一瞬の仲間とバーモントカレー辛口
ゆるゆるグルメリポート。
Googlephotoには○年目の今日って写真を振り返ってくれる機能がある。
5年前の今日、私は北海道にいたらしい_________
大学生になり、高校でいまいち微妙な所謂、カースト低位にいた私はどうしても大学生活を十二分に楽しみたくて、サークルや英会話など授業以外にも色々調べていた。そんな時に元々旅先をママチャリで回るのが好きだった自分は自転車って面白いじゃん!と思い、自転車×旅を探し始める。
そうしてたどり着いたのが、後輩のお姉さんが副部長を務める某国立大学の自転車サークルである。
今考えるとすごい行動力で我ながら笑ってしまう。
私以外みんなその大学の人(かつ部員100名超)で所謂インカレサークルではない。
6月に房総半島を1泊2日で回る合宿に参加したり(台風と大雨の中、1日100㎞を漕いだ)、富士山に泊りがけで山頂まで登山してみたりして、ついに8月夏合宿を迎えたわけである。
本合宿が5日間でその前後で大体、プレ合宿を行う。
私はなるべく少人数で期間も前乗り5日間とちょうどよいいものを選んだ。
まずは輪行で大洗まで向かう。その後に大洗からフェリーで苫小牧まで向かう。初めての船内宿泊でテンションが上がってしまった。
6人1部屋の一番安い部屋も中々学生でよい。そんなワクワクもつかの間、後半は圧倒的な船酔いに悩まされながら、ほぼ己との闘いになった。
(なんと台風直撃のため、甲板には上がれず耐えしのいだ)
そうして着いた苫小牧。
すごい。本当に船上から陸が見えた時は、みんなで「陸が、陸が見えるぞ!!!」って漫画みたいなセリフが口走る。
早速自転車にまたがり、みんなで今日の目的地まで向かう。
本当に覚えていない、というか先輩方がルート調べから先頭車から全てしてくれたため、本当に行った先しか覚えていない。ごめんなさい。。。
前乗り5日間中、台風で2日間は健康ランド的な施設で寝泊まりしながら、札幌観光。残り3日間は道の駅でキャンプをしながらどんどん走っていく(前後は曖昧で確かではない)
道の駅は本当に楽しかった。
「今台風がやんでいる!いけるぞ!」ってなったら、急いで準備して、モエレ沼公園に行って、雨の中遊んだり、札幌市内でスープカレーを食べたり。
夜、健康ランドに帰ってきたら、風呂に入り、健康ランド飯を食べて、漫画を読んで就寝。
中々にカオスで、学生ならではの旅である。
道の駅ではテントを張って、寝て、朝はガスボンベで味噌汁などを作って食べる。
銭湯に行って、何やら先輩が地元のおじさんと仲良くなって夕張メロンを2玉頂いてきた。
「あいつ、そうゆうとこあるんだよね~なんか毎回仲良くなっている」
頂いたメロンは甘くて、おいしかった。
道の駅飯で一番記憶に残っているのはカレーライス。
やっぱり、定番だけど、おいしい。
ルーの辛さで先輩が譲らなくて、結局強い金髪お姉さまが勝ち、辛口に決まった。
先輩方は慣れたもんで、サクサク作業をしていく。
私達は何も戦力になれず、ただ洗米していた。
みんなで囲んで食べたカレーは素朴な味で、おいしかった。
朝は動物のなき声で起床する。朝日に向かって伸びをする。
「早く!準備するよ」
先輩方に怒られる。
北海道の道の駅で、ほぼ初対面の学生と囲むカレーライス。
同じ釜の飯を食う_。
まさにそんな状況だが、やっぱり不思議なもんで5日間も一緒に寝食を共にすると仲良くなれた。
ものすごいよね。共通点は学生だけで。ましてや私は大学の学部あるあるにも全くついていけない中、どこからそんなバイタリティがあるのか。5年前の自分。
次の目的地までの電車の中での雑学や諸々。
やっぱり国立の理系の話は面白い。なんというか知的でふっと笑ってしまう、誰も傷つけるいじりをしない、高度な笑い。
私が今も理系男子が好きな所以はそこから来ているのかもしれない。
函館で食べた海鮮丼。
健康ランドで寝れなくて、ひたすら見ていた応答せよ1997。
みんなでセイコマに向かい、朝ごはんを調達。
怯えながら食べた鳥の半身揚げ。
ひたすら積丹半島を走り、岬から見た広い海。
海でテントで泊まって、花火をしたこと。
夜、ライトが切れて車に怯えながら爆走したこと。
水族館で雨なのに野外エリアのラッコに餌やりしたこと。
チャリ旅で試飲NGにも関わらず、ニッカウヰスキー工場に行き、竹鶴の歴史を学んだあと、おつまみとジュースを飲んでおしゃべりしたこと。
同じ班になった新潟出身の工学部長身顔面優勝に毎回キュンしていたこと。
帰る日に、出る予定の5分前に起床し、死ぬ気で準備したこと。
全てが懐かしく、最高に楽しかった。
今考えると本当に訳が分からない。全く知らないコミュニティの中に1人で参加し、学部あるあるネタもうまくかわしながら10日間楽しんでしまった。
あっぱれ。
結局、この合宿を最後に退部してしまった。
理由は他のサークルに本腰を入れるため、授業後に部会に参加するのが難しいこと、やっぱり内輪ネタについていけなかったからだ。
他の部員からしたら「なんだったんだ、あの時一瞬いた、他大のやつは」状態だろう、いやもう忘却の彼方に忘れられているかもしれない。
だけど、私の中では一生残り続ける、濃ゆい10日間だった。
またチャリ旅もしていきたい。
あの時、一緒にチャリ旅をしてくれて、ありがとう。
もう、この先交わることは恐らくないけれど、心の中には残っているし、ふと何かの偶然でまた、会ってみたいなとも思うのであった。
そして、札幌のスープカレーは本当においしいのでみんな行ってくれ。
普通に車でよいから。
あと、セイコマはインフラです。確実に。