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【犬の突然死】飼い主が学ぶべきこと
先日Threadsで投稿した内容が、閲覧回数70万回を越えました。
その投稿です。↓
※noteにはThreadsを埋め込めないので引用します。Threadsでご覧になった方は飛ばしてください。
知っておいてほしい知人の愛犬を襲った突然○の話。
愛犬をお留守番させて3時間ほど出かけて帰ってきたらいつもは飛んで迎えに出てくるのに出てこない。あれ?と思って入っていくといつも寝ているベッドで寝てる。名前を呼んでも動かない。嫌な予感がして抱き上げると息絶えてたそうです。その子はまだ7歳でその日も朝から元気いっぱいだったそう。それくらいのお留守番は仕方のないこと。誰も悪くない。でも彼の憔悴しきった様子にはかける言葉も見つかりませんでした。こんなこともあるんです。だから出かける前にはできることなら時間をかけてお散歩して、ぎゅっと抱きしめて「行ってきます」を忘れずに。※出かける前のお散歩には2つの理由があります。 突然○ってその名の通り突然なんですが、ストレスが引き金になることも一因として考えられます。だから少しでもストレスのない状態でお留守番できるようにお散歩なんですが、お散歩であちらこちらの匂いを嗅ぐ行為は犬の本能が刺激されるストレス解消なんです。お散歩は運動だけが目的ではありません。
もう一つの理由は犬の体調不良はお散歩のときの歩き方に現れることがあります。なんかひょこひょこしてるとか、ふらついてるとか、いつもよりやけに遅いとか。あと、お腹の具合もわかりますよね。いつもはすぐするおしっこをなかなかしないとかもそうです。よく観察してあげてください。何かいつもと違うような違和感を感じるときはお留守番回避で、神経質と言われてもとりあえず病院をオススメします。
これを書いているのが2025/2/8、Threadsに書いたのが2月3日ですから5日で閲覧数が現在736,482。
皆さんの愛犬への愛情が伝わってきます。
Threadsすごい。
届けたい人に届くアルゴリズムになってる気がします。
Threadsは今、間違いなく来てます。
ストレスって突然死と関係ある?
先に書いておかなければいけません。
心臓病や消化器疾患、中毒、アレルギー反応、感染症などなど、疾患が原因で突然なくなってしまうのも突然死です。
疾患がないにも関わらず突然死をしてしまう場合の原因はまだ研究中。
遺伝とか、いろんな説がありますしストレスが要因になるかもわかっていません。
でも仕事柄、犬たちにとってストレスがどれだけ体調に悪影響を与えるかは、20年間で延べ7万匹以上の犬たちを見てきた経験で知っています。
たとえばアジソン病。
これは、アジソン病だ!とすぐにわかる特徴がありません。
重症化して初めて気付くことが多いのです。
そして重症化にはストレスが大きく影響することがわかっています。
犬にとってストレスは大敵なんです。
人もそうですよね。
ましてや人より速いスピードで年老いていく犬たちは、人の何倍もその影響を受けやすいのです。
だからお留守番時に関わらずノンストレスで暮らすことは犬たちにとってとても大切なことになります。
飼い主さんがいないときに突然別れがやってくるなんて考えたくもないじゃないですか。
だから少しでも後悔しないように、出かける前には特に気をかけるようにという気持ちでThreadsに書きました。
ただThreadsなので、文字数をそんなに書けず言葉足らずというか、もっと知っておいてほしいことがあるので今これを書いています。
特にこのポストの「出かける前にはできることなら時間をかけてお散歩」の内容について、「知りませんでした」「勉強になりました」などのコメントをたくさんいただきましたので、この記事では”犬のお散歩”を深掘りします。
なんですが、その前にまず…
出かけるときの「行ってきます」の是非
こちらもThreadsのコメントで問いかけがありました。
「うちの子は分離不安なんで行ってきますは…」
おっしゃる通りです。
優しく抱きしめるのは愛犬にもいいことですが、行ってきますはいらないっちゃぁいらないんです。
「行ってきます」は犬のためではなく、私たち飼い主のためです。
上で紹介した愛犬との突然の別れにおいて、ま、突然じゃなくても愛犬との別れはつらくて後悔ばかりしてしまうものですが。
ましてや突然の別れとなると現実に心がついていきません。
愛犬が元気だった出かけるときのことを思い出して、なぜ気づいてあげられなかったんだろうと自分を責めたりします。
行ってきますは、愛犬と最後にアイコンタクトをとった時を思い出す手段です。
せめて行ってきますをできた。
これだけでも少しは救われるかもしれません。
なんですが!
分離不安の子の場合は、行ってきますは逆効果になります。
いつも「行ってきます」で飼い主さんが出ていく。
行ってきますが、独りになるサイン(コマンド)と学習してしまって、それを言った途端不安になってしまいます。
分離不安の子の場合は、まず分離不安を解消してあげないといけません。
「吠えてもほっとけばすぐに泣き止むでしょ?」
ちがいます。
分離不安になってしまった子は飼い主さんが戻るまで泣き続ける子が多くいますす。
ほとんどと言ってもいいくらいです。
だからこれは治してあげないといけません。
方法はシンプルです。
①目を合わさず、言葉もかけず黙って出て行く。
②1分で戻る。
③もしその1分以内に愛犬が吠えていたら
④振り出しに戻し①からもう一度
⑤次は例え10秒後でもいいから吠える前に戻る
⑥何事もなかったようにまた出ていく
⑦吠える前に戻る
⑧また出ていく
これを繰り返していると徐々に吠えない時間が延びていきます。
戻る時間も少しずつ少しづつ延ばしていきます。
この方法を伝えて分離不安を改善した方は多くいます。
というか、うちの子でも検証済みです。笑
うちって、仕事も一緒、家でも一緒、旅も一緒と、1年365日24時間ほぼずっと一緒にいるものですから、完全に依存されてて(お互いさまw)、今までの子たち皆どうしても分離不安気味になります。
大丈夫。
根気がいりますが諦めないで分離不安を解消してあげてください。
分離不安の子のお留守番中のストレスは計り知れませんから。
それでは本題です。
犬が散歩で得るもの
まず、お散歩で犬が得る効果。
こんな基本的なことはChatGPTに聞けば瞬時に答えてくれます。
みなさんの代わりに聞いておきました。
とりあえず、これがChatGPTの答えです。
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犬の散歩は、単なる運動だけでなく、犬の心身の健康に多くの良い影響を与えます。
以下のような効果があります。
1. 身体的な健康維持・向上
• 運動不足の解消:適度な運動により、肥満防止や筋力維持に役立つ。
• 心肺機能の向上:適度な運動で心臓や肺が鍛えられ、循環器系の健康を維持。
• 関節や骨の強化:特に成長期や高齢犬にとって、関節を動かすことで関節炎の予防につながる。
2. 精神的な充実・ストレス解消
• 気分転換:外の景色や匂いを感じることで、刺激を受けて退屈やストレスを軽減。
• セロトニンの分泌:運動により「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌され、気持ちが安定。
• 問題行動の予防:運動不足が原因の無駄吠え、破壊行動、攻撃性などを抑える。
3. 社会性の向上
• 他の犬や人との交流:散歩中に他の犬や人と出会うことで、社交的になりやすい。
• 環境への適応:車の音、子どもの声、他の動物など、さまざまな刺激に慣れさせることができる。
• 警戒心の軽減:適度な刺激を経験することで、不必要な恐怖心や警戒心を和らげる。
4. 飼い主との絆が深まる
• コミュニケーションの時間:散歩中に名前を呼んだり、アイコンタクトを取ることで信頼関係が強まる。
• 主従関係の確立:リードを持つことで、飼い主がリーダーであることを犬が理解しやすくなる。
5. 排泄リズムの安定
• 規則正しい排泄習慣の確立:決まった時間に散歩することで、便秘や下痢の予防につながる。
• マーキングによる情報収集:他の犬の匂いを嗅ぐことで、犬同士の「匂いによるコミュニケーション」が取れる。
散歩は、犬の心と体の健康を保つ大切な時間です。毎日適度な散歩を取り入れて、愛犬との生活をより充実させましょう。
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どうでしょう。
基本的なことはここに詰め込まれています。
おそらくご存じの皆さんも多いのではないでしょうか。
もし「なるほどぉ」と思う箇所がありましたら、ぜひ覚えておいてください。
これだけでも散歩の大切さはわかってもらえると思います。
が!
たぶん出てこないかなと思ってChatGPT先生に聞いたのですが、大切なことがやっぱり載っていませんでした。
お散歩には飼い主の重要なミッションがある
”お散歩だけで犬との関係を構築する”本も出ているくらい、お散歩には多くの意味があります。
さて、ChatGPTの回答の4番の2つ目。
主従関係の確立:リードを持つことで、飼い主がリーダーであることを犬が理解しやすくなる。
その通りなんですが、実はこれとてもデリケートで難しい問題です。
技術的にはそうなんですが、そうじゃなくて、人と犬の気持ちのバランスの問題です。
上にも書いてある通り、お散歩は犬にとってストレス発散。
これはもう説明はいらないかもしれませんが、電柱やあちこちの匂いを嗅ぐあの行為は犬の本能が刺激されてストレス発散につながる行為なんです。
だから飼い主のペースで早く歩くもんじゃないんですね。
犬のストレス発散のためには、お散歩は犬のペースで歩いてあげるのが一番なんです。
グイグイ引っ張る子はまた別。
危ないですから。
引っ張りすぎてリードが離れるかもしれない。
カラー(首輪)やハーネス(胴輪)が抜けるかもしれない。
そうなると事故が起きてもおかしくありません。
その場合はまた別に引っ張りを改善する方法を実践しないといけません。
この方法もシンプルです。
引っ張ったら止まる。
それだけです。
あれ?となって犬も止まります。
そしたらまた歩く。
愛犬はまた引っ張る。
また止まる。
愛犬も止まったらまた歩き出す。
これだけです。
引っ張らなければ前に進める。
そう学習します。
方向転換も効果的ですが、ほとんどの場合止まるだけで改善されていきます。
引っ張るのは「引っ張ったら自分が行きたい方へ行ける」と学習したからです。
なんなら引っ張られて一緒に走ってる方もよく見かけます。
犬はもう嬉しくて仕方ありません。
引っ張ったら一緒に走ってくれるんだー!!わーいわーい!!です。
それはそれでストレス発散ですが、その前に危ないです。
正しくストレス発散してもらうためにも引っ張りは改善したい。
お年寄りのおばあちゃんおじいちゃんが犬の散歩で引っ張り倒されているのを見たことがありますか?
ほぼないはずです。
なぜかというと、グイグイ引っ張っても自分の思い通りに進まないからです。
そうやってペースを合わせて歩くことを覚えていきます。
引っ張ったら止まる。
これで(その子によって差はありますが)早い子なら1時間足らずで改善することも多くあります。
ぜひやってみてください。
そして最後のミッション。
大袈裟に書いてますが、2つあります。
実に簡単なことです。
まず1つ目。
Threadsのポストに「出かける前にはできることなら時間をかけてお散歩して」と書きましたが、できるならいつもより時間をかけて、いつもと違うコースをお散歩してあげてください。
いつもと違うコース=いつもと刺激が違うので、先に書いた通り犬にとってはストレス発散になります。
そして2つ目。
犬の体調不良はお散歩のときに現れることがよーくあるので、お散歩中は愛犬をよーく観察してください。
スマホは愛犬を撮る以外は厳禁。
それこそ、いつもグイグイ引っ張る子が引っ張らないとか、これはもう明らかにおかしいですよね。
逆もそうです。
いつものんびり歩く子が、なんかソワソワして落ち着きがない。
なんだかふらついてる、電柱にぶつかる、段を登れないなどなどもそう。
あと、お腹の具合も。
下痢は明らかな体調不良ですし、いつもおしっこするところでしないとか、血が混ざってるとか。
血尿はよく見ないと見分けがつかないことがあります。
そのためにはマナーバンドやおむつなどを使った排泄をすると、血尿はすぐに見つけられます。
それらを使う目的は、マナーだけではありません。
とにかく、お散歩中には自宅では見られない何らかのいつもと違う違和感を感じることがあります。
そのときはお留守番は中止して、すぐに病院に行ってください。
家族として犬を学ぶ
この記事で書いた分離不安や引っ張り癖に対する改善方法は、これが唯一の解決策というわけではありません。
私がお客様の愛犬や自身でも実践した代表的なものを書きましたが、他にも解決策はあります。
犬たちには様々な生活環境があり、様々な性格があり、その子にとって一番合った解決策を模索していくのも飼い主としての義務。
プロのトレーナーさんに相談されるのもいいと思います。
ただ、トレーナーさんのいうことは聞くけど、こちらのいうことは聞かないということもよくあります。
犬と暮らすと決めたその日から、私たちは犬の習性や行動学の勉強を始めないといけません。
そうです。
何が一番いいって、私たち飼い主が犬のプロ並みの知識を習得することが最善の方法なんです。
犬たちの健康についてもそうです。
ネット時代の今、勉強はやる気になればいくらでもできます。
日々、犬の勉強。
それで防げる不慮の事故を防げたら、突然死を回避できたら、それに越したことはありませんし、何よりそれが家族としての責任だと考えます。
最後に
後悔先に立たず。
後悔のない別れなんてないかもしれません。
でも少しでも「やれることはやった」と思えることが、愛犬と私たち双方にとって大切なことだと思っています。
それでもどうしようもない愛犬の突然死に見舞われたら。
別れは悲しくて心が引き裂かれるくらいつらいですが、思いきり泣いたあと「立派だったね、ありがとうね」と感謝と笑顔で送ってあげてください。
そして少しでも早く日常の笑顔も取り戻してください。
それが何より餞(はなむけ)になるはずです。
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大阪豊中でトリミングとペットホテルとトリミングスクール、サロン開業相談をしています。
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