見出し画像

中国で食材と戯る。(12) 白ミル貝

( 私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
  ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。

寄稿にあたっての自身のコメント  


" 白ミル貝 "                                                          2014.5


  中国での通り名は、” 象鼻蚌 xiang bi bang シャンビーバン " 。
字の如く、象さんの鼻の様な " 蚌 (虫偏に右は)= 2枚貝の総称 "である。
耳にしたことがないが、
文献では、” 太平洋潜泥蛤 tai ping yang qian ni ha タイピンヤン チェンニーハ "
が学名の様子。=太平洋沿岸の泥に潜っている蛤。
実際に産地は、太平洋を1周する様に、アメリカの西沿海(アラスカ/カリフォルニア)、中国東沿海、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド。

 日本では本来、古くから食されたミルクイ貝を " ミル貝 "と呼んでいて、味の良いそちらが希少になり、今はこのタイプの” 浪貝(なみがい) "を " 白ミル " と呼び流通させているようだ。

象さんの鼻は縮んでも貝に納まらない。


可食な水管の部位。 肉の取れ高は良い方だが、
水分が多いので実際には見た目ほどの質量は無い。


白ミルのバター炒め

 生きたものなので、サッと湯に通して切付け、刺身で口に入れてみるが、
癖があり、刺身としては完全に 『 NO ! 』であった。
気を取り直し、バター炒めにして黒胡椒、少量の醤油で 『 YES …』。ニンニクもあったら、なお良かったかな。
これも、上海あたりの海鮮市場では古くからあったが、常州ではあまり見かけなかった。養殖もされている様で、海鮮を扱う中華レストランでは炒め物に使われている。

2014年時のこれは、私にはまだ使えない食材でありました。
炒めるにしても、生食で美味しいものを加熱するなら更に美味しいことを知ってるから。


   
         この貝、100年生きるって本当でしょうか?


いいなと思ったら応援しよう!