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世界初 遺伝性コレステロール値を下げる薬が開発
2023年9月1日, 13:25
https://sputniknews.jp/20230901/16956843.html
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食事法や生活習慣を変えても効き目がなく、
治療法がないとされてきた遺伝性のコレステロールを治す、
世界で初めて経口投与の薬剤を豪州の研究者が開発した。
研究結果は医学雑誌JAMA Networkに掲載されている。
動脈硬化という病気は
「悪玉コレステロール」として知られるリポ蛋白の高濃度によって
引き起こされる。
悪玉コレステロール値が高いと、
動脈が詰まって心臓発作や脳卒中のリスクは高くなる。
アテローム性動脈硬化の治療には、
「悪玉コレステロール」の増殖を抑制するスタチンが使用されるが、
このスタチンは処方された時点から終生服用しなければならない。
ところが医師らが指摘するようにスタチンは
すでに蓄積されてしまったコレステロール値を下げることはできない。
コレステロールの形成は未解明の遺伝的原因によるところが
大きいからだ。
オーストラリアの研究者チームはこの遺伝の壁を克服しようと、
ムバラプリンという先駆的な薬剤を開発した。
この薬は患者の体内に蓄積されたすべてのコレステロールの鎖を
相互作用を分子レベルで阻害することによって、断ち切る。
医学者たちは114人の被験者を使った研究で
ムバラプリンの有効性を確認した。
被験者のうち89人にはムバラプリンを、
25人にプラセボを投与した。
被験者にはまず、
ムバラプリンを1ミリグラムから800グラムまで徐々に増やして投与し、
必要な量へと引き上げていった。
実験の第2段階では、
1日30ミリグラムのムバラプリンを14日間服用した場合の薬効が
評価された。
その結果、服用した患者の血液中の「悪玉コレステロール」値は
2日目にはすでに著しく減少し、2週間後には65%減少した。
ムバラプリンの投与からは
頭痛、下痢、疲労感などの副作用が観察されたが、
全体的には被験者は試験によく耐えた。
ムバラプリンの開発者らは、
遺伝性コレステロール値を初めて錠剤の服用だけで下げることが
可能になったということで
従来のコレステロール治療のありかたを
根底から覆したと語っている。
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