果物に含まれる主な栄養素
果物にはビタミンやミネラルなど普段の食生活では摂りにくい栄養分が含まれており、近年では果物の栄養素が様々な生活習慣病の予防に効果を発揮することがわかっています。
カリウム
カリウムはヒトに不可欠な必須ミネラルの一つです。
食塩(ナトリウム)の排出を促すことで、血圧の上昇を抑える働きや細胞内の浸透圧を維持する働きがあります。
カリウムは水溶性なので、果物で摂取する場合は生のまま食べるほうが効率的に摂ることができます。
≪カリウムを多く含む果物≫
アボカド、バナナ、メロンなど
ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、目や皮膚の粘膜を正常に保つ働きや、視力を正常に保つ機能があります。
成長にも関与するため、妊婦や乳児にとって特に必要とされるビタミンです。
粘膜の抵抗力を高める作用があり、不足すると目や鼻、喉が乾燥します。
βカロテンなどのカロテノイドは、体内でビタミンAに変換されるため「プロビタミンA」と呼ばれています。
≪ビタミンAを多く含む果物≫
みかん、スイカ、ビワ、柿、アンズなど
ビタミンC
ビタミンCは水溶性でアスコルビン酸とも呼ばれています。
シミやそばかすの原因となるメラニン色素の増加を抑制する作用や、シワやたるみの対策に有効なコラーゲンの生成を助ける働きがあるため、「美白のビタミン」とも言われています。
抗酸化作用があり、老化や癌の原因となる活性酸素を抑えることで体内の酸化を防ぐ働きがあるため、癌の予防効果が期待されています。
また、鉄分の吸収促進、風邪の予防、抗ストレスとった効果もあります。
水溶性のビタミンCは加熱に弱く調理で失われやすいため、生のフルーツから摂ると効果的です。
≪ビタミンCを多く含む果物≫
アセロラ、柿、キウイフルーツ(黄肉種)、イチゴ、柑橘類など
ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、ヒトの老化を促す活性酸素の増加を抑制する働きや毛細血管の血流をよくする働きがあることから「若返りのビタミン」とも言われています。
老化防止の他にも、癌、動脈硬化、心臓病、白内障などの生活習慣病の予防効果が期待されています。
ビタミンEは脂溶性のため水洗いなどで失われることはありません。
≪ビタミンEを多く含む果物≫
イチジク、キウイフルーツ、桃など
有機酸
有機酸とはフルーツに含まれる酸のことで、フルーツを食べたときに感じる酸味や清涼感のもととなる成分です。主にクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸などがあります。
有機酸には大腸内で悪玉菌を抑えるといった整腸作用や貧血防止効果があります。
疲労回復の働きがあるクエン酸は疲労物質である乳酸の減少を促進します。
≪有機酸を多く含む果物≫
レモンを始めとする柑橘類
食物繊維
食物繊維にはヒトの体内では消化されない性質がり、便秘予防効果があります。
糖質や脂質の吸収を遅らせることで発癌性物質の排泄を促進する働き、悪玉コレステロールの上昇を抑えることで動脈硬化を防ぐ働きなど、生活習慣病の予防効果が期待できます。
≪食物繊維を多く含む果物≫
アボカド、キウイフルーツなど
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミンB12と一緒に赤血球を生成します。
身体の発育を促すために必要な栄養素であり、細胞の生産や再生を助ける働きがあります。
妊娠される方には特に必要とされる成分で、厚生労働省は妊婦希望者や妊娠初期の方に1日400μgの摂取を推奨しています。
その他にも、認知症予防効果が期待されています。
≪葉酸を多く含む果物≫
ライチ、イチゴ、パッションフルーツなど
最後に
体内で生成できないビタミンやミネラルは、それらを含む食べ物を食べることで摂取しなければなりません。不足すると欠乏症を引き起こす場合もあります。
フルーツを食べる習慣をつけて、ビタミンやミネラルといった必要な栄養素を効率よく摂取しましょう。