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7.夕暮れ時のディナーパーティー

太陽が傾いてきて、長い休息日もようやく終わりに近づいてきた。ステイしている集落は標高の高いところにあるらしく、夜になるとそれなりに涼しくなる。DrorとChenに誘ってもらい、今夜はご近所さんとホームパーティーをすることになった。丸一日、人やモノが動くのをほとんど見ることのない沈黙の世界にいた私は、久し振りのイベントに胸を弾ませていた。

集落を歩いていくと、私たちの目指す丘の中腹に二両編成のバスが停車しているのが見えた。近づいてみるとそれは固定されていて、中は改修して住居になっていた。バスの外、集落を見渡せる方向にはテラスもあって、すごくオシャレなつくりとなっている。テラスから夕陽の沈みかけた荒野を眺めると、映画の中の世界に入り込んだような錯覚を覚える。

見ず知らずのアジア人である私が来ても、彼らは実に優しく出迎えてくれた。私たち以外にもゲストは2組ほどいて、合計4組の夫婦・家族+謎のアジア人(私)という構図だ。家の主である中年ご夫婦に、彼らと同じくらいの年代の夫婦、西欧風の見た目の老夫婦に、3人の子供たち(誰の子供だろうか)もいる。彼らのなかでも自己紹介が交わされていたから、全員がこの集落にいるイツメンというわけでもないらしい。それでも誰もが穏やかに仲良さげに話をしていて、何だかいい意味でカルトチックな団結感を感じる。

挨拶程度に私も話してみると、1人の女性が「ここでは特にマナーとかそういうことがないってのがルールなの。人種も振る舞いもみんな気にしないわ」と話してくれた。そんなことを言いながら、みんな連携して積極的に夕食の準備をしているから、全く落ち着けない。みんなマナーで、というより、自然と動けるように身体に染みついている印象だ。

ホームパーティーはテラスにテーブルを並べて、鮮やかな夕焼けと広大な荒野を背景に着席形式で食事をした。料理はやはり地中海料理で、昨夜のChenお手製ディナーに引き続き、どれも美味しい。会話は常にヘブライ語なので、基本的に彼らが何を言っているかわからないが、たまに気をつかって英語で話しかけてくれたりもした。対照的に小さなこどもたちは気をつかうどころか私が話しかけてもガン無視をかましてくる。

このディナーは色々とフォトジェニックで写真に収めたかったが、なんだかインスタを上げに集落に来ているように思われるのが嫌で、カメラさえ持ってこなかった。

そして、やがて辺りが真っ暗になって、しばらく経ってから御開きとなる。だいたい3時間程度だったか、食事も場所も最高だったが、気をつかったか、何だか疲れてしまった。

帰宅してシャワーをざっと浴びる。
すぐに寝床につく。さぁ、明日からは労働だ!

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