水彩画研究ノート【耐光性実験 その1】
★追記:UVスプレーの動画を追加しました。(2024/1/13)
こんにちは。今月もやってまいりました、水彩画研究ノート!
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今回は、私がいつも使っている4社の3原色を使って、耐光性実験をしてみました!
比較実験する4社は、ホルベイン、シュミンケ、まっち(ブライトカラー)、ウィンザー&ニュートンです。
1.耐光性とは
絵の具に限らず、全ての塗料には【耐光性】というものがあります。
※耐光性…光(紫外線など)による劣化に対する抵抗性。
部屋に貼ってあるポスターや写真が、窓からの光で色褪せてしまった経験はありませんか?また、新築の時は美しかったのに、今ではすっかり色が抜けてしまった外壁なども目にします。どうやら塗料は光の影響を受けやすいようです。
◆福岡市美術館のブログ
きゃふんもいない、にゃんこもいない…! の記事には、展示ケースの光でも絵画が劣化してしまうので、展示室に飾られる期間には制限があると書かれています。しかも展示期間は1年のうち2ヶ月程度!(見れるうちに見ないといけませんね)
2.実験をしようと思った訳
【参考サイト様】
私はこの実験の結果がどうなるかは、こちらの素晴らしいサイト、
◆「水彩絵の具使ってみた!ドットコム」様
の【水彩絵の具メーカー比較】オペラ耐光選手権の記事を予め読んでいたので、なんとなく分かっていました。
でも、どのような感じで色が抜けていくのか、自分の使っている絵の具くらいは自分の目で確かめてみよう!ということで、のんびり1年かけてやってみました。
【メーカー別】
絵の具にはそれぞれ、耐光性が高い色と低い色があります。それは絵の具のチューブに、★の数で記されています(書いてないメーカーもある)
さらに、同じような色でもメーカーによっても差があります。
絵の具なんて、どのメーカーも同じようなもの。 安いものは初心者用で高級なのは上手い人が使うもの(その理由はわからんけど)と水彩画を始めた頃は思ってましたが、やはり違うものは違う!ずっと使い続けてみると、結構な違いが分かるようになってきましたよ。
そんな細かな理解を、今後も深めていきたいので、この実験をやってみることにしました。
そもそも、アナログ絵を描いてる人の中で、自分の描いた絵が、どのくらい耐光性があるのか分かっている人って、プロじゃない限りあまりいないかも。
私もとりあえずUVカットスプレー振ればOKくらいにしか思ってませんでしたが、原画を販売、プレゼントするのであれば耐光性、耐久性に優れたものを使った方が良いですね🎨
3.実験スタート!
【塗った色】
まずは4枚の水彩紙を用意して、各メーカーの3原色を塗ります。
◆ホルベイン
1.イミダゾロンイエロー
2.キナクリドンマゼンダ
3.フタロブルー イエローシェード
◆シュミンケ
1.カドミウム イエローライト
2.マゼンダ
3.ヘリオセルリアン
◆まっち
1.きいろ
2.ローズ
3.そらいろ
◆ウィンザー&ニュートン
1.ウィンザーレモン
2.パーマネントローズ
3.ウィンザーブルー レッドシェード
【3つのグループ分け】
そして3つのグループに分けました。
A.黒い画用紙を貼ったもの
B.何もしない
C.UVカットスプレーを塗ったもの
また、3原色だけではなく、2色づつ混ぜたものも塗ってみました。配分は適当ですが、3色の中で耐光性が弱い色があったとして、その色が抜けた時どんな色になるのかなと、単純な好奇心からです。
【UVカットスプレー】
C.グループでは、アナログ絵を描く人ならご存知の、ホルベイン水彩用メディウム UVマットバーニッシュをふりかけてみました。これは作品にスプレーすれば、紫外線による退色を防ぎ、色持ちを良くするという、仕上げの時に使うアイテムです。私も使用しています。
これをふりかければ、問題ないでしょう!
平行に10回以上はスライドして、15秒間程度ふりかけました。
動画をXの方に貼り付けましたのでこちらからどうぞ。
【そして窓に貼りつけました】
太陽の光をさんさんと浴びせるべく、南側の窓に室内側から貼り付けました。これでどうなるかを検証します。
1年経った結果は次回に!!