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水彩画研究ノート【水彩紙 ー紙の厚みと紙の目ー】

水彩画を描いてみたい…!
だけど「道具はどれを買っていいのか分からない」そんな時この記事が少しでも参考になれば幸いです。過去にSNSに載せた実験結果をもとに、さらに今現在まで学んだことを加えて、noteの方に少しづつ記載していきます。

▶今までの水彩画研究ノートはこちら

水彩紙について


今回は紙についてのお話です。

水彩画において、紙選びってとても大事なんです!個人的には、紙>筆>絵の具の順で、重要だと思ってます。 

画材屋さんには水彩紙がいっぱい。100円ショップにもケント紙や画用紙など色々あって迷いますよね。「発色がいい」「吸い込みがいい」「絵具の乗りがいい」「100%コットン」などさまざまな特徴が書いてありますし、お値段もピンキリ。では、一体何が違うのかを、ざっくりと紐解いていきましょう。

さまざまな紙
今回は10種の紙で比較実験してみました。
説明しやすいようにA,B,Cのグループに分けてます。


1.紙の厚み(坪量)

水彩紙でまず大切なのは紙の厚み(坪量)です。製品に1㎡あたりのグラム数が書いてあるのでそちらをチェックしましょう。※同じ重さでも紙の目の大きさによって厚みが多少変わることも。

この数値をまず確認!
これくらい厚みが違います。


【水彩画に適した厚み】

・300g/㎡…水(塗り重ね)が多めの絵 
・200g/㎡…水(塗り重ね)が少なめの絵
・200g/㎡以下…水彩画には不向き。

※200g/㎡以下が必ずしもダメというわけではありません。
筆に迷いなくサラサラと描ける達人レベルの画家は、画用紙やケント紙でも、質感を最大限にいかした絵が描けます。そもそも学生の時には、画用紙やケント紙、安い筆など使用してましたよね。こちらの方がはるかに難易度高いのですよ…!(画用紙に関してはこちらの記事に補足してます

※ホワイトワトソンは、300g/㎡で厚みはありますが、次回の記事で書く「材質」からの点で、Aグループとは区別してます。


【ハガキサイズ1枚あたりの価格】

紙の値段はピンキリ。ハガキサイズおおよそ1枚の価格は下記の通り。
・Aグループ…50~100円以上
・Bグループ…10~20円
・Cグループ…1以下~5円 

安いからといって安い紙ばかり使っていると、水彩画の良さを最大限には活かせないので、できるだけ普段から良い紙を使うことをおススメします。


2.紙の目

水彩紙には細目、中目、荒目と目の粗さのタイプがあります。 そう、紙には目があるのです。

厚みの次は目をチェックしよう!


同じ透明水彩画でも、水をふんだんに使用し、フワッとにじみやぼかしを活用したい方は「中目」を、植物画のように、繊細且つ緻密な絵にしたい方は「細目」がおススメです。個人的に「荒目」はあまり使用しませんが、筆のかすれなどを出してダイナミックな絵を描きたい時にどうぞ。

表現したい質感によって紙の目を使い分けてください。

カリグラフィー作品にはアルシュ紙の「極細」を使う人が多いです。紙の凹凸がないので、金属ペンの絵の具がスムーズに乗るからです。(細いペン先などは紙の繊維に刺さってしまう)

※注:アルシュ紙は、極細、細目、荒目と他製品と名称が異なります。


【ウォーターフォード紙  中目】

多様な技法と風合い楽しむなら中目。



【アルシュ紙 極細】

アルシュ紙の極細は緻密な絵に最適。


3.補足

水彩紙はメーカーによっては「ホワイト色」「ナチュラル色」など紙の色が違うものを出していますので、自分に合った方を選びましょう。

なかには「ナチュラルホワイト」って書いてあるメーカーもあります。どっちなん!?

同じ白でもこんなに違う。


あと、絵をスキャナなどで取り込んでデータとして処理したい方は、紙の目が大きくなればなるほど、紙の凹凸ごと映り込んでしまって、それを除去する作業がちょっと大変。色調補正しやすいよう、紙の色もホワイトがおすすめです。ご参考までに。

以上、今回は紙の厚みと目の話でした。


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