幸いの竜

フルタイムでテレワークをしながら、ヴァイオリンを弾いたり、自然を観察したり、読書をしたり、ライターをしたり、自閉症スペクトラムの小6男子を育てたり。

幸いの竜

フルタイムでテレワークをしながら、ヴァイオリンを弾いたり、自然を観察したり、読書をしたり、ライターをしたり、自閉症スペクトラムの小6男子を育てたり。

最近の記事

西田敏行さんのこと

郷土が生んだ偉大な俳優が亡くなった。 私の養父は西田姓、しかも体格や風貌がちょっと似ていて 「親戚なの?」と言われたことがあったが、 養父は熊本出身で大人になってから郡山に来た人なので、 全く縁はない。 出会った人を大切にし、愛し、愛される。 楽しいことが大好き。 他に代わりのいない強い個性。 すばらしい生き方だったと思う。 悪く言う人が誰もいない。 熱く、あたたかい心の持ち主だったのだろう。 同じ地域で生まれ育ったことを誇りに思う。 そして私も、まわりの人を大切にして

    • 違和感

      前年からの売上アップ。 さらなる事業の拡大。 それが必要なのは、社員?株主? お金が増えたら何をするのか? 時間が捻出できたらどう過ごすのか? 増えたお金で、気候変動を緩やかにするために 活動している団体や個人に寄付をする? できた時間で土を耕し作物を育てる? 読書をする? 子どもと遊ぶ? 便利や時間短縮を提供して その結果、生み出されたものが 気候変動を緩やかにしたり 生物多様性を守ることにつながるなら 意味がある。 しかし、そうはならないと思う。 人にとって心

      • 仕事について

        今の会社に入ったときにまず感じたのは、 「大学生のサークルみたいだな」ということ。 それまでなじみのあった、役職者が言ったことを みんなで手分けしてやるというスタイルではなく、 それぞれが意見を出し合って決める姿に 当時は違和感を覚えた。 同僚は 「仕事なんて暇つぶしだから」と言っていた。 今はその気持ちが少しだけわかる。 大企業のなかでの新規事業だった今の部署では、 若くして部長になった人が 大手企業をどんどん受注していることをイキイキと話しており、 「この人にとって仕

        • 「いろいろ」は楽しい

          自閉症スペクトラムの子どもは 毎朝小学校に行く時に 同じ時刻に同じ車を見るのが好きだ。 同じことが起きることに安心感を抱くのだろう (ただ、いつも同じことが起きるわけではないことは説明している)。 夫は、信号機のある道路を運転するのが好きだ。 そのほうが秩序があってラクだと言う。 私は、信号機のない道路の方が 車が途切れるタイミングで走行できるので好きだ。 何を心地よいと感じるかは人それぞれ。 先日、美容院で見た雑誌『Ku:nel(クウネル)』2024年9月号に フランス

          「夏休み」で思い出すこと

          チームの朝会では週に一度、「チェックイン」をしている。 これは、派遣スタッフの心理的安全性を高めるために 私が提案したもので、 ミーティングを始める前に あるお題にそって全員が数分ずつ話すものだ。 先日のお題は「夏休みの思い出といえば何?」だった。 自分を含め、多くの方々が 小学生のころに祖父母の家(地方)で 過ごした思い出を語っていた。 中学生になると、部活があったり 友だちとの関係性が濃くなり、 家族で出かけることは少なくなるのだろう。 子どものころ、夏休みは母の実家

          「夏休み」で思い出すこと

          モノはいらない

          この一年ぐらいでモノを買わなくなった。 きれいだな、かわいいな、と思っても、 いつ使うのだろう、耐久性がないかも、 そのうち捨てるかも、などと思うと 手がのびない。 本当にいいものを長く使う。 目先の華やかさに惑わされない。 20代の、洋服やバッグにたくさんお金(と選ぶ時間) を使った自分に教えてあげたいが、 あれも、審美眼を養うための授業料だったのだろう。 日曜日は演奏会に出演したので、 月曜日は有給休暇を取得して 遅い大人の夏休みを一人で過ごした。 行ってみたかったカ

          モノはいらない

          3年で成し遂げたいこと

          先日、住んでいる宿舎に 救急車と消防車とパトカーが押し寄せた。 何事かと思って外を見ていたところ、 入っていったのはなんと隣の部屋。 出かけようとしていた夫と子どもが警官に聞いたところ、 住んでいた方が亡くなられたとのこと。 朝や夕方、玄関の前や宿舎の入口で顔を合わせて あいさつするだけのお付き合いだったが、 ショックだった。 のちに管理人さんから ご病気で亡くなられたと聞く。 一昨々日は、松岡正剛さんが亡くなられたことを知る。 東京駅のそばにあった「松丸本舗」は心躍る書

          3年で成し遂げたいこと

          ある人の人生③

          その人は、1937年10月10日、 熊本県八代市で生まれた。 高校までは柔道に打ち込んでいたらしい。 高校を卒業後、日立製作所に入社。 トップセールスマンだったらしく、 茨城県で結婚し、娘も息子もいたが、離婚。 その理由はわかっていない。 その後、会社を辞め、 静岡のほうで文房具の会社をやったり いろいろなことをしていたようだ。 どういうきっかけかわからないが、 郡山市で会社を始めることになった。 公共事業と、工事を請け負う会社の間に立ち、 無事に入札できたら受注金額か

          ある人の人生③

          ある人の人生②

          その人は、1935年2月11日、東京都江東区南砂で 次男として生まれた。 祖父は旅芸人、いとこは前田武彦だった。 戦後、戦争中に父が疎開していた福島県に引っ越し、 父は鉄工所を始めた。 その人は工業高校に進むも中退。 その後、父の会社で働いていた。 ある農家出身の女性と出会い、結婚。 次男なので家を継ぐ必要はなかったはずが、 遊び人の兄がろくに働かず妾をつくって出ていったりして 両親と同居することになる。 本当は、好きなことをして自由に暮らしたかったのだろう。 猟犬を飼

          ある人の人生②

          ある人の人生①

          その人は、1937年1月15日に生まれた。 家は、代々続く農家。 米や野菜を作り、養蚕や養鶏もしていた。 茅葺き屋根で平屋の入口の横には家畜小屋があり、 馬や牛を飼っていた。 戦争時は小学生。 お腹がすいて、雑草を食べてしのいだという。 その地域には1980年代まで防空壕が残っており、 それを見るたび、まわりの人が亡くなったという 戦争の話をしてくれた。 中学校を卒業後、薬局で働く。 若いころの写真を見ると びっくりするほどきれい。 大型バイクの免許も持っていたらしく、

          ある人の人生①

          自分も幸せ まわりも幸せ

          先日、あるワークショップに参加した。 それは、これからの生き方を探求するものだった。 突き詰めて考えると、 私の考える幸せの形は 「自分も幸せ まわりも幸せ」だということに気づく。 自分が心地よい状態であるだけでなく、 自分が関わる場にいる人たちに 何かをプレゼントできたら、と思って生きている。 たとえば家族。 私と結婚してくれた人。 私から生まれた人。 私を生んでくれた人。 「私がいてくれて楽しかった、よかった」と 思ってくれたらうれしいと願っている。 たとえば音楽。

          自分も幸せ まわりも幸せ

          こんなに暑いのはなぜ?

          テレビのニュースでは連日、気温がものすごく高いことを報道している。 それは事実。 しかし、どこどこで何度を超えたということと 暑さに困っている人たちのインタビュー、 「今日の暑さ」を引き起こしている原因、 熱中症に気をつける呼びかけだけの内容に違和感を覚える。 報道に使っていい時間が決まっていることも承知している。 しかしこの内容では、 「ああ、○○は大変だねえ」「どこも暑いんだねえ」 という好奇心を含んだ同情、共感しか引き起こさないのではないか。 どうしてこんな気温になっ

          こんなに暑いのはなぜ?

          成長は絶対に必要?

          企業も事業も成長し続けなくてはならない。 人間も、とにかく成長しなくてはならない。 それは本当だろうか? 昨年よりも大きな利益を生み出すことは 応援してくれている株主が喜ぶこと(もちろんそれだけではないが)。 企業だけでなく、公務に就く人たちもみな 役職者になればなるほど平日と休日の区別がなくなり、 長い休みほど、普段できない業務や勉強のために 自分の時間を費やさなくてはならない。 そんなに成長をする必要があるのか? 地球環境を悪くしながらも。 以前読んだ 『べてるの家

          成長は絶対に必要?

          タイパ・コスパへの違和感

          先日、サンキュータツオさんがラジオで 辞典は工芸品と同じだと言っていた。 数千円で買えるものだけれど、 それを作るためにどれだけの人たちの長い検討があり、 製作する手間ひまもかかったことか、と。 ヤマザキマリさんは、 スマホでコンマ何秒でスクロールされるマンガのシーンに対し 「そこ描くのに2時間かかったのに…」という世界だとおっしゃっていた。 楽器を奏でるのだって同じで、 ただ楽譜を見て弾くこともできなくはないが、 作曲家の生涯、曲に込めた思い、 スコアリーディングをして

          タイパ・コスパへの違和感

          自分に向き合う日

          人の熱い思いを伝える。 いま知ってほしいことを伝える。 自分がやりたいライティングはそれで、 商業的な文章を書くことではない。 自分の地位が脅かされ チャンスを活かしきれなかったことに気づき、 同時に、少し違うのに まあいいかとあぐらをかいていた自分と 向き合うことになった。 文章を書くことは幸せだが、 本当にやるべきことを後回しにしていたら 死んでしまう。 それに気づかされた4月22日。

          自分に向き合う日

          春色に染まらない私

          福島には「三春」という地名がある。 梅・桃・桜が一斉に咲くから三つの春。 それなら、盛岡は「十春」。 つい先日まで日陰に雪が残り いまだにストーブが手放せないのに、 いきなり梅が咲き、 桃、オオイヌノフグリ、タンポポ、スイセン、ムスカリと花が開き、 今は桜が満開。 去年は盛岡に来たばかりだったのでわからなかったが、 ここでは一気に季節が変わる。 いつの間にか日の出も早くなり、 緯度が高いことを実感する。 桜が咲いてウキウキしたのはいつまでだろう。 もちろん花はきれいだと感

          春色に染まらない私