和食人、餃子を語る。(其の玖) アレ。コレ。
日本人の私がそれまでの仕事のつながりから、中国の常州という街に
小さな会社と1軒の居酒屋を作って暮らしていたという昔話。
ここでは、その外伝。
私の中国での餃子に対する学びと、”餃子愛”をお伝えしたい。
近く、遠い国、中国に関わった20年。
私の風変わりな経歴などは、プロフィール記事(長篇)をご覧ください。
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今回、和食人、餃子を語らない回。
年代、季節順不同にて。
普通の水餃子は、スープ餃子と違って、茹でて水切りした状態で皿に出される。
そして、食べてるそばから水分が蒸発して後半は乾いた状態になる。それを、最後までツルッと滑らかに楽しむために時々、茹で上がりにオリーブオイルをかけて和えて食していた。
これはたまたま、ジェノバソース(オリーブオイルにニンニク、バジル)があったので。 既製品の肉主体の餃子には合うと思われる。
中国もデリバリー全盛期。 Uberならぬ "美団 mei tuan メイトゥアン”と呼ぶサービスがあり、さまざまな食事を届けてもらえる。何度か、ある中華料理屋のオーダーをしたことがある。そこの料理はこの使い捨ての土鍋に入って温かく届く。安い素焼きのような土鍋だが、日本だと使い捨て扱いでこういうものはない。アナログ感強くて良い。サービス魂と演出力。
そして、使い捨てなのに、取り置いて自分の料理食器として再利用してまう私。日本人デス。 ” 土鍋の餃子 "? もちろん、私の餃子。。。
ピーマン餃子、セロリ餃子、気に入る餃子は ” 青い餃子 " だということに気づいてしまった私。 皮を破って放たれる 青い咆哮!いや 青い芳香。
ピーマン餃子ではそのまま入れましたが、苦瓜は流石に油で処理して具にします。皮は特に意図せず、あった全粒粉を混ぜて作っています。鶏のムネ肉と合わせた夏の一品。
” 青い咆哮 "、そら豆餃子 登場。肉の餡にそら豆は粒で仕込んでいきます。皮にもすりつぶしたそら豆を配合。うっすら鶯色の焼き餃子。こういう遊びは手作り皮の特権です。
少し脱線して、そら豆の小話。
サヤが空に向いてつくので 、日本では” 空豆 "と呼ばれている。
中国では” 蚕豆 can dou ツァンドウ "という。
元代の農業家が書くことには、『豆の収穫時期が、養蚕を始める季節と同じ』
明代の医術家が描くことには、『豆の姿が、繭を作る蚕と同じ』
文献があり、そういう説から蚕豆と呼んでいるそうで。日本でも蚕豆と書いたりもするが、それは中国からの伝来かも。
食べすぎると、オナラがよく出るので “ 放屁豆 fang pi dou ファンピードウ”という俗称でも親しまれている。。。
以上、語らぬ回。写真だけのつもりがつい書いてしまった、アレコレでした。