書きながら、興味があるものを整理したいと思います。

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マガジン

  • 電柱と鉄塔の風景箱

    電柱と鉄塔の風景写真を集めています。

  • 梅と桜の風景箱

    梅と桜の風景写真を集めています。

  • 影と陰の風景箱

    陰影に惹かれた風景写真を集めています。

  • 青の玉手箱

    青い風景写真やイラスト等を集めています。

  • カーブミラーの風景箱

    カーブミラーの風景写真を集めています。

最近の記事

文字で描かれる闇と光5選

暗闇や光の描写を観賞してみた。5選というより、著者5人。エッセイや実用書。 暗闇や光という自然と、身体や感情とのつながり方が面白い。以下、描写の感想メモ。 1.中野純『ナイトハイクのススメ』『闇と暮らす』暗闇では、身体が変わる。知覚する世界も、思考も変わる。 暗闇の中でおぼえる高揚感が、次々と身に起こる変化から語られる。強い納得感とともに、冒険しているようなわくわく感が言葉で掘り起こされていく。 昼目(明所視)と夜目(暗所視)。人間は、光の量によって二種類の目の細胞を使い分

    • 写真展で白をあじわう

      写真展に行ってきた。フォトグラファーさん2人による展示。白と、白という色を超えて見えてきた境界がテーマ。 きりっと硬い白、儚い白、のびやかな白、重々しい白、柔らかい白、うるうるの白、ざらざらの白。 眺めるほど、白が白に見えなくなる。または色としては白じゃなさそうなのに、白く見える。自分の知ってる白の枠組みや感じ方が解体されてくみたいで面白かった。 昼すぎ。恵比寿駅から歩いて3分。のはずが、道に迷う。昨年一度行った場所だと思って気を抜いたら出口を間違えた。駅に戻り、とりあえず

      • 写真から色を採る

        新しい写真の楽しみ方を見つけた。 風景写真の魅力の一つである色を抽出した配色やチラシ等の作例、デザインのコツを紹介した本。 写真から感じた心地よい雰囲気を、写真の色を入れつつ別の形に置き換えるのは面白いのでは、とやってみた。noteで写真をお借りし、架空のチラシやポスター的なものを5つ作る。 夜の風鈴市1枚目の、黒い背景に風鈴が連なる写真。黒い背景と風鈴の組み合わせは珍しいので、目を引いた。昼の爽やかな風鈴も素敵だけど、ひんやりとした闇に浮かび上がる風鈴は何だか神秘的で特

        • 写真展で作品を見る

          昨日、写真展に行ってきた。東京をテーマにした3人のフォトグラファーさんによる展示。 写真を見るというとスマホかPCの画面なので、いつもと違う環境で写真見るの面白そう。フォトグラファーさん達が、テーマに沿って作品を選んで飾った手作りの空間ってなんかいいな、と思った。さいわい気軽に行ける距離。 道に面した入口はガラスで、展示会の様子が外から見えた。コンパクトで明るい会場は入るとなごやかな雰囲気で、しばらく作品を見ていると主催者さんが声をかけてくれた。作品について話したいと思っ

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        • 電柱と鉄塔の風景箱
          84本
        • 梅と桜の風景箱
          54本
        • 影と陰の風景箱
          66本
        • 青の玉手箱
          61本
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          32本
        • 木漏れ日の風景箱
          28本

        記事

          木漏れ日をさわる

          目の前にいい感じの木漏れ日があると、さわってみたいと思う。さわる代わりに、いろんな角度から木漏れ日を味わいたい。集めたものを眺めながら、思うことをメモする。 木漏れ日は水木陰に立つと海の底。言われてみれば、水を感じる。不規則に揺れる光の玉は、見るだけでも涼しげで瑞々しい。日差しが強くなるほど暑さが増すほど、緑の深い木陰は実質オアシスになる。 日本語では信号の色を青と言ったり、葉が青々としていると言う。歴史的なことは知らないけど、感覚的にしっくりくる。「青々としている葉=隅

          木漏れ日をさわる

          小説をポスターっぽく

          ポスター、ではないけどファンアート的なものをつくってみた。 一作品数秒で読める短さで、深い世界観を感じる超短編小説。その中で好きな作品を選んで何かしたいと。 作品に好きなように色をつけたり文字を配置した。楽しい。今回はどれも六井象さんという方の作品。 終わりに作品を見る以外に楽しむというと、ふだんは文字で感想を書くのだけど、短い文の作品は別の楽しみ方したいなと思った。つくる時に使ったのは、だいたいCanva。

          小説をポスターっぽく

          なんか好き、面白いを言語化する質問リスト

          写真や絵を眺めていて、なんでその作品をいいと思うのか、よく分からないことが多い。時間をかけて見ても、うまく言葉にできなかったりする。 言葉が浮かんでこない時のために、いろんなところにメモして散らかっていた質問をまとめた。 写真や絵に特化した質問だけど、他のジャンルの作品について感想を書きたい時も似たような質問を使う。 順番は気にせず、答えやすい質問、答えたい質問から埋めていく。最初に浮かばなかった質問に対しても、他の質問に答えているうちに何か言葉が湧いてくる。考えるきっかけ

          なんか好き、面白いを言語化する質問リスト

          文字で描かれる家5選

          本を読んでいて、惹かれた家を5つ選んでみた。 閉じられた私的な空間は、狭くても一つの宇宙を見ているような気分になる。 そのスペースに何を置くのか、どう使うのか。個人が日常的に生活する場所は他人との違いが浮き彫りになるから、家は身近な異世界じゃないかと時々思う。混沌としているようでも、家の持ち主の独自の秩序が成り立っていて、不思議と魅力的だったりする。 京極夏彦『竹取り』部屋の中から、円窓の外の景色と窓際に座る友人を見た風景。読んでいると、文のリズムと視覚的な美しさでくらくら

          文字で描かれる家5選

          時間と光と空気感

          街中で、場所によって時間の進み方が速く感じたり、遅く感じたり、止まっているように感じることがある。実際の空間ではなく、二次元の風景ではどうだろうと、時間について考えながら写真を眺めてみた。時間が速い、遅いと感じる要素をまとめてみる。 速く流れる時間普段ならば殺風景だと思ってしまう車道が、メタリックな光が眩しいSF世界のような光景に。青みを帯びた鮮やかな色合いと金属の光沢が、サイバー感を醸し出していて、白線の路面標示までスタイリッシュに見える。 真っ先に目を奪われた、斜めに突

          時間と光と空気感

          梅は近くから、桜は遠くから

          集めている梅と桜の写真がたまってきた。まとめながら春仕舞いする。 梅は近くからつぶさに見て、桜は遠くから眺めるのが好きだけど、 いろいろな写真を見ていていると、また違う楽しみ方をしたいと思った。 梅と桜の出会い方ふだん街中で見かける時、梅は距離が近い。 一軒家の多い住宅街を歩いていて、角を曲がると塀の向こうに梅の白や赤が目に入る。または角を曲がった時に、甘い香りがして梅の方向に振り向かされる。梅は個人宅の庭木として咲いている、プライベートな花という印象。 一方、桜が咲いて

          梅は近くから、桜は遠くから

          見ることを楽しみつづける

          SNS上でどの写真を見ても感動しなくなる現象、というのが印象に残っていて、表現のコモディティ化の話からずれるけどつらつらメモする。 SNSは普段、好きなものを見つけてたくさん感動したいと思って開いている。たくさん感動したいわりに、出会ったものをじっくり味わうということをつい後回しにする。量ばかり求めて、SNSで得られる体験の質を、自分で下げている時があるよなと思った。 特に写真は手軽で。すべての情報が同時に目に入って、一瞬で引きつけられる。感覚的で、文字より速く心が動く。

          見ることを楽しみつづける

          色彩に頼らず、鮮やか

          白と黒がメインの写真をまとめてみた。noteにカラフルな写真が溢れる中、なぜか埋もれず、集めてしまう無彩色の写真。地味だと思わない、むしろ鮮やかさを感じるのは何でだろうと、眺めてみる。 構図の迫力一枚目。竹の切っ先が迫る。その先に真っすぐ切られた石垣と鳥居。 色が削ぎ落され、緊張感のある構図も相まって、凛とした空気がそこにあるような。鳥居をくぐってこちらに届く水まで清らかに見えて、感覚が研ぎ澄まされていく気分になる。 大きく伸びた影が主役にも見える、大胆に角度をつけた写真

          色彩に頼らず、鮮やか

          小説づくりの過程、現実世界の魅力

          ショートショートnote杯で大賞だった方が、どんなふうに作品を思いついたかについて投稿してくださいました。 オンライン授賞式では、ゲーム会の後で力尽きてすぐに退室。他の方の作品についてお聞きすればよかったなと思っていたから、作品づくりの過程を知れる記事を見つけてすごく嬉しい。 どんなふうに話を作ったか自分も載せてみた。使うのはこの話。 やってみると、他にも書きたいことを思い出したから一緒にメモする。 話づくりの流れ・お題を選ぶコンテストのお題から、話の方向性は見えないけ

          小説づくりの過程、現実世界の魅力

          言葉の世界でモノの性質を変える

          ショートショートnote杯のオンライン表彰式&ゲーム会に参加しました。 審査員の方々の審査時のお話や、受賞された方々の企画への参加経緯やご感想等。顔を合わせていろいろ聞けたのがとても楽しかった。 表彰式の後の、お題の言葉を組み合わせて5分間でショートショートを作るゲームでは、皆さんすごかった。ほんとに短時間で小説の形になっていて、面白いお話をZoomのチャットに投稿されるのだ。 自分はおろおろしてそれらしい形にはならず。形にならなかったなりにも、刺激的で素敵な体験だった。

          言葉の世界でモノの性質を変える

          届かない青

          いつもより青に浸りたい気分になった。集めたものを眺めながら、青について思うことをまとめてみる。 青と非日常チェスのような模様に、観覧車。ファンタジックなモチーフと、甘さを抑えた色のかけ合わせが癖になる。 特に一枚目の、直線が集中した道。中央に目がぐっと引き寄せられて、視界が広ける解放感。ここを入口に、ビターで幻想的な世界観に引き込まれる。 触れそうなほどの立体感と質感。異質な組み合わせなのに、とってつけた感がない。 首やヒレのつけ根は柔らかそうだけど、ヒレや頭の艶が、宝石

          届かない青

          『君に贈る火星の』

          人々の白い息と屋台の湯気。通りに入ると、提灯の明かりが霧のように広がっていた。 月光ミルクティ、オリオン星雲の綿あめ、流れ星の音がする笛。 寒さを気にせず、屋台の間を走る。 足を止めたのは植木の並ぶ店。 つぶらな実をつけた鉢があった。光沢のある赤い実が、葉の間にたくさんのぞいている。 「それは火星の実だよ」 店の人が、棚の奥から鉢を指さす。 「これ、火星なの?」 「ああ、南天ともいう。火星は南の空に昇るから」 古い火星が落ちる頃、新しい実が空で熟すんだ。地上から見えるほど

          『君に贈る火星の』