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水彩画研究ノート【道具の話ーこん棒から始めるー】

こんにちは!今月も水彩画研究ノートの時間です!!

▶水彩画研究ノートの記事はこちら

水彩紙に関する記事の次は、絵の具や色について記述する予定でしたが、紙以上に内容が深くなりそうで、どこから手をつけていいか分かりませんw。紙より絵の具の方が数が多いですからね。よって、とりあえず思い浮かんだものを次から次へと書いていこうと思います。


大好きな絵の具!!


絵の具に関して知識を深める前に、
道具に関するマイルールについて少し語らせて下さい。
私はアナログ絵画を本格的に学ぶ上で、最初に決めたことがあります。

それは何かと言いますと…

1.最初は安い道具から始める

RPGゲームで一番最初の武器は剣ではなく、こん棒であるように、
例え充分なお金を持っていたとしても、まずは身の丈に合ったものを揃えることにしています。
いきなり良い道具を揃えるのに越したことはないのですが、自分の成長と共に道具を変えていく楽しさを味わいたいのと、「どうしてこれが良いのか」「どうしてこれが高級なのか」と自分の中で理解したいためです。

もちろん、スキル関係なく欲しい物を最初から入手してOKです。
マインクラフトでも、サバイバルモードじゃなくてクリエイティブモードにすれば、欲しい材料なんて簡単に手に入りますけど…
分かってるよ。でも、そうじゃない!私が欲しいのは、スキルが上昇して、ようやく手に入る道具を手にした時の感動!!

最初は何も持っていない!!これがいい!

【絵の具1本あたりの価格
1.ホルベイン(日本製)…250~400円
2.ウィンザー&ニュートン(イギリス王室御用達画材)…550~990円
3.シュミンケ(ドイツ最高級絵の具)…1,550~2,650円

1本2,000円くらいしても長年使えるので、すごく高いわけでもない。

買えますよ。いきなりシュミンケでも。絵の世界は音楽の世界と違ってお金かからないもの。しかし私は、ホルベインを買った後、確実に慣れるまで(何年も)W&Nに手を出しませんでした。だから、初めてW&Nを使った時、ホルベインとは違う輝きをしていることに感動しました!!これは今でも覚えてます。

成長と共に増えていく絵の具

水彩紙も安い画用紙→安い水彩紙→高級水彩紙とじっくりと時間をかけて移行中です。

※注:筆に関しては、できるだけ、それなりに良いものを最初から買ってください。安価な動物毛の筆はすぐ毛が抜けていきます。それならばナイロン製の筆を買った方がまだ良いです。弘法も本当は筆を選んでいたはず。

2.誰かに勧められた時が変え時

私はどんどん新しい道具を試して変えていくタイプではありません。一度その道具と決めたら、ボロボロになって壊れるか無くなるまで長年使い続けます。

パレットの限界。

もっと貪欲に、新しい画材を試してみた方が良いかなと思うことも、もちろんあります。ですが、もともと物持ちが良いのと、たくさん試しても、結局どれがいいのか分からなくなるという頭の悪さのせいで、ずっと同じ物を使い続けてしまいます。

そんな私が次はこれを使おう!と道具交換をするきっかけとして、「誰かから勧められた時。」が挙げられます。
誰かと言うのは、たいてい私よりスキルが上の方々。「これが良いですよ」と勧められた道具は素直に、使うようにしています。多分、これってスキルアップした時のサインなのかな。

神社巡りが好きな人とお話していると、たまに「○○神社から呼ばれた」って言う表現をされる方がいらっしゃいますよね。つまり、その神社の情報が、その人の元に来るべくしてやって来た…みたいな感じです。
そう、何かしらの理由があって、道具の方から私の方にやって来てくれているので、そういう道具との出会いは大事にしたい。(なにこの話w)

3.三原色オンリー 

水彩画を学び始めた頃、ホルベインの24色をパレットに出して使用し、その後メーカーごとに作成。

分かりやすいよう色の頭文字を油性ペンで書いてます

そして途中から、水彩画教室の先生の意向で、三原色(シアン、マゼンダ、イエロー)のみ使用ということに変わりました。三原色にすることによって、調合スキルが上がるし、たくさんある中から色を選ぶこともなくなります。

プリンターのインク(CMYK)と同じですね。カラーインク3色+黒1色。
水彩画の時は黒も三色で作成します。

オール三原色!!


三原色は常に自分で調合して、色を作らなければなりませんが、単色の絵の具を使うより、混ぜて塗った方が微妙なグラデーションが出やすいのと、
絵の全体の色調がまとまりやすい気がします。

同じ色が作りづらいというデメリットも


そういうわけで、最近では三原色で何年か描き続け慣れてきたので、新しいパレットを使用しています。

その名も三原色描き比べパレット!
右からホルベイン、シュミンケ、まっちカラー、W&N(W&Nだけ6原)。

信号機みたいなパレット

単純に好奇心から作成したのですが、個人的には大正解。ただの3色なのにメーカーによって色や質感、顔料の大きさが違う!顔料の大きさが塗るタイミングに関係してくる!さらには三原色で出すことが難しい色もあることも分かったので、今後noteに記載予定。


4.高ければ良いというものではない

じっくり道具を使い続けて気が付いたことは、ものすごく上質な道具であっても、自分の描きたいものにとってベストであるかは、全くの別問題ということ。

これはW&N。

味わい深い色のW&N


これは、まっちカラー。4つの絵の具の中では一番リーズナブル。

優しい色のまっちカラー

良い道具を使うと仕上がりが違うし、上手くなったような気さえするのですが、実際、道具の違いは、絵を見ている人には、殆ど分かりません。
ミュージシャンが新しい器材を購入したとして、音の違いを普通のお客さんがライブで感じ取れるなんてことは無いだろうし、違いが分かったらそれはもうプロです。

道具はなんであれ、作品が良ければそれでよし。最終的には、自己満足と好みの問題と…片付けられそうではありますが、
なんといっても絵の具にはロマンがある!絵の具って楽しいんです!
こん棒から始めた私だからこそ気付いた点も多々あるし、これから絵の具や色について、このノートを通して少しづつ理解を深めたいと思います。

ではまた次回に✨

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