人から嫌われたくない僕は、4畳の部屋に住むんだ。
多分、ここは4畳の広さもない。
正確に測ったことなんてないし、ここに住もうと思った時には家賃しか見てなかった。寝たら足がはみ出すほど小さなベットと本棚を入れたら座る場所がない。多分、ここは狭い。
起業してから1年間、僕はこの部屋に住んでいる。
感傷に浸るほどの愛着はこの部屋にはない。あるとしたら、自分をいろんな世界から隔離してくれるという機能美には愛着は少しあるかもしれない。世界からの隔離なんかに心を休める居場所を求めているなんて、なんか少し感傷に浸ってしまう。
僕は根っからの寂しがり屋だ。
小学校4年生の頃にいじめにあい、そこから10年間は人と仲良くなることを遠ざけてきた。その反動なのか、心を許せる人が出来始めてからは逆に人のつながりを求めてきた。
二度と誰からも嫌われたくないし、陰口も言われたくない。
「もしかしたら嫌な思いしてるんじゃないか、今の言動まずかったかもしれないな。」
そうやってビクビクして過ごしている、今も。
起業する前は新卒で営業職勤めて、いろんな理論を頭に入れて、実践して。そうするうちに元来の嫌われたくない欲求が燃料になって、人の機微をいらないくらい余計に察してしまう能力が身についてしまった。これはもう諸刃の剣。相手に深く刺さる言葉を言えることもあれば、自分に深く、より深く、突き刺さってかさぶたさえ付かないほどの傷が残ることもある。
誰しもが思うこと。
<人から嫌われたくない>
そんなこと言うと、こう言う人が出てくる。
「人間、全人口から好かれるなんて無理でしょ?嫌われる勇気持って自由に生きようよ」
正しい。けれど、強すぎるんだ、その言葉は。
その言葉を突きつけられて、はいそうですね。と嫌われることの呪縛から逃れられる人なんてそう多くない。そしてまた悩んだ時、同じ助言が来て、苦しむことになるんだ。
僕もそうだ。多分、この性格からは逃げることはできないし、これが僕なんだ。だから逃げない。向き合う。
僕らのような人間は、ネットが普及したが故に顔が見えない関係性にも常に気を回す。言葉遣い、行間、トーン、返信の速度。表情が見えないから余計に必死になるんだ。嫌われたくない。
そうすると、疲れるんだ。一日終わった時にもう一人で居たいと思うんだ。人と関わっている時に消耗する膨大なエネルギーを貯めなくてはいけない。
そんな自分の習性を理解すると、あながち4畳の狭い部屋は悪くないと思うんだ。隔離感が演出されて、悪くない。
今日はずっと部屋に閉じこもって、Youtubeと読書と、時々仕事だった。
後悔はないけど、焦りは増してくる。
さ、とりあえず今日はプログラミング進めよう。