3代目の闘い⑥〜徳を積む〜
幾多の苦労に見舞われるということは、もっと徳を積み、幸せになりなさいという神様からのエールなのです。困難に揉まれ、人間が鍛えられた先に、回り回って徳や運が味方につき、自ずと運命は拓けていくのだと実感します。
ダイソー創業者 矢野 博丈
ダイソー創業者 矢野博丈氏が逝去された。
勝手ながら「豪放磊落な商売人」のイメージがあるが、以外にも理工系で緻密な感性・感覚をお持ちの方だ。
それどころかカリスマ経営者には
およそにつかわしくない「ネガティブ」な発言を繰り返す。
私が定期購読している月刊雑誌致知にも氏の足跡が掲載されていた。
「恵まれない幸せ 恵まれる不幸せ」
この一文は実に「刺さった」内容であった。
ある書籍でこんな一文に触れたことがある。
真のポジティブとはネガティヴにネガティヴを重ねて湧き上がるものだと・・・
そう言えば創業者である私の祖父は
「士農工商工具屋」
という言葉を使い、自らの生業を卑下したと聞いている。
経営者にとり、「一般的な」ポジティブというのは必ずしも必要とは言えないのかもしれない。
悲願に悲観を重ね
深淵なる世界から見えてくる光
失うものなど何もないという「ゼロ」の境地
「真の希望」とはそういうものなのだろうか。