詩 第十四集 静穏歌

無音が好きです。遠くの音に耳を澄ます感覚。あれが好き。
初回からギリギリになりましたが今週から毎日投稿やります。
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いつかの為の歌
いつか適する形で届くまで残す歌
苦し紛れの一言を
掬い取って
重ねてその喉に
君は抜け殻 僕が脱いだ温かな
湿る鼻先を 撫でる尾の先を
まだ過去にしたくなかった
モザイクの絵画の中に同じ色を見つけた時
同じ色の中に沈んだ色を見つけた時
私が置いてった
かつてのあの子は恨めしがるね
でもまた会っても
抱きしめられるくらい
私はあなたじゃなくなってしまったよ
嫌いなのに好きでいられるということ
嫌いなのに好きでいてしまうということ
どうでも良くなる未来を怖がって
一欠片づつ布に包んだはずなのに
結び目は綻んで花開く
ぱらぱらとぱらぱらと
他者と共に生きるひとりぽっち
その矛盾を
あなたと共に持ちたいのだと
持ち続けても不毛だと想う程には転がり続ける
口つけたラムネのビー玉

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