剥離

ふと、自分の心の中で感情が芽生える。

言葉に変換する。

声に出す。

相手が受け取る。


このプロセスで、はじめに芽生えた感情って、完璧に表現できないと思う。

過程を経れば経るほど、まるで絵の具が経年劣化で剥がれるように、意味が抜け落ちていくと思う。

重い言葉だって、美しい言葉だって、結局完璧ではない。どれだけ緻密に、繊細に表現しようとしたって、そのままそっくり投影した言葉になんて変換出来やしないような気がする。

言葉に意味がないとは言わない。

でも、うーん。何だろうなぁ…

結局、今自分が思っていることだって、言葉に出来ないんだ。

そのもどかしさに喘ぎながら、言葉に触れている。

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