524 ゴニョゴニョ

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4本目 『ザッツ・エンターテイメント』(1974)

ザッツ・エンターテイメントThat's Entertaiment 1974年 / アメリカ / 132分 監督 ジャック・ヘイリー・Jr. review この間、『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を見に行ったら、劇中で見ている映画の中で『Thet's Entertainment』を歌っていた。 ということで、この『ザッツ・エンターテインメント』を見ることに。 ついでに、『That's Entertainment』を歌うのは1953年の『バンドワゴン』なので、そのシーンを見

    • ナポレオン ディレクターズ・カット | “悪妻”ジョゼフィーヌをこそ描くこれが完全版

      review おすすめ度 ★★★★⭐︎ 元々は2時間40分あったオリジナル版に48分の新規カットを追加したディレクターズ・カット版がApple TV+で配信されたので見てみた。やはり自宅で長尺映画を見るのは中々根気がいる。 ただ公開時からすでにディレクターズ・カット版を作っているという情報は流れてきていて、4時間半にも及ぶと噂もあったが蓋を開けると3時間半に収まったようだ。 監督のリドリー・スコットといえば後からバージョンをたくさん作ることでお馴染みで『ブレードランナー

      • 3本目『君よ憤怒の河を渡れ』(1976年)

        君よ憤怒の河を渡れ 1976年 / 日本 / 151分 監督: 佐藤純彌 出演: 高倉健、原田芳雄、池部良 review まずタイトルが良い。『君よ憤怒の河を渡れ』「フンヌ」ではなく、「フンド」らしい。 高倉健主演のこれぞ70年代日本映画というアクション大作。監督は佐藤純彌でフィルモグラフィーでいうと『新幹線大爆破』の次くらいだろうか。ついでにこの作品は中国で大人気なんだそう。なんでなんだろう。 無実の罪を着せられて逃亡犯となった検事が、事件の真相を追い求めて日本全

        • フォール・ガイ | 本格アクション×ラブコメは上手くいってるのに…

          フォール・ガイThe Fall Guy 2024年 / アメリカ / 125分 監督:デヴィッド・リーチ 出演:ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラント story 人気スターの専属スタントマン コルト(ライアン・ゴズリング)はカメラオペレーターのジョディ(エミリー・ブラント)と恋に落ちていたが、スタント事故で自ら一線を退いてしまう。ジョディとも疎遠になり隠遁生活を続けていた彼の元にプロデューサーのゲイル(ハンナ・ワディンガム)から「復帰してほしい」と連絡が。ジョディが夢

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        • Cinema note 1世
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        • Podcast 524 ゴニョゴニョ
          2本

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          2本目 『冒険者たち』(1967年、ロベール・アンリコ監督)

          冒険者たちLes Aventuriers 1967年 / フランス・イタリア合作 / 112分 監督: ロベール・アンリコ review 夢を追う男2人と女1人。 夢敗れて傷心した3人は「コンゴでお宝を積んだ飛行機が墜落した」という本当かもわからない情報を信じて、お宝探しを始めるのだった。 ロベール・アンリコ監督の代表作で、主演はアラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラとジョアンナ・シムカス。 見て真っ先に思ったのは、アメリカンニューシネマの映画みたいだな〜ということ。もち

          2本目 『冒険者たち』(1967年、ロベール・アンリコ監督)

          1本目 『光あれ』(1946、ジョン・ヒューストン監督)

          光あれLet there be Light 1946年 / アメリカ / 58分 監督: ジョン・ヒューストン Stranger 「ジョン・ヒューストン特集」にて。 review 巨匠ジョン・ヒューストンが第二次世界大戦直後に軍から依頼を受けて作ったドキュメンタリー映画だ。 ただし、制作されて35年間封印されてしまっていた。 その理由は単に内容の問題だ。 題材となるのはロングアイランドにあるメイスン総合病院という場所で、当時ここには戦地で心に傷を負った兵士たちの治療が

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          フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン | 良い意味で軽い、ハリウッド式宇宙開発ラブコメ

          Story アポロ1号の事故、終わりの見えないベトナム戦争の余波を受けて、いまいち盛り上がってない月面着陸計画。予算難に苦しむNASA(というよりもっと国の上層部)は広告のプロであるケリー(スカーレット・ヨハンソン)を雇ってイメージ回復を計る、どんな手を使ってでも。そんな破天荒なやり方にプロジェクトリーダーのコール(チャニング・テイタム)とは対立する。その一方で2人は惹かれあってもいくのだった… review おすすめ度 ★★★☆☆ 日本版の予告がやけに重々しい、いわ

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          『悪は存在しない』 根本的にドキュメンタリーのよう

          story 山奥の小さな集落で暮らす寡黙な男 巧(大美賀均)とその娘 花(西川玲)。自然の中で何でも屋として慎ましい生活を送っている。そんな集落に東京からグランピング場建設計画の話が舞い込んでくる。既に建設時期も決定しているこの計画の説明会のため東京から高橋(小坂竜士)と黛(渋谷采郁)がやって来るが、説明会は住人たちの反発によって紛糾してしまう。そして高橋と黛はそのグランピング場の管理人を巧にお願いできないか頼みにくる。 review 文責=1世 おすすめ度 ★★★★☆

          『悪は存在しない』 根本的にドキュメンタリーのよう

          天下をとった成瀬に嫉妬した話(本屋大賞おめでとうの気持ちを添えて)

          今年の本屋大賞は『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社、2023、以下『成瀬』)であった。明るい黄色の背景に「LIONS」と書かれたユニフォームを身につけ、強い眼差しで前を向く少女の横顔が印象的な表紙は、普段あまり書店に行かない人であっても、一度は目にしたことがあるだろう。この書籍は3月の刊行以降この一年、どこの書店に行っても店頭の話題書コーナー、もしくは特設の「成瀬」コーナーで大々的な展開をされていたからだ。パネル、POPはもちろんのこと、数多くの著名人のコメントが入ったA3ポ

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          ARGYLLE/アーガイル | オチは考えず、ともかく話を転がそう

          ARGYLLE/アーガイル2024年 / イギリス・アメリカ / 139分 監督: マシュー・ヴォーン 出演: ジェシカ・チャスティン、サム・ロックウェル、ジェシカ・チャスティン story 凄腕スパイの活躍を描いた人気スパイ小説『アーガイル』。その作者のエリー(ジェシカ・チャスティン)はシリーズの結末をどうすべきか書きあぐねていた。気晴らしに愛猫アルフィーと旅に出たところ、スパイと名乗る謎の男エイダン(サム・ロックウェル)と出会い自分が諜報組織の標的となっていることを知

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          Saltburn|醜態を晒してでも、高嶺の花へ手を伸ばす。その姿が切ない

          Saltburn2023年 / アメリカ / イギリス 監督:エメラルド・フェネル 出演:バリー・コーガン、ジェイコブ・エルロディ、ロザムンド・パイク… story オックスフォード大学に入学したオリバー(バリー・コーガン)は友達が出来ずに学生生活をスタートした。しかし些細な事件をきっかけに学園の人気者でお金持ちのフィリックス(ジェイコブ・エルロディ)と仲良くなり、親友になっていく。そして夏休みにさしかかり、フィリックスは実家のあるアメリカのソルトバーンへオリバーを招待す

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          シャクラ|このアクションは観客にも鍛錬を求める

          シャクラ原題:天龍八部之喬峰傳 2023年/ 香港・中国 / 130分 監督:ドニー・イェン アクション監督:谷垣健治 出演:ドニー・イェン、チェン・ユーチー、リウ・ヤースー story 丐幇[かいほう]の幇主・喬峯[きょうほう](ドニー・イェン)は義に厚く周囲からの信頼も厚い武芸者だったが、副幇・馬大元殺しの濡れ衣を着せられた上、謎だった彼の出自が漢民族ではなく契丹人だと暴かれて丐幇を追放されてしまう。喬峯は嫌疑を晴らすために潜入した先で出会い、重傷を負わせてしまった密

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          ファースト・カウ|あまりに資本主義的な一匹の牛さん

          ファースト・カウFirst Cow 2020年 / アメリカ / 120分 監督 ケリー・ライカート 出演 ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ 【story】 西部開拓時代、オレゴンは毛皮を狙う狩猟グループで賑わっていた。そこで偶然出会った気弱なコックのクッキーと中国人のキング・ルーは成り行きで共同生活をすることになる。その町の有力者である仲買商がはじめてオレゴンに牛を連れてきたという噂を聞き、二人は秘密でその牛のミルクを絞って、ミルク入りのお菓子を売る作

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          『クララとお日さま』(と『私を離さないで』をちょっとだけ見比べてみる)

          カズオ・イシグロ作品では2作品目。最初に読んだのは『私を離さないで』だったので奇しくも類似の題材とされる作品。今回は少しだけ比較してみたい。カズオ・イシグロ作品についての専門家でもなんでもないので、とりあえず思ったことを書いているだけである。どうか夜道で刺さないでほしい。 話す前にあらすじ。 人工友人(AF)のクララは、病弱な女の子ジョジーの家に買われ、ジョジーの友人として生活することになる。ジョジーの母親、家政婦、幼馴染、その母親、ジョジーの父親たちがジョジーに注ぐ視線

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          伯爵 | ピノチェトが生き返った上に実は吸血鬼だった!

          伯爵El Conde 2023年 / チリ / 110分 監督: パブロ・ラライン 文責= 1世 おすすめ度 ★★★☆☆ アウグスト・ピノチェトが現代に蘇った! しかも吸血鬼だった! 個人的にここ最近チリ映画づいている気がする。この夏に巷を賑わしていたストップ・モーションアニメ『オオカミの家』もチリ映画だったし、そのちょっと前にこの作品の監督パブロ・ララインの過去作『NO』(2012)を見たりしていたりもした。 とはいえチリ映画やチリの歴史について詳しいかと言われれば

          伯爵 | ピノチェトが生き返った上に実は吸血鬼だった!

          悪い子のところにはロバート・マッコールが来るぞ!ー『イコライザー THE FINAL』

          イコライザー THE FINALThe Equalizer 3 2023年 / アメリカ / 109分 監督:アントワーン・フークア 出演:デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング 悪い子のところにはロバート・マッコールが来るぞ! 文責=1世 おすすめ度 ★★★★☆ デンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコールさんが世に潜む悪党どもに正義の天誅を下すアクションシリーズの第3作。 とはいうもののこのシリーズに関しては、アクション映画よりホラー映画に近いものかもしれない

          悪い子のところにはロバート・マッコールが来るぞ!ー『イコライザー THE FINAL』