インターネット黎明のころ、パソコン通信のBBSへの書き込みした方からその当時どんな雰囲気だったかを聞きます
ktyファイルとよばれる、640x200ピクセルで8色の画像フォーマットが当時あったようです。デジタル8色で8ビットパソコンの画像に特化することで圧縮率をたかめているそう。
KTYフォーマットはPC-8801などの8ビットパソコンのころ、MAKIフォーマットはPC-9801などの16ビットパソコンのころによく使われていた画像フォーマットのようです。BBS書き込みされたころは、これらの画像フォーマットで圧縮された画像があるような雰囲気なのですが、現在は検索してもなかなか見付かりません。検索エンジンの画像検索や、ウェブブラウザ、SNSで標準対応しているような画像フォーマットでないと淘汰されがちのようで、当時の画像がどういったものだったかは、パソコンの名称を動画サイトで検索して、パソコン向けゲームを動画撮影されたものをみるのがわかりやすいようです。使用可能な色数が少ない中、色々な工夫で描かれていたようです。
用語
・KTY
NECのパソコン PC-8801上で動くMagical-DOSで対応している、640 x 200ピクセル、デジタル8色の画像フォーマットおよびその拡張子。PC-8801のグラフィック表示でのドットは縦長で、横に2ドットならべてほぼ正方形となる。640 x 400ドットの場合の拡張子はKT4。画像フォーマットはkittyとよばれる事も。横4ドット縦2ドットの画像を基本として、同じ画像が縦および横に連続する長方形を同じ画像で塗りつぶすことで画像圧縮している。デジタル8色で画像を作成する場合に、単色ではなく複数色の色を交互に並べて見掛けの色が多くみえるようにしつつ、閉空間をそのパターンで塗りつぶすような描き方の画像が多くあるため、比較的高圧縮。圧縮画像を展開する時の描画の様子が独特な事から、画像読み込みが印象的。動画は展開時の様子がわかりやすいように、実際の半分の速度に設定している。
KTY: 640 pixel x 200 pixel 3bit (8色) KT4の場合、200pixelが400pixel
・MAKI、MAG
PC-9801 で普及したWoody-Rinn (森林林檎)により仕様書が作成、公開された画像フォーマット。
MAKI: 640 pixel x 200 / 400 pixel 4bit (16色)
MAG: 640 pixel x 400 pixel 4 / 8bit (16色 / 256色) 解像度は任意
・PIC
X68000 で普及した画像フォーマット。色変化点の連結に基づいて画像圧縮するフォーマット。画像展開の描画時に色変化点が先に描画され、稲妻が走るような表示になる。
PIC: 512 pixel x 512 pixel 3 ~ 16bit ( 8色~65536色) 解像度・色数は任意
・Sun
ワークステーションメーカー、及びワークステーションの製品名。初期はマイクロプロセッサに68000、その後SPARCを搭載した、UNIX ワークステーションを発売している。
・X
UNIX 環境で代表的なウィンドウシステム。正式名称は X Window System。Windows や macOS では OS とウィンドウシステムは一体化しているが、当時の UNIX ではウィンドウシステムは単なるユーザアプリケーション。そのため様々なウィンドウシステムが使用可能で、Sun 標準は SunView という独自のウィンドウシステムを搭載。当時 X の方が人気で、X をインストールして使っているところも多い。
・root
UNIX におけるシステム管理者アカウント。もしくは root でログインする権限を持った管理者。管理者のため、該当システムにおけるツール等についても多くの知識を持っていることが多い。
・xgload
X Window上で動作するKTY、MAKI、MAGフォーマットなど、多数の画像フォーマットに対応した画像表示アプリケーション。X Windowを動かすプロセッサは多種あるため、ソースコードで提供されておりダウンロード後にユーザーがmakeして実行ファイルを作成し、アプリケーションを使用する。
参照:https://www.vector.co.jp/soft/dl/unix/art/se004440.html
・UUCP接続
Unix to Unix Copy Protocolの略で、データ転送を行う通信プロトコルの一種。ファイルやメッセージをまとめて通信し、通信している時間を短くつつデータ転送する仕組み。通信料金が従量制のころ、比較的料金の安い夜間に必要なだけ通信する等の用途で使用。バケツリレーのように、データを大学や企業、組織を順番に接続して通信するため、UUCP対応のプロバイダ等が最寄りに見付からない場合は、対応している組織に繋げてもらう必要がある。メールなどの通信量が多くなるとリレーする組織の通信量も伴って多くなるため、管理者が注意を促したり等もあったよう。現在は定額で使い放題の有線ネットワークを誰もが手軽に利用できるため、ほとんど使われていない。
・fj.sources
ネットニュース上でソースをやり取りしているカテゴリ。UUCP接続時にネットニュースを配信してもらったり、ネットニュースサービスを提供しているプロバイダ経由で読み書きを行うため、繋がりがないと読み書きできないこともあった。現在はGoogleグループでネットニュースを閲覧できる。
参照:https://groups.google.com/g/fj.sources
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参加予定イベント
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