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Shelford Channelについて思うこと。

すっかり寒くなりましたね。
朝晩は空気がパリッと張り詰めていて、北海道の長い冬がすぐそこに来ているのを感じる日々です。

本日はアウトボードのお話。
今年(2024年)6月に念願のRupert Neve Designs Shelford Channelを購入し、約半年ほど使ってみたので、現時点出の感想をつらつらと書いてみたいと思います。

導入にいたるまでの経緯

まず、NeveのマイクプリアンプにハマるきっかけとなったのがUniversal AudioのNeve1073プラグインです。
プラグインながら血が通っていると言いますか、温かみのある音ですぐに好きになりました。

「これが実機だったらどうなんだろう。」
と調べると、オリジナルのヴィンテージ1073なんかはとても手を出せる金額ではありませんでした…。

しかし、Neveインスパイアのマイクプリアンプはたくさん販売されていることも同時にわかり、吟味に吟味を重ねた上でAurora Audio GTQ2を購入。

プラグインにはない濃厚さ、それでいて角が取れたようななめらかさを兼ね備え、音が平面から立体に変わるような変化に感動…!

しかし、使い続けてると、「この濃厚さと力強さゆえに万能ではないな…Neveの質感はありつつもう少しさっぱりとしたものはないだろうか…。」と思い始めるようになりました。

「マイクプリアンプなんか何台も持たずとも気に入った一台があれば十分なのでは?」と思っていた自分に特大のブーメランが返ってきたのはまた別のお話。。

Rupert Neve Designs

そうこうして調べていると、Rupert Neve Designs Shelford Channelなるマイクプリアンプ(厳密に言えばチャンネルストリップ)が良いらしいということが判明。

Neveの創始者、Rupert Neveさんが興し、その名を冠した会社から出ている製品。俄然期待が高まります。

…とは言え近場で試せる楽器屋さんなどはないので、ネットでレビュー記事を探したり、YouTubeで音を試聴したり。(札幌って初音ミクちゃんのお膝元なのになんでDTM専門店みたいなところないんでしょうかね。)

想像してる音から遠くはないのでしょうけど、やっぱり使ってみないとわからんなぁ。しかしお値段が高い…。
などと悶々と日々を過ごしていたところ、価格改定で値段が上がるというお知らせがっ!!!!

差分数万円にせよ、定価50万円台から60万円台に乗っかるというのは精神的にくるものがあるので、急遽機材整理を行うなどして買うことにいたしました。

常に70〜80点を叩き出す優秀さ

注文から待つこと1ヶ月、入荷したてのShelford Channelが我が家に到着。

早速使ってみると、Neveの質感はありつつさっぱりとしており想像通り。EQやコンプもついていて柔軟性の高い音作りが可能。
オーケストラ楽器は扱わないのでなんとも言えないですが、バンド編成なら基本どんなものを通してもこれ一台で70〜80点の音にしてくれます。
ネガティブな意味ではなく、あとの20〜30点は他の機材やプラグインなんかを使い、好みに合わせて補完するための余白をあえて残してあるようにも感じました。

比較してみれば、キックやベースはGTQ2をかける方が好みだったのでそちらを使うことにして、「とりあえず何を入れても大丈夫」という安心感を担保してくれるShelford Channel。大変気に入っております。

僕のような初心者でも扱いやすい反面、これ1台で100点満点を狙いたい人や、このソースにはこれ!とある程度の正解が自分の中にあって、見合った機材が揃ってる人にはShelford Channelじゃなきゃダメな理由が無いような気もしました。

値段は現在約60万円と高額ですが、パーツの高騰と円高が関係しているのでしょう。
発売当初で40万円ほどのものと考えると、マイクプリアンプ/EQ/コンプ/DIを別々に揃えるとこれくらいの値段かそれ以上になりますし、アウトボード初心者でも扱いやすく、通せばプロのような音にしてくれるチートアイテム…となれば破格の性能かも知れません。

DIの性能

同社から出ていて評価も高いRNDIと同等、高品質なプリアンプも通るのでそれ以上のDIがShelford Channelには備わっています。

宅録する分にはケーブルがさほど長くなる訳でもないので、ベースをなどを録るならオーディオインターフェイスのHi-Zに挿せばいいのですが、個人的にDIのキャラクターを付加した音が好きです。

使ってみると、フレットの引っ掛かりが薄くなるような、ぬるぬるとした質感…重心は若干腰高で抜けが良く、プロのベースでこういう音聴くよなぁ…といった感じでした。

個人的にはもうちょっと重量感があってもよかったので、GTQ2(こちらもDIとして使用可能)が使えるならそちらを選ぶと思います。
しかし、持ち運ぶなら絶対にShelford Channelなので、EQも付いていて足りない分は補えそうですし、DIとして使う機会も多そうです。

最後に

以上、初心者なりにShelford Channelのレビューをしてみました。
使い始めてまだ半年ほどなので、時間の経過と共に感想も変わるかも知れません。
アウトボードに関するレビューってなかなか無いので、この記事がどなたかの参考になることを祈っております。

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