電磁石か知らないけれど、そんなのがぐるんぐるん回ってるんだから、モニターに近づければそういうことになるのは当然といえば当然なだけど。
 だまされたと思って一度お試しください。本当にモニターの中に風が吹き込んでるようで面白いですよ。


2001年7月4日(水)

▼なおちゃんは、このところスイミングでは9級に合格するし(といってもこれからやっとクロール)、「のぼり棒シール」は貼ってもらえるし、懇談会ではほめてもらったしと、わが世の春を謳歌している。
 けど、近ごろ泣くことが多くなった。朝でも、「お茶、お茶って、牛乳飲んどけ」とか言うだけで泣くし、こないだも花火をしようというので去年の残りを家捜ししたのだが、結局見つからなかったというだけで泣くし。
 反抗期というわけではなくて、きっとそれなりに自我やプライドが芽生えてきたのだろう。面白いというか厄介になってきたというか。

▼ともちゃんは、保育園の先生に「ボス的存在」であるという言葉をいただいた。案の定である。うめ組さんでは、お友だちのすることを仕切ったり、先生の言うことを聞かないお友だちには注意して回ったりするとも聞く。これはやはり家庭でのボス的存在である母親に似たのであろう。

▼「社会を明るくする運動」とか、「保護司」とか、今の職場に変わるまで何のことか全然わからなかったのだが、なんでも刑を終えた人々の偏見をなくしたり更正をサポートするシステムらしい。保護司は中高年の人たちが多くて、みんなボランティアなのに、家業そっちのけで関わってるのには感心してしまう。
 もちろん「民生委員」同様、歴史もあって法的裏づけもある国の制度ではあるのだが、21世紀になってみれば、こういうのこそ本来NPOの仕事のような気がする。
 人権問題にせよ、環境問題にせよ、官製の住民組織って多いけれど、これからはもっと関連するNPOの育成に力を入れた方がいいのかもしれない。

▼今日の日記はただの覚え書きみたいですな。いやはや。


2001年7月6日(金)

 上の息子にちょっと聞いてみた。
「おう、このごろ学校どないや」
 すると、首を傾げるではないか。
「うーん、あんま楽しくない。保育園の方が楽しい」
 おいおいなんやそれ。1年生でもうそんなんかい。いじめか? 友だちとのもめごとか? 先生のえこひいきか? 勉強むずかしいのか?
 お父さんはちょっとはらはらである。
「なんでやなんでや」
「だってな、勉強かんたんすぎんねんもん。おもろない」
 なにを生意気なことを。
「でもなー、むつかしくすると、みんな困るしなー」
 友だちなくすぞ、お前。


2001年7月7日(土)

 今日の午後、小学校で学童保育の親子行事があり、サイはともちゃんを連れて参加した。
 最初に、みんなで輪になってゲームをするにあたり、自己紹介があったという。
 もちろんサイは、
「……の母です、よろしくお願いします」と言った。
 続いて、なおちゃんもクラスと名前を言う。
 すると、次の親子が自己紹介をする前に、ともちゃんがとことこと輪の中に進み出るや、いたずらっぽく目をくりくりさせて、妙にはきはきと、
「1ねん3くみ、まつむらおかーさんです!」
 と言った。
 当然沸き起こる全員の爆笑、喝采。
 ともちゃんは満座の哄笑に囲まれて、とても得意気であったという。

 どちらかといえば小柄で思慮深いなおちゃんに対し、うめ組でも大柄でいちびりのともちゃん。いずれもお笑い好きである。
 二人揃って勉強を早々にあきらめて中川家みたいになったらどうしよう。

 ちょっとうれしいかもしれない。


2001年7月8日(日)

 えひめ丸の衝突事故からこっち、いや、もっと前からか。コソヴォの空爆とか。日本製鋼板のダンピング提訴問題とか。沖縄の少女暴行事件とか。湾岸戦争とか。いやいや、もっとずっと前からだ。ベトナム戦争とか。
 いやいやいや、はっきり言ってハル・ノートの頃からだ。ペリーの頃からかもしれない。

 アメリカという国の尊大さ傲慢さは本当に頭に来る。

 いままた、COP3の京都議定書に加えて、CTBT、包括的核実験禁止条約まで反故にしようとしているという。
 先進諸国の苦労、途上国諸国の期待、すべて踏みにじってのこの独善。処置なしである。
 おそらくこういう、「みんなで決めたことでも気に入らなければ自分の方が正しい」という独善主義や、「民主主義の模範たらねばならぬ」、「正しい倫理で世界を善導せねばならぬ」、「あらゆる点で世界の指導者であらねばならぬ」というある種強迫的な国家の態度は、国の成り立ちや国民性から説き起こさねばならない文化の問題のような気がする。だから、あれこれいっても仕方がない(アメリカ人には理解できない)ことなのかなあとも思う。

 冷戦時代には対抗馬としての「ソ連」てのがあったんだけれど、いまはもうあの国に文句言えるとこなんてないもんなあ。かつての宗主国はもうなんかさっぱりだし、中国もいまいち勝ちきれてないし(実は取ってるけど)、国連だって、拒否権までやっといて年会費も取れないくらいだし。
 どこかガツンと言ってくれるとこないもんですかね。

 火星人とか。


2001年7月10日(火)

▼おかげさまで、サイト公開丸2年を目前にして6万ヒットを達成することができました。
 これもひとえに私のおかげです。よくがんばった>おれ。
 うそうそ。そんなのここをご覧になってる皆さんのおかげに決まってるじゃないですか。
 今後ともなにとぞごひいきに。

▼仕事の話。
 この冬に一つ、大きめのイベントを計画してまして、この間2度ばかり、いろんなところに声をかけて開催に向けた会議を持ちました(もちろん私が事務局)。一番最初にとりあえず日程を決めて、みんなで意見を出しながら、いろんなことを相談して、およその形も見えてきたところです。
 で、仮予約をしてある予定の会場へ、ひとまず計画している内容について相談に行ったところ、
「え? 仮押さえ? なんでんねんそれ」
「いや、あの、わたし、松村……」
「あー、はいはいはい。これやこれや。おたく、押さえてはんのは次の週でっせ」
「じゃあ、その日は……」
「んー、大きな行事が入ってますなあ。あきまへん、詰まってますわ」

 あは、あは、あははははは。次の週やて、押さえてたの。
 他に適した会場もありませーん。
 あは、あは、あは、あはははは。

 ひ~ん。


2001年7月13日(金)

 公示日を迎えて、参院選に向けての選挙戦もいよいよ本格化してきました。
 しかしあれですね、小泉内閣の支持率ってすごいものがあります。けれど、あれって実のところ、国民の反自民党意識、ていうか反自民党政治意識のあらわれに過ぎないという気がします。
 誰もが旧来の自民党政治(利権主義、金権主義、族議員、派閥優先 etc.etc.……)にはうんざりしてたわけで、それを変えたいと思っていたところへやっと変えてくれそうな人間が現れたと(思い込んでんだか、ごまかされてんだか)期待しているのでしょう。
 だから、これまでしぶしぶ、ヘタレな社民党や偏屈な共産党やよくわかんない民主党に投票してた人間までが、小泉総理を支持するようになったと。だって、いくらきれいごと言ったって政権をとることはおろか、法案一本満足に通せないような野党に、何かを変えてくれることなんて期待できませんから(だからこれまでは、自民党じゃないところがひとまず政権を、いやせめて過半数を、と思って野党にみんな投票してきたのだと思う)。
 私自身はあまり期待してませんけれど。「聖域なき構造改革」も、せいぜい「聖域なき構造改革っぽい」どまりでしょうし、不良債権処理なんて2、3年でめどがつくわけないですし。靖国や集団自衛権のへんはどうもきなくさいし。

 でも、小泉内閣の支持率が8割超えてるって面白いですね。結局、本来の野党支持層は2割もなかったってことだもの。ププ。


2001年7月14日(土)

 夕食を終えてくつろいでいると、上の息子が唐突に言った。
「でも、お父さんすごいなあ。やぶったティッシュつながるもんなあ」
 どうやらずいぶん前に見せた手品を突然思い出したらしい。
「なんでつながんのん」
「うーん、ちょっとしたコツやねんけどなあ」
 そこで一度やって見せることにした。
「こうやろ、こうぴっぴっと破ったやつを、くるくるっと丸めて」
 と、細かく破ったティッシュを丸めて手の中に握り込む。
「こうぎゅっと丸めるのがコツでな、で、手に息をふーっと」
 拳の中に息を吹き込んでみせる。
「ほんで、このティッシュをゆっくり広げたら、ほーら、もとどおり」
 息子が驚いたのを確かめて、広げたティッシュをもう一度丸めてくずかごにほうり込んでしまい、空っぽの両手を見せた。
「はい、おしまい。簡単やろ」
 息子は目を丸くしている。
「なおちゃんもやってみる」
 おもむろにティッシュを一枚取り出して破りはじめた。
「ほんで、こうぎゅーとまるめんねんやろ」
 そして、自分で広げて首をかしげた。
「あれー」
「ふーってすんの忘れてるで」
「あ、そうか」
 再度挑戦である。一生懸命破ったティッシュを丸めて、グーに向かってふうふうしている。
「あ、ちょっとつながった。わかったわかった」
 何を錯覚したのか、そんなものつながるわけがない。ちょっとでもつながったらお父さんがびっくりするぞ。
「丸め方が足らんのとちゃうか。もっとぎゅーっと丸めんねんで」
 私も余計なことを言う。
「わかったわかった、なおちゃんもうできるで」
 そこから三たび四たびと繰り返す。
 いいかげんできないことに気づけばいいのに、ちょっとできたかもしれないという思い込みのせいか、すでになおちゃんは必死モードである。
 破ったティッシュを丸めては息を吹きかけ、広げては首をかしげている。
「おかしいなあ。もうちょっとやとおもうねん」
 あまりに一生懸命になっている横顔を見てると気の毒になってきた。こっちはしゃれのつもりだったのに、申しわけないというか、健気な姿に胸が詰まった。
「いや、あの、それではでけへんから。ちゃんと教えたるから」
 で、結局、タネあかしをしてしまった。
「なーんや」
 そんな落胆せずに。手品ってそんなもんなんだって。

 ふと横を見ると、ともちゃんがひざの前に、破ったティッシュを山盛りにしている。
「あかんて、ともちゃんはでけへんて。やめてて、そんなもったいない」
「いややー、ともちゃんもするー、ともちゃんできるー」
「でけへんて」
「いややー!」
 やめてーやめてー、かんにんしてー。
 いらんもん見せたお父さんが悪かったー。


2001年7月15日(日)

 今日もまた家族四人で近所のプールに出かけた。このところ毎週連れて行かされているのだが、今日はクーラーバッグに缶ビールを詰め込んで行ったので、お父さんの圧勝である。何に対して勝ったのかは不明であるが。

 プールから帰ってテレビを見ていると、今夏のジブリ作品である『千と千尋の神隠し』のメイキング・ビデオのような番組をやっていた。アテレコの様子や作画現場の風景にまじって、ちらほらと作品のカットも流されていた。
 まあ、これもヒットするのだろう。『もののけ姫』ほどではないにせよ。
 奇妙なノスタルジー、微妙な怪異や化け物、そして少女の成長。
 もういいって、という気もしないではないが、卓越したジブリ=宮崎のアニメ技術とあいまって、きっとそこそこ面白いものになるに決まっている。

 しかし、ここで言いたいのはそんなことではない。
「宮崎駿のキャラってどうもビンボくさくないですか」ということなのだ。
 たとえば、お決まりの美少女なんてお目にかかったことがない。ナウシカだって、キキだって、(あえていうならクラリスですら)アニメの出来のせいでそう見えるだけで、あんなの一人の素のカットを見て、誰が可愛いと思うだろう。
 いや、べつにビンボくさいのがいけないってんじゃないんですがね。
 だからって、藤島康介原画の『おもいひでぽろぽろ』とかきつそうだし。

 あ、ジブリついでに思いついたから書いとく。
 『パールハーバー』って、今になってあんなタイソな映画作りやがって。アメリカも共和党政権でたいがいいい気になっていると見える。
 お返しに『火垂るの墓』全米公開というのはどうか。誰かやってくれまいか。


2001年7月16日(月)

 ADSL導入に関しまして、サイよりとうとう認可が下りましたのでここにご報告させていただきます。
 契約しているISPがODNという関係で、NTTのフレッツじゃなくて、J-DSLということになるのですが、早速申し込みました。メアドもサイトのURLも引き続き使えるってことだし。
 現在プロバイダ料金が1950円、テレホ代が1800円で毎月3750円かかっているところへ、約2000円増の5700円で、下り1.5Mbpsの常時接続環境が手に入るのですからずいぶん安くなったものだと思います。

 というところで、こないだ見かけた雑誌記事。
 ヤフーのADSLってISP代込みで、月々2830円だって。
 でもって、下り8Mbpsだって。
 本当なんだって。
 そうなんだって。

 私の申し込んだやつが月5700円…………ヤフーのは月2830円…………料金は2倍以上…………んで1.5Mと8M…………速度は5倍以上…………。

 ………………………いや、あの、べつにいいんですけどね。

 ……………………………………。

 ひ~ん。


2001年7月17日(火)

 小泉首相が終戦記念日に靖国神社に参拝するとかしないとかで物議をかもしている。
 行く行かないにこだわらなければ、毎年夏が来るたびに繰り返されている年中行事のようなものなので、新味のない話なのだが、今年はどうやら中曽根首相以来久しぶりに参拝するつもりらしい。
 当然のように、中国や韓国や、左派文化人やら労働組合やら朝日新聞やら、これまた紋切り型の文句をたれている。
 行けばいいのだ行けば。

 私が総理大臣ならなんとしても行きたいと思う。
 ただし、私なら「英霊の偉勲をたたえ」たりはしない。
 謝りに行く。
「みなさんが死んだのは、私たち国のせいです。国策を誤ってスカタンな戦争をして、みなさんを死地に追いやってしまいました。みなさんを実際に殺したのは敵の爆弾や銃弾かもしれませんが、そんなハメになってしまったのは私たちのせいです。本当にごめんなさい。もうしません。この先、ただの一柱もみなさんの仲間を増やすようなことはしません。だから、勘弁してください」
 というふうに。
 ついでに言うなら、「英霊に感謝申し上げ」たりもしない。
 今の日本があるのは「国を守って死んだ兵士」のお陰ではなく、生き残った人々のお陰だからである。
 あの日、焼け跡に立ち尽くしていた子どもたちやその父母が、死に物狂いで復興に力を尽くしたからこそ、今の日本があるのである。
 死んだ兵士に対して必要なのは、感謝ではなくやはり謝罪であろう。

 どさくさまぎれに合祀されているA級戦犯については、性急に分祠を求めたりはしない。
「おまえらしばらく、そこで他の英霊にフクロにされとけ」
 とでも言っておく。

 小泉首相もそんなふうに謝りに行ってくれればよいと思う。
 それなら中国も遺族会もなんとか納得するように思うのだが。
 ついでにアジア中の戦没者慰霊碑を回ってくれれば言うことなしである。
 でも無理なんだろうな。


2001年7月18日(水)

 ガチャガチャの話ですけど、こないだHGシリーズで「仮面ライダー16~最強戦士は誰だ!編~」が出まして、これにやっと仮面ライダーギルスが入ったわけですよ。
 御存じない方のためにに申し添えますと、ギルスというのは現在放映中の『仮面ライダーアギト』のサブキャラで、敵か味方かよくわからないながら、主人公よりカッコよくて滅法強いキャラクターなのです。私個人としては、アギトよりG3よりずっと好きです。
 それがやっとフィギュアになったということで、これは当てないと、とちょっと燃えまして、汗ばむ手に二百円を握り締めてガチャガチャに挑みました。
 今度の「最強戦士は誰だ!編」ではギルスの他に、クウガのライジングタイタンフォーム、アギトのフレイムフォーム、同じくストームフォーム、怪人からはドクダリアンとアリガバリというラインナップになっています(知らん人にはまったくわからん話ですまん)。
 どれもよくできた造型なのはいつも通りなのですが、とくに今回は他にほしいものがありません。だから、確率としてはかなり分が悪かったのですが、二百円を機械に投入して私は祈りました。
「ギルスギルスギルス、ギルス以外いらんから。ギルスー!」
 そして、ぐいっとレバーを一回転。
 出てきたカプセルを見ると、お、緑色の影が!
 やったー、ギルス一発!
 人目もあるのでガッツポーズは小さめにしておきました。
 案の定よくできています。カッコいいです。わたくしはたいへんうれしゅうございました。

 帰宅して、ネクタイをほどくより先に子どもたちに自慢しました。
「ほーら、ギルスあてたぞー。ええやろー。ほれほれー」
 子どもたちは眼を輝かせています。我先に手に取ろうとします。
「あかんあかん。これはお父さんの。見るだけ見るだけ。ほーら」
 われながら大人げないとは思いますが、猛烈自慢モードです。
 お兄ちゃんは、いつものことなので早くも納得調です。
「ええなー、お父さん、ギルスええよなー。自分のばっかりやん」
 おさまらないのは、ともちゃんの方です。
「ともちゃん、ギルスほしいー。ともちゃんのー」
「あかん! お父さんのやて言うてるやろ!」
「ともちゃんのー! ともちゃんのギルスー!」
「あかんっちゅうてんねん!」
 三歳児相手に何を本気になっているのか私は。
「うえ~ん」
 ともちゃんはとうとう大声で泣き出しました。しかし、そのくらいで玩具を与えていては、しつけも何もあったものではありません。親の威厳にも関わります。
「なんぼ泣いても、あかんもんはあかんのんじゃー」
「ぐぇ~ん」
 そのとき、サイの声が響きました。
「いいかげんにしなさい! あんたもそんなもんぐらい、ともちゃんにやり!」
 そ、そんなもんて。
「そやかて、おれ、今日これ、前からほしかって、一発で……」
「うえ~ん」
「ともちゃん泣かしな!」
 私はしぶしぶフィギュアを差し出しました。ちょっと涙目だったかもしれません。

 えぐっえぐっえぐっ。

 えーと、私はこの9月で38歳になりますが、その点に関するご指摘はくれぐれもお受け致しかねます。悪しからずご了承ください。


2001年7月19日(木)

▼昨日、ODNからモデムが届きました。NTTの工事日の連絡も来ました。8月1日だそうです。
 どこで聞いてもADSLの工事には日にちがかかる(へたすると数ヶ月待ち)という話ですが、今回は結構速攻です。オンラインでの申し込みから実質2週間ほどです。
 やるな。ていうか、単に顧客獲得競争に必死なだけかも。ま、結果オーライってことで。

▼今日は久しぶりに平日に休みが取れたので、のんびりしようと思ってたのですが、下のチビが昨夜から急に熱を出しやがりまして、結局わがまま大魔王の子守りで一日が過ぎました。そういうもんです。

▼今日は『FFX』の発売日です。ニュースでもやってましたが、やっぱりえらい売れてるようです。CGもちょっとびびるくらいのもんがありますし。あれがムービーじゃなくてゲーム画面なんですか?
 それはともかく、今日、私は久しぶりにゲームソフトを買いました。FFの陰に隠れてますが、これも今日発売のやつです。『風来のシレンGB2~砂漠の魔城~』といいます(GB版の前作以来私はどれほど待っていたことか)。 私としては、自由度の点で『FFX』よりはるかに面白いだろうと思っています。
 まだパッケージも開けてませんが、きっと前作同様、ありとあらゆることに差し支えるほどはまると思います。
 みなさんも一緒にはまり込んで、通勤通学休憩時間と、すべての空き時間をゲームボーイに向かって過ごすようなダメ人間の道を歩みませんか。いやですか。そうですか。

▼今日は小学校の終業式の日でもあります。てなわけで、なおちゃんは生まれて初めての通知表というものを持って帰ってきました。
 おお、考えると(考えるまでもないけど)、私も「自分の子ども通知表」を見るのは生まれてはじめてです。
 けど、拍子抜けも甚だしい。全国的に評価方式が相対評価(5段階評価等)から絶対評価へ変わったのは知っていたけれど、これほどとは。
 だって、各科目を2~4の項目に分けて、それぞれ評価するのですが、どれも「できる」と「がんばろう」の2段階しかないのです。
 当然のように「できる」のずらりとならんだ通知表を前に、親としてなおちゃんをべたぼめしたわけですが、相対評価で育った身としてはどうも釈然としません。競争主義が身体に染みついてるのかなあ。全体の中での自分のポジションとか知りたくならないのかなあ。
 理念としては絶対評価の方が、「成績」ではなく純粋に「到達度」を示すものとして正しいものであることはわかるのですけれど。

▼明日から泊りがけで海水浴に行ってまいります。
 それではみなさん、次回更新は真っ黒になった姿でお会いしましょう。


2001年7月22日(日)

 オッス! 仕事せん隊シレンジャーGB2関西支部員でっす!
 たぶん! 更新せん隊シレンジャーGB2関西支部員になるような気もしまっす!

 んじゃ、これからまた魔城大天守閣っすから!

(二泊三日の海水浴から帰ってきたばかりだってのによ。他にもっと書くことあんだろってんだよな。)


2001年7月29日(日)

▼先日久しぶりに、「ヘイ・ブルドック」の愛・蔵太さんが引用つきでほめてくれたおかげで、アクセス数も倍増しかけてたのですが、肝心なところで一週間も更新をサボってしまいました。
 その結果というか、リードミーの方も以前と同じようなところへ落ち着いてしまいました。どうやらもとの木阿弥です。って、木阿弥って誰ですか?

▼「日記才人」の登録も削除しました。当然ボタンもはずしました。だって、更新報告もめんどくさくてほとんどしてなかったし。投票順位も関心なかったし。
 そういや、雑文の方を書いてないおかげで「テキスト庵」も「雑文速報」もさっぱりご無沙汰です。こっちは等閑にしたくないんだけれど。うーん、雑文の書き方を忘れてしまいました。

▼今日書きたかったのはそんなことではない。
 この土日は実家へ帰っていたのだが、今朝10時ごろ、妻子と買い物に出かけていて、とある大きなゲームセンターの前を通りかかった。
 そこで、私は入り口に貼ってあるポスターを見て目を疑った。
「バーチャファイター4 ロケテスト実施中」
 なんと! ロケテが! ここで!
 私は、下の子を乗せたベビーカーを押すサイに告げた。
「悪いが買い物にはつきあえぬ。私はここへ入りたい。いや、行かねばならぬのだ」
 サイは眉を曇らせた。
「すぐすむ?」
「いや、そうはいかぬ。私には自ら確かめねばならぬことが多すぎる。拳を交えねばならぬ敵についても然り」
「もうええわ」
 憤然と立ち去る妻子の背に向かって私は手を合わせた。許せ。父には闘う義務というものがあるのだ。

 私は、文字通り武者震いしながら入店した。武者震いなど数年前の「バトル甲子園」で1回戦負けしたしたとき以来である。
 店内に足を踏み入れるなり、私は両替機で千円札を一気に二枚、百円玉に替えた。昼まで2時間弱、まあこんなもんであろう。

 開店して間もないというのに、すでに2組の筐体は10人ほどのプレーヤーが取り囲んでいる。
 マナーは行き届いている。友人同士で来ているようであったが、みんな1プレイで席を譲る。
 私は満を持して乱入した。
 しかし、甘かった。大阪でも数箇所でしか開催されていないロケテである。そんな情報を得て、開店早々やってくるプレイヤーに素人のいようはずもない。
 完敗した。ラウに浮かされ、アキラに浮かされ、パイに浮かされ、リオンにすっ転ばされ、ジャッキーに叩きのめされ、結局全敗した。1本も取れなかった。とほほー。
 そこで、私の印象。
・3ボタンに戻って、エスケープがうまく使いにくい。VF2的なスタイルに戻った感じ。
・アンジュレーションがなくなったのはよいが、壁コンボがきつい。研究を要する。
・どうも投げキャラは不利っぽい。蹴り起きヒット時、膝ガード時を含めて、投げ確定のタイミングがわかりにくい。
・やはり打撃系、手数系が有利か。とくにパイ。今回ずいぶん強くなった印象。
・ラウ、パイはやはりよく浮く。空中コンボでごっそり持っていかれる。
・アキラも強い。新三段もばっちりヒットする。ガード崩しも裡門のきついのも相変わらず。
・サラの膝を上げての構えや、カゲの十文字構えはかっこいい。
・みんな顔が怖い。特にアキラは凶悪化している。何があったのか。ラウは年取った。
・これはセガに、声を大にして言いたいのだが、キャラのコスチュームの趣味が悪すぎる。3のときも思ったのだが、なんぼなんでも、の世界である。
・バーチャマニアは、あんまり他のゲームおたくに似ていない。メガネ野郎は少なく、みな筋肉質で色も黒い。ただしTシャツがダサい。どちらかというとゲームおたくというより、プロレスおたくに共通するルックスである。
・とにもかくにも私は弱い。ほっとけ。

▼シレンは今、「ジャハンナムの扉」です。18階が最高です。まだまだですが、杖と壺が識別できないだけでこれほどきついとは。

▼近ごろとみに思うのですが、私の年齢的にこういうのはいかがなものなのでしょうか。お若いみなさんは、37歳ってどんな風に思っているのでしょうか。同世代の方は、やはりこんなものなのでしょうか。テレビドラマのように、やっぱりもっと渋いのでしょうか。それとも私のように、いまだに「ファミ通」買ってたり、マクドでハッピーセット買って、トロだけないのに怒ったり、モー娘のトレカを買ってみたり、ベイブレードで真剣に子どもを負かして泣かしたりしているのでしょうか。<さすがにそれは特殊かも。

▼なんと、「フラギレ」が閉鎖されたようです。あれ? こう書くと尊敬語のつもりなのに、受身にも読めるなあ。問題起こして閉鎖されたとか。書くなら閉鎖なさったようです、か。閉鎖あそばされた、とか。沖縄といえばエイサー。平ちゃんは石坂浩二。
 日記の中でさらりと書くこういうネタは天下一品でした。雑文も抜群でした。マックのことはわかりませんでした。
 管理人の gonjiii さんは、私と同い年(しかも誕生日が1日違い)ということもあって、とても気になる(ていうかリスペクトしてた)存在でした。
 またひとつ惜しいサイトを亡くしました。合掌。

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは、創作活動の大きな励みになります。大切に使わせていただきます。