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『ALL PAIN 4 ME』を聴く

◎11月1日に配信リリースされたSILENT KILLA JOINT & ENDRUNのアルバム『ALL PAIN 4 ME』のプレスリリース文(作品紹介文)を担当しました。本稿では執筆にあたりヒアリングした内容も踏まえつつ、改めて作品についてのレビューと感想を書いています。 (※以下、プレスリリースの文章) SILENT KILLA JOINTは昨年3月27日にアルバム『静寂麻巻』リリース後、翌月1日にはリリース記念のワンマンライブを開催。その後も精力的なライブ活動を継

    • 港町から呼びかける声――横浜と神戸、句潤とSILENT KILLA JOINTについて

      二つの港町と「MINATOMACHI」横浜の街と神戸の街はとてもよく似ている。 それぞれ幕末期の開国に際して開港されたという成り立ちと、そこから国際的な港湾都市として機能・発展してきた経緯により、街を歩けばあちこちで共通項が見出すことができる。 主には中華街や異人館、60年代初頭のほぼ同時期に建てられたランドマークタワーなど。また、赤レンガ倉庫は横浜のものが有名だが、神戸にも素朴ながら商業施設として現存している。「兵庫県神戸市兵庫区」と「神奈川県横浜市神奈川区」という行政

      ¥100
      • 「One Up 4 Rap」と、最近のMCバトル発の楽曲たち

        先日放送された『フリースタイル日本統一 関東死闘編』で優勝したチーム神奈川(ICE BAHNのFORK、Donatello、句潤、SHEEF THE 3RD)による楽曲「One Up 4 Rap」良かったですね。 番組そのものに色々な面でイマイチはまれず後追いで少しずつ観ていたので、うっかりボンヤリしたままリリース日を迎えてしまった。けど個人的に思い入れ深い顔触れだったので、MV含めて非常に楽しめる一曲だった。 ビートはBEAT奉行(ICE BAHN)。改めて考えると、案

        • KAYZY×Nonkey 対談「“あと一歩”の背中を押せる音楽を」――EP『NEVER SAY NEVER』リリースによせて

          地元・神奈川で受けた影響とラッパーになるまで Nonkey:とりあえず自己紹介して下さい。 KAYZY:まず地元は神奈川・相模原で、KAYZY(ケーズィー)って名前で音楽活動……を、やってます。 Nonkey:今ちょっと、なんというかスムーズに言わなかったのは後の話に繋がるところだね。相模原生まれ相模原育ち? KAYZY:そうですね、ずっと相模原で。 Nonkey:音楽はいくつぐらいから始めたの? KAYZY:ヒップホップ自体は、小学生の頃から父親の影響で聴いて

        • 『ALL PAIN 4 ME』を聴く

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          『KING OF KINGS 2023 GRAND CHAMPIONSHIP FINAL』を観て

          【2024.02.15 追記】↑Abemaプレミアム限定で大会のフル配信が開始されました。 年一開催のものとしては国内最大級のMCバトルイベント『KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP FINAL』が今年も開催され、終了した。 翌日が年始直後の平日だったので生観覧を断念した配信視聴組だったが、個人的にはかつてないほど思い入れを持って見守った大会となった。 基本的にMCバトルは水物もいいところで、よっぽど特異な例でなければ、どんなに強いMCでも日ご

          『KING OF KINGS 2023 GRAND CHAMPIONSHIP FINAL』を観て

          【MCバトル】2023年の個人的ベストバウト10選

          掲載順は開催日順。基準としてパワーバランスが均衡に近く、MCの強みが活きていると感じられた試合、またその上で何か心に残るものがあった試合を選ぶようにした。 また、各項の末尾にMCたちの音源(最新作、客演参加も含む)のリンクを貼っているので、気になったら是非ご一聴を。 ※YouTube動画はざっくりバトル開始のタイミングに頭出ししてあります。 【口喧嘩祭 Special in CLUB CITTA'】 句潤 vs SKRYU SKRYUのバース中の言葉を借りれば“音楽性

          【MCバトル】2023年の個人的ベストバウト10選

          最近のバトルイベント雑感・動画視聴分(THE罵倒~口喧嘩祭SPECIAL)

          『THE罵倒2023』『MCバトル「MATSURI」』『KOK全国大会』『口喧嘩祭SPECIAL(Zepp Nagoya)』のうち、個人的に記憶に残った試合を中心に。基本は敬称略。広く色々と観るようになったのは昨年下半期からで、2020年以前の知識が歯抜け気味な人間の感想。 【9/19・THE罵倒2023 本戦】CASTLE RECORDS主催で“罵り合い・ボディタッチあり”を特色としたMCバトルイベント。2018年以降開催がなかったが今年めでたく復活となったそう。優勝者に

          最近のバトルイベント雑感・動画視聴分(THE罵倒~口喧嘩祭SPECIAL)

          『静寂麻巻』を聴く

          喜怒哀楽に当て嵌めるなら、おおむね“怒”。しかし、どちらかというとむしろそうした情動が生まれる直前に、何とも言えずまどろんでいるかのような立ち上がりの声音と、神戸弁の節回しである。 この人のことをあまりよく知らない。公にいる姿を一方的に見るようになってから、まだ一年も経っていない。パーソナルな部分についてYouTubeなどから知り始めたのも、ごく最近のことだ。 ただ、西心斎橋のTRIANGLEで初めてライブを観た今年の初め頃から、その音楽はあっという間に生活の中に溶け込ん

          『静寂麻巻』を聴く