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世界遺産 四川-九寨溝へ。 (中巻)


                       

九寨溝で朝飯                 2014.8.12

 “ 牦牛青稞面 mao niu qing ke mian マオニュウ チンクミェン "
見た目はよくある牛肉麺だが、ここは九寨溝。一味違うのは、チベットの裸麦を使用している面。味で感じることは難しいが、麺がほのかに緑色をしているように見える。

青稞咂酒 qing ke za jiu チンクザージュウ "
 " 咂酒 "は四川省の達州渠県発祥2000年の歴史を持つという特殊な飲酒風俗文化のこと。酒は高粱 (コーリャン : 白酒の主原料の穀類) を蒸しあげ、漢方と共に醗酵醸造したもの。蒸留する前の、白酒の醪(もろみ)とも言える。それを、甕に用意し、婚礼など村人の集まりに供して、まずは長老、そして男達から飲み始め、甕の七分八分まで飲み進んだ時に、沸騰させた湯をそこに注ぎ量を戻す。これを繰り返し、徐々に酒量のない女性や子供に至るまでがそれを楽しみ、それぞれがほろ酔いになったという。この村は竹編みの文化でも有名な地で、その甕の酒は竹をストローのようにして飲んだ。
 最後に残った、味もアルコールも出ないコーリャンの酒粕は豚の餌にくれてやったらしい。( 村で酔えなかったのは豚だけか。。。)
こういった文化を受け継ぎながら、民間で広がり発展した醸造技術で生まれた酒を
” 咂酒 "と呼んでいるようだ。
 この酒をハダカムギに置き換えて作ったのが " 青稞咂酒 " かと思われる。詳しい資料は無く、これは予測。 味は仄かに甘く、酸味がある、6°のアルコール、私には殆ど感じられない。

これは、朝メシだった。


五彩池

 九寨溝、夏は雨が多いらしい。人、人、人。 それでも人だらけ。

やっと美しい景色に辿り着く。雨と霧。
しかし、水面は空よりも碧く明るい。岷山に流れでる水は石灰分(炭酸カルシウム)を多く含み、水中の浮遊物に取り憑いて一緒に沈殿することで、水の透明度が一際高いのだとか。

霧の動き、僅かな光の射しかた、進める歩み、見る角度の違いなどが、水面の表情を変化させる。

立ち止まってずっと眺めたくなるが、私は行列の中の蟻だ。自分の歩く速度も自分のものではない。


九寨溝の昼メシ ビュッフェ

 大量の旅客訪問者に対応する大きなレストランがある。
シンプルイズベスト。メニューはビュッフェの一択。他の店も、他のメニューも
選択肢が無い。それでも、地元食材が溢れる構成で私には喜ばしくあった。

思わず、2周してお腹いっぱい。何故かワラビが気に入っておかわりしている。
やはり、綺麗な空気を吸って、たくさん歩くとメシは美味い。


 敷地は広大で、景勝ポイントは無数にある。
だが、皆が蟻のように連なり、ポイントとポイントは遊山区域専用のバスをフリーパスで移動する同じ流れ。

 旅も人生と同じ、少しドロップアウトすれば人とは違う景色が見られるはず。
途中からバスに乗らず、開放されている遊歩道に入り黙々と歩く。
天候もあったかもしれない。ラッキーなことにこの山中を2時間程、人に遭遇しないで独り占めしながら歩くことができた。

自分が中国にいることを忘れてしまいそうな時間。 だが、緩やかに見える登りが結構きつい、運動不足? やや高山病の症状。。。



絵画のような




 汚れを取り込んで沈殿する炭酸カルシウムは、倒れ水に沈んだ樹木の表面をも多い隠してしまう。それが保護の役割を持ち、腐敗させずにその姿を保つのだと。

澄んだ水の中に、珊瑚のように樹木が佇んで見える。
外にある世界、水の中にある世界、水面にある世界、幾重ものレイヤーを重ね合わせたような美しい写真をいくらか残すことができた。自分がWeixinに投稿したものを抽出した写真でも綺麗ではある。オリジナルの写真が残っていればと悔しくなるが、ここでは書くまい。

 もし、天気が良ければ、もし秋に訪れたなら、それはもう。。。

多くの写真で、訪れていない方にネタバレはよく無いと思ったが、全然大丈夫。
きっと私の記事と写真くらいじゃ絶景の感動、 1 / 100 も伝わらないから。



                              ▼ 続く



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