とりどり。
例えば、真っ白な画用紙に
水彩絵の具を落とすように。
“色”が、ぽたりぽたりと
浮かんで落ちる。
話す相手を選ぶ話題だなぁ
と思うので、ほとんど
口にしたことはないのだけども。
いつからか
白い紙に印刷された人の名前に
「色」が浮かぶようになった。
意識するようになった…
いや、気づいたのは
ほんの数年前のことで。
こどものころから
そうだったんだろうか。
あぁ、このひと みどりだな。
というようなことは
感じていた気がする。
じぶんの名前(本名)であれば
黄色とオレンジと緑が
ぽたり ぽたり 広がる。
ときどき
「コンクリートのようなグレー」
とか
「洗濯しすぎたTシャツの緑」
とか、
言い表しにくい色が
あたまの中に出てくる。
目の前の人が付けている名札
だったとして、
そのひとの着ている服や
持ち物などはまるで関係なく
色 が浮かぶ。
先日、職場で見たある人の名前が
「淡い黄色」だった。
書類に載っていた名前。
その人のことは、全く知らない。
そういえば、色…
そのときなんとなく
書き記しておこうと思った。
共感覚というのとは
違うと思う。
連想ゲームのようなもの
なのかもしれない。
誰かに話しても
何を言ってるんだ??
という感じになってしまう。
数人にしか話したことはないが
みんなリアクションに
困っていたので
ほぼ誰かに話すことはなくなった。
自分ではこの感覚を
なかなか気に入っているのだが
わかってもらえたことは
今のところ一度もない。
わかってもらいたいものでもない。
なんのオチもないが
1日雨が降り続いていたので
色の話をしてみたくなった。
ああ、花の写真を
撮りに行きたい…