爽空

社会人6年目(海外営業) 趣味は読書、旅、サーフィン。 自分が「こんな文章が世の中にあったらいいのに」と思う文を書いて、その文章が世の人たちに読まれれば良いな。 生きづらさ、世界の素晴らしさなど、自分の感じたことを文章にする習慣化するためのnote。

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社会人6年目(海外営業) 趣味は読書、旅、サーフィン。 自分が「こんな文章が世の中にあったらいいのに」と思う文を書いて、その文章が世の人たちに読まれれば良いな。 生きづらさ、世界の素晴らしさなど、自分の感じたことを文章にする習慣化するためのnote。

マガジン

  • イスラエル紀行記

    毎週水曜日更新 学生時代に1人でイスラエルを旅した2017年夏の記録

  • オススメ本の紹介

    私が読んだ本の中で、是非皆さんにも読んで欲しいと思った本を紹介しているいくつかの記事をまとめています。 作家志望者として、良質な文章•アイデア•思想を身につけるため読書している中で、特に素晴らしいと思った作品たちですので、是非ご覧ください。エッセイ•小説•洋書など、ジャンルレスにご紹介したいと思います。

最近の記事

金曜、心を取り戻す時間

平日の5日目、金曜は身体も精神も疲弊している。 PCに齧り付きながら、社内調整や顧客とのやり取りに忙殺され、ふと、とんでもなく仕事をやめたくなる瞬間がある。 何でこんなことしてるんだ、と一旦我に帰ると、もう帰りたくて仕方なくなる。今日がそんなだった。 特別仕事がしんどいわけでもなかったけれど、午前中からどうしようもなく帰りたい気持ちが強く、今日は定時に帰ってやる、と決意した。 定時後は身体を回復させるのに重きを置くか、精神を回復させるのに重きを置くか、ゆっくり自分と相談する。

    • かつて好きだった文化人や独立書店

      最近、今までその思想に共鳴していた文芸系文化人や独立書店に賛同出来なくなってきた。(文芸系文化人というのは私が思想に共鳴してtwitterでフォローしている作家や文芸系の仕事をされてるリベラル系の方々だ) それは彼らが変わったのではなく、私が変わったのだと思う。実際の日本経済で歩みを進めれば進めるほど、彼らとの距離が離れていく。彼らの思想に対する気持ちが「醒めてきた」のだ。 実際に現場で動いている人々や環境の事情を知ると、彼らの主義主張は綺麗事にしか思えなくなってくる。 もち

      • 私は今の日本で子供を作りたいと思えない。

        私はもうすぐ26歳になろうとしている、上場企業の会社員だ。 周りの友人は結婚しだし、子供が欲しくないという人は、まだまだ少数なように感じる。皆、いつかは子供をつくることになるだろうと考えているようだ。私はそれが全く理解出来ない。理由は以下の通りだ。 ①私たちの子供たちが生きる日本は今以上に絶望しかないと考えられるから ②今の日本で子供に十分な教育を与えるためには、ビジネスマンとしてかなり秀でていないと難しいように思えるから(そして私は優れたビジネスマンになれるとは思えない

        • 転国時代

          自分が生まれ育った国を離れて、外国で住む、ということは、 何か特殊な事情(転勤や国際結婚など)が無い限り、 滅多に起こらないことだと思っていた。 しかし、終身雇用が終わりつつあり、 転職が当たり前になったように、 近い未来、住む国を自分たちで選択することが自然になってくるのかもしれない。 <ヨーロッパでは普通のこと>私は今日もいつも通り、東欧の先生とオンライン英会話を続けていた。 すると先生が来月ドイツに引越すという話題になった。 これまでも色々な先生がパンデ

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        • イスラエル紀行記
          9本
        • オススメ本の紹介
          3本

        記事

          僕が志す、生きる•働く

          今まで、自分が報われなかったり、嫌なことがあると、すぐに環境や遺伝子のせいにしていた。でも、実は自分はとても恵まれていて、自分を支えてくれてる人が沢山いるってことを最近強く感じる。 新卒からの3年間は色々な意味でキツかった。でも、その下積み期間で強く、優しくなれたはずだ。 明日からは新しい仕事をさせてもらう。 世界中にいくつもある働き口の中から選んだ1番働きたかった環境が、水処理最大手の海外営業。前職では、「働かされてる」「なんでこんなことやってるのか」感が強くて辛くなって

          僕が志す、生きる•働く

          受け入れ難いアヤマチ

          一歩誤れば人生を踏み外しかねないことって、世の中には驚くほどたくさんある。 ―たった10秒居眠り運転をしただけで人を殺したり自分を殺したりすることがある ―たった一度身体を知らない人に売ることで身体が傷つけられたり、殺されたりすることがある ―たった一度の出来心で薬物に手を染めて、戻ってこれなくなることがある 程度は違えど、一度の判断ミスで人生が狂うことがある。でもきっとその一度の判断ミスが起こるまでの長い時間の中で、僕らの人生は少しずつ音もたてずに歪んでいっていたの

          受け入れ難いアヤマチ

          8.海面下400mで肉体労働

          2日連続で虫の羽音で目を覚ます。 目を覚ましてすぐに虫を潰そうとしても見えない。ものすごく近くで羽音を鳴らし続けていたはずなのに見つからないというのは解せない。寝床の小屋の周りを見てみると近くの花に蜂のような虫が大量に群がっているのが遠目でもわかった。きっと羽音はやつらのせいだろう。 寝起きが悪いままトイレへと向かう。トイレのバックには朝焼けに照らされた荒野が目に眩しい。まるで自分が映画スターウォーズに出てくる砂漠の真ん中にいるような気分でうっとりと景色を眺める。 母屋

          8.海面下400mで肉体労働

          7.夕暮れ時のディナーパーティー

          太陽が傾いてきて、長い休息日もようやく終わりに近づいてきた。ステイしている集落は標高の高いところにあるらしく、夜になるとそれなりに涼しくなる。DrorとChenに誘ってもらい、今夜はご近所さんとホームパーティーをすることになった。丸一日、人やモノが動くのをほとんど見ることのない沈黙の世界にいた私は、久し振りのイベントに胸を弾ませていた。 集落を歩いていくと、私たちの目指す丘の中腹に二両編成のバスが停車しているのが見えた。近づいてみるとそれは固定されていて、中は改修して住居に

          7.夕暮れ時のディナーパーティー

          6.Water is life

          真夏のイスラエルとは思えないほどの寒さと、耳障りなハエの羽音で目が覚める。滞在3日目もまた、朝6時頃に起床。私は暑くならないうちに周りを少し散歩しようと思い、ゆっくりホストファミリーの家の前の坂を下っていった。 早朝の集落は驚くほど静かで、リードを繋いでいない飼い犬たちが珍しいアジア人を警戒しながら周りをうろちょろと歩いている以外は何も動くものが見当たらなかった。 休息日の集落はまさに陸の孤島だった。昼12時にChenがブランチを作ってくれたが、DrorもChenもブラン

          6.Water is life

          5.私は犬小屋で生活することになった

          バスの停留所から荒野の中、車を飛ばして5分。 Drorの住む農場は所謂キブツ(社会主義コミュニティ・農場)のようなもので、その中心に彼の家があった。とはいえ小さな農場で、Dror夫妻はあまり農作物を育てたり、家畜を飼っている様子もなかった。 衝撃的だったのは私の寝床だ。彼らの家に到着して荷物を置くために寝床へ連れていってもらったが、私は彼らの家ではなく、そこから少し下った小屋だと言われた。しかし、実際に見てみるとこれは殆ど犬小屋だ。ドアこそあれど、竹と木で手作りされた小さな

          5.私は犬小屋で生活することになった

          4.荒野の先にあるもの

          エルサレムのバスターミナルで降りると、後は待ち合わせのバス停行きのローカルバスに乗り換えるだけだった。乗換まで2時間あったが、バス停の場所だけ確認してから休憩しようと思ったところ、バスの乗り場が全く見つからない。あらゆる標識はヘブライ語でのみ表記され、バス乗り場は無数にあったため、どれが正しい乗り場かが全くわからないのだ。言葉が分からないことの辛さを改めて感じたものの、ここでも人に聞きまくり、何とか乗り場を特定した。google先生に頼ってダメな時は人に聞くしかないのだ。

          4.荒野の先にあるもの

          3.砂上に創られしイスラエル

          テルアビブのホステルで目を覚ますと、ベット横の窓の外は既に明るかった。iPhoneのホーム画面は朝6時半と表示している。 昨夜遅くに到着して、心身共にかなり疲弊していたが、緊張からか思いがけず早起きをしていた。同部屋の若い白人女性はまだ起きる様子もなく、廊下に出てもホステル中の旅人たちが寝静まっているようだった。 朝の散歩でもしようかとホステルの外に出たが、強烈な湿気を帯びた熱気ですぐに室内へ引き返した。さすがは中東の8月である。 あと6時間後には受け入れ先の主人とバス停で

          3.砂上に創られしイスラエル

          あいすけーく

          一年ぶりの宮古島。出張ではあるものの、コロナ禍で東京以外の空気を感じていなかった昨今、沖縄の空気は気分を穏やかにしてくれる。 仕事の合間に軽く休憩を取った。 潮風の吹く芝の綺麗な公園の向かいに、とある小さな商店があった。 照明のない店内に入ると、少し雑に配列された商品棚の奥からヨチヨチと小さなお婆さんが顔を出す。 ―弁当が欲しい? ―ジュースはそこにあるからね 島特有のゆったりしたテンポで淡々と話かけてくる。 ジュースを買って向かいの公園で飲もうと店を出ようとすると

          あいすけーく

          2.中東イスラエルへの入口

          かなり狭めのシートに身体を埋めて12時間以上経ち、飛行機はようやくイスラエルのベングリオン空港に着陸した。 韓国人のマダムたちやローカルの人たちと共に空港へ足を踏み入れると、これまで経験したことのない異国の香りが漂う。 ベングリオン空港はパッと見、欧米によくあるタイプの空港で通路やトイレも比較的清潔に保たれている。派手さのないシンプルな構造ではあるものの、壁は大理石のような高級感のある重厚な石で埋められていた。途中、出発側のショッピングモールホールのようなものも見え、私が

          2.中東イスラエルへの入口

          11月は苦手という話

          毎年11月になると物凄く死にたくなる。 日照時間が短くなり、気温が下がることが一番の要因だと思う。 人身事故も多いし、今年はコロナの影響で私のように死にたくなる人が増えているかもしれない。 2年前の11月は真剣に死ぬことを考えて自殺の方法を考えた。結論は「ダムに飛び込む」だった。それが1番確実に死ねそうで、あまり迷惑をかけなさそうな気がした。まだ、どのダムが1番死ぬのに適しているかは検証していないが。 今年の11月も私にいつも通り憂鬱な気分を運んできたが、今年中に死ぬ予定は今

          11月は苦手という話

          1.隣国から異国へ飛ぶ

          2017年8月10日、東京、羽田空港。少し暗い照明の出発ロビーは夏休みシーズンにも関わらず、閑散としていた。 私は初めて1人で中東、それもイスラエルという国際政治やスタートアップ企業の記事でしか目にしないような国に旅立とうとしていた。ロビーの椅子で一度腰を落ち着けて航空券を取り出してみる。 「HND→GMP」「ICN→TLV」 仁川空港でトランジットだと思っていた私の心拍数が上がった。よく確認すると羽田から金浦空港に飛んで金浦から仁川まで移動しなければならないらしい。某

          1.隣国から異国へ飛ぶ