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「デジタル・ファシズム 堤未果」を読んで 〜3年前の警告、現在の状況〜

この本を選んだ目的、ねらい

私は長年、公共分野に特化したシステム開発を手掛けるSEをやっています。

この3年ほど、テレワークが中心の生活となり、出社は週に1〜2日となりました。

移動時間が浮いた分を読書や運動に使えていて、結構このライフスタイルが気に入っています。週に1冊を目標に読書の習慣が定着しました。

本書は「デジタル」と「ファシズム」という一見関係のない単語の組み合わせが刺激的だったこと、「日本の資産と主権が消える」というサブタイトルも衝撃であったこともあり、手に取りました。

読んで良かったこと、感じたこと

なぜ国民の重要な情報を扱うデータ基盤が外国製?

なぜデジタル庁は国民のあらゆる個人情報を扱うクラウド基盤にawsなどの米国のクラウドサービスを使うのか常日頃から疑問に思ってました。
(あとでさくらインターネットがおまけで追加されてはいますが)

その原因が2020年1月1日発効の「日米デジタル貿易協定」にあることが本書を読むことでわかりました。
この協定により、個人情報などを管理するデータ設備を日本国内に置くという要求ができないようにされてしまったんですね。。

この本を読んで、自分は今から何をするか

日米デジタル貿易協定への理解

日米デジタル貿易協定の中身を深く理解したい。
政府HPにアップされてますがわかりづらい。
wikiのほうが読みやすいですね。

(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ila/et/page3_002912.html

(wiki)
日米デジタル貿易協定
wikiより引用

市場アクセス交渉の概要

めっちゃ気になるのは以下の2点です。
①関税を賦課できない
 →これってスケールメリットがある側がコスト的に有利なので、IT分野
  劣勢にある日本はアメリカのIT企業に対して競争力を発揮するのが困難
  だと思いますが。。

②自国内でのコンピュータ関連設備の利用・設置を要求してはならない
 →これって日本の機密情報を含むあらゆる情報が外国に保存されるけど
  OKってことになりますね。普通にヤバいと思います。。

最新の状況の把握

本書は2021年8月、およそ3年前の出版でした。この3年で状況はどこまで改善したのか、悪化したのか、最新の状況を調べたいと思います。

たとえば、少なくともガバメントクラウドは実質アメリカのawsが実質のスタンダードとなり、当初の運用経費の3割削減がかなり怪しい(増加する?)状況。。
官製デスマーチというこえもちらほら。。

今後の動向

日米デジタル貿易協定が成立した2020年は、日本は安倍政権、アメリカはトランプ政権の時でした。どちらも愛国っぽいナショナリスト政権でしたね。

本日時点では日米双方の政権の転換期を迎えていて、日本は石破総理が誕生し、これから解散総選挙、アメリカも11月に大統領選挙が迫っていて、トランプさんが返り咲くか、バイデンさんの後を継ぐハリスさんが勝つか注目が集まっています。

ナショナリスト政権になるか無国籍なグローバリスト政権になるかで、今後の動向に影響がでそうです。個人でできるスケールの話ではないですが、注視していこうと思います。

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