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子育てにおいて日々忘れがちな、子どもに”選択させる”ということ
子どもたちは本来みんな『自分でやってみたい』という気持ちの塊だと思うのですが、例えば子どもが『コップにお水を注いでみたい』と言っても『こぼすからだめ』と親から言われたり、実際にこぼしてしまったときに『ほら言ったでしょ!』と怒られて恥をかいたりして、やってみたかった気持ちそのものを否定されたり、やってみた結果怒られてしまったりしますよね。
そんな日々の積み重ねから、そもそも『やってみたい』という気持ち自体がどんどんなくなっていきます。
子どもが何か声を挙げればわがままとされ、小さいうちは親や先生や、いつも近くにいる大人たちの言うことが全てです。その結果、子どもたちはどんどん自信をなくして、無意識に自分の気持ちをおさえるようになります。
このまま育つと、自分が何をやりたいのか、本当はどう感じているのかも自分で考えられなくなります。そうなると、自分で物事を決断したり、選択することもできなくなります。
自分で考えられなくなるということは、極端な場合、今後何度も訪れる大きな決断をする機会、例えば進学や就職、結婚などの選択も親や周りの人間の意見を聞かないと自分では決められなくなるかもしれません。
でも、そんな子どもたちが大人になると今度は
『良い歳してそんなことも自分で決められないの?』『そんなこともわからないの?』と言われるようになります。
『自分で選択をする』という機会も、『何かにチャレンジして失敗する』という経験も、小さい頃からまわりの大人にことごとく奪われてきたのに、大人になったとたん"自分で考えなさい"、"自分らしくやりなさい"と、そういうことを求められるんです。
もちろん、親も子どもをしつけるために、周りに迷惑をかけないために嫌でも注意するしかないことがほとんどなんです。何より、そんなに我が子をしっかり見てきた親は本当に頑張っていると思います。
全て良かれと思って子どものためにやってきたことなので、自分の今までの行動と自分の子どもがいつまでも自立しないことの関係はイコールだと気づいていない親も多いのではないでしょうか。
選択するっていうことは、とても小さなことに見えて、これからの人生に関わる大きなテーマだと思います。そして、これは上手く進めれば子どもの質の良い自立に繋がります。
子どもが小さいときは、朝ごはんのときに『今日はパンに何塗る?』とか『フルーツと野菜どっちにする?』とかそんな簡単なことで良いんです。
なかなか自分の意見を言わない子も、食べ物の話題に関しては自分の希望が伝えやすいですし、自分で選んだからより美味しく食べられたり、残さず食べたいと感じるかもしれません。
子どもにチャレンジさせてあげるといっても、大きなことをわざわざさせる必要はなく、日常に溢れる小さなことで充分です。
外出先では、周りに迷惑がかかるから、怪我をするから、と子どもにチャレンジさせてあげられる機会は少ないと思うので、そこは無理をせず、家で時間があるときに、子どもに自分でコップに水を注がせてあげたり、サラダの野菜をカットさせてあげたり、色々チャレンジさせてあげると良いと思います。
ようやく子どもたちがチャレンジしたあとに私たちが怒らなくて済むように、水がこぼれることを予想してタオルを敷いておくとか、手が切れない子ども用の包丁を用意しておくとか、ちょっとした対策も忘れずに!